エピソード02 【 1時間(+30分) の時間制限 】
修了式も終え、私は家に帰った。
母親が料理をしながら…
「 あれ?早いね… お帰り。」
「 只今。今日は修了式だった! 」
「 そっか。明日から冬休みやね… 」
と私は2階へ上がろうとしたら、母親がまた言った。
「 冬季講習とかあるの?あんた成績とか最近見せないから、ドラフト1位決まってから勉強の方は鈍ってないでしょうね? 」
「 冬季講習無い。成績は上位だし、留年は無い。」
「 なら、良かった。それだけ聞きたかった! 」
私は自分の部屋に入り、制服を着替えた。
香奈が部屋に入ってきた。
「 お兄ちゃん。お疲れ様!明日予定作れる? 」
「 クリスマスイブやぞ!」
「 うん。それは知ってるよ!お兄ちゃんこそ… 夏葉さんとクリスマス一緒に迎えなきゃ! 」
と香奈はニンマリ顔で私の方をニヤニヤしながら言った。
「 香奈… それお前誰にも言ってないよな? 」
「 うん。言ってないよ… 言う人居ないもん。」
「 なら、良かったが… アイドルの子達とはクリスマス迎えないのか? 」
「 うん。アイドルの子達とは大晦日の2.3日前に帰る。
東京にはその時かな(2.3日前)に帰る。LIVEがあるから。テレビに映るかもしれないから見てね! 」
「 なら、良いけど。」
「 で、お兄ちゃんは夏葉お姉ちゃんの事宜しくね! 」
「 五月蝿いわ!ってか、この事両親に言ってないよな? 」
「 うん。だってお兄ちゃんの方から報告しないと意味ないし、口出せないし… 」
「 香奈、駿輔。夕ご飯出来たから、席に座ってね! 」と母親の声がした。
私は私服に着替え、食卓の椅子に座った。
机の上には何故かサラダと焼肉に広島焼きと変わっていた。
「 な、○○(母の名前)。今日はなんで広島焼きに焼肉なんだ? 」
「 え?なんでって… なんででしょうね。 」
と私は察したが…
多分違うだろうと思いながらも聞いてみた。
「 今日の夜の事聞いてる? 」
「 ん?何の事? 」と母の顔がちょっと変わった。
「 やっぱり、聞いてるんやね… 夏葉先生から。」
少し間が空き… 母は言った。
「 夏葉ちゃんから、今日の夜に息子さんに会う予定なので、ちょっとお借りしますね。って言われたの…
だから、栄養のある食べ物作っちゃった。」
「 で、○○は何で答えたの? 」
「 どうぞ、息子を宜しくお願いしますって言ったよ。」
って、母はなんて言い方を言ってしまったのかちょっとガクッときた。
広島焼きに焼肉に白飯を何杯か食べた。
腹一杯になり、少し休んでから隣の家へ向かった。
そして、玄関の所にあるベルボタンを押した。
扉を開けると、夏葉さんの母親が目の前にいた。
「 あれ?駿輔君。久しぶり!元気にしてた?ドラフト1位おめでとう!夏葉… 網谷君来たわよ! 」と私を抱いた。
「 さぁ、入って… 入って! 」
「 お邪魔します。」と靴を脱ぎ、階段を登った。
夏葉さんの部屋を開けるとそこは小学生の頃に入った記憶のある彼女の部屋とは一層違った感じの空間だった。
「 網谷君。適当な所に座って! 」
私は床に座った。胡座で…
夏葉さんの部屋は香水でいい匂いだった。
「 匂い嗅がないの… 」と顔を真っ赤にして言った。
「 で、話ってなんですか? 」
「 今日は1時間話がある。」
あれ?昨日まで30分だったのに…
今日は昨日の時間より30分上乗せだった。
「 あれ?先生。前は30分だったのに、何故、今日は1時間なんですか? 」
先生はちょっと気付いたのかって顔をしながらも表情筋は変えなかった。
「 その事はどうでも良い。明日、クリスマスイブだよな?どうするんだ?明日一緒に歩くのか?街中を… 」
「 え?でも、人目に付きますけど…大丈夫なんですか? 」
「 少し変装をすれば何ともない。だからどうするんだ? 」
と夏葉先生はちょっと私に怒った顔を見せた。
「 先生の怒った顔も可愛いですね… 」
「 五月蝿い!そんな事はどうでも良い。どうするのか聞いている! 」
私はクリスマスイブを妹と一緒に過ごして、
クリスマス当日を(夏葉さんと)一緒に迎えたいと説明した。
「 あ、そう言う事か… 香奈ちゃんと一緒にか。」
「 はい… 妹からは、イブを私と妹の2人で過ごして、クリスマスを夏葉さんと一緒にしたらと言ってました。」
「 香奈ちゃんはそれで良いって言ってるのか? 」
「 はい。それで良いと言ってます… 確認の為、呼んできましょうか? 」
「 いいや、大丈夫だ。あい、分かった。」
「 クリスマスイブの時になんか料理でも作って置いてくれませんか?クリスマス当日に料理しても時間の無駄だと思いますから、御願いします。夏葉さんの作った料理食べてみたいです。」
「 え?私の作った料理食べたいのか? 」
「 はい、夏葉の作った料理が食べたいです。」
夏葉さんは私が下の名前で呼び捨てにしたので、恥ずかしくなった。
「 網谷。呼び捨ては辞めろ… 恥ずかしい。」
「 夏葉、夏葉。」
「 駿輔!辞めろって言ってるんだよ! 」と怒った。
「 先生の怒った顔も可愛いです。」
「 お、お前なぁ… 」と夏葉さんは怒れなかった。
「 なら、そう言う事だ!クリスマス当日連絡する! 」
と夏葉さんは怒りながら、私を部屋から追い出した。
私は部屋を出て、帰った振して部屋の扉に耳当てした。
「 くー。あのヤロー覚えてろー 」と叫んでいた。
私は1階におり、夏葉さんの母親に挨拶をし、家を出た。
自宅に戻り、自分の部屋で横になったのだ。
そして、聖誕祭前日
これは簡単に説明(※妹なので省略)。
その頃… 夏葉さんは料理を作っていたのだ。
妹と一緒に広島の商店街を歩いていた。
「 ねぇ、お兄ちゃん。」
「 香奈… なんだ? 」
「 楽しい? 」
「 おう… 楽しいよ!何か買って欲しいものあるか? 」
「 うん。これ買って欲しい。」と香奈が走ったのでそれを追った。
上の看板を見るとゲームセンターだった。
その棚にはswitchのゲームでマリオカートと言うゲームだった。
「 これやってるのか? 」
「 うん… アイドルの子達何人かやってるよ! 」
「 そうなんだ… 」と私はそれを取り、レジに並んだ。
“ え?嘘… アイドルの香奈ちゃん。なんで、こんな所に? ”
“ この隣に居るのは誰なんだ? 彼氏なのか? ”
“ いや、ちょっと待て… GRT48は恋愛駄目やろ! ”
“ なら、誰なんだよ!この男は… ” と男の人達が言った。
「 私のお兄ぃぃぃぃーちゃんですよ!それが? 」
“ 香奈ちゃんの兄貴? ”
“ 香奈ちゃんのお兄ちゃんでも顔付きとか違うよ! ”
〈 悪かったなぁ… 顔が全く違くて。〉心の中で思った。
そして、ゲームを買いケーキ屋を並んだ。
香奈に苺のショートケーキにチョコレートケーキを購入。
私はそれを家で2人で食べたのだ。
「 なら、明日は夏葉お姉ちゃんとだね!頑張ってね! 」
と香奈は言って明日を迎えたのだ。
クリスマス当日。
私は朝起きると… 家の中に夏葉さんが居た。
「 夏葉さん… なんでこんな所に居るんですか? 」
「 網谷君を待ってたんですよ! 」
「 あ、すいません… おはようございます。」
「 おはようございます。」と私は夏葉さんに言った。
外を出ると、夏葉さんはマフラーを首に巻き口元を隠した。
眼鏡は掛けていなかった夏葉さんが伊達眼鏡。
眼鏡姿も可愛く…
「 眼鏡姿も可愛いです。」と私は口を滑らせた。
少しし、私は横を見ると夏葉さんは顔が真っ赤に…
「 今日は1時間が限度です。」
「 1時間って短く無いですか? 」
「 外に居る時の1時間で、家では何時間居ても構いません。」
「 それでしたら、映画観る時とか1時間じゃ物足りないです。」
「 それはその時考えますから、早く済ませましょう。」
私は夏葉さんにそう言われて…
チキンや食べたい物や必要なケーキなどを購入した。
外では勿論… 1時間の少し超えていたが、なんとかセーフだった。
「 1時間過ぎましたね… 」
「 本当は駄目ですけど、今回は仕方ないですね。」
「 なら、次は2時間とかにして下さい。」
「 それはその時考えます。」
「 それは無いですよぉー。」と私は叫んだ。
夏葉さんの家に着き、夏葉さんの両親は私の両親と一緒に食事に言ったのだ。
私の妹の香奈も中学の友達とカラオケやらカフェやらで私は夏葉さんと2人きりになった。
「 夏葉さん。この時間は無限なんですよね? 」
「 1時間とか決めた方が良いですか?そうしますけど… 」
「 それはやめて下さい。この時間が楽しみです。」
「 なら、食べましょう。」と手を合わせた。
机の上にはクリームシチューにローストビーフ。
あとは… 先程買ってきた6&7号のケーキにpizza。
まず、私は夏葉さんの作ったクリームシチューを…
「 網谷君。美味しいですか? 」
「 美味しいです。でも、人参がちょっと大きめ。もう少し小さく出来たら良かったです。」
「 大きかったですか、あとは? 」
「 あとは、美味しいです。冷たくなく、ほくほくです。馬鈴薯とかブロッコリーとかウインナーとかも… 」
「 良かったです。網谷君にそう言って貰えると… 」
「 先生… さっきから気付いたんですが、なんで上の名前で呼ぶんですか? 駿輔って呼び捨てでも構いません。」
「 夏葉。と私も呼びますから… 」
「 網谷君。よく私の名前呼び捨て出来ますね… 」
「 周りに誰も居ませんよ? 」
「 でも言いづらいです。」
「 先生。頑張って! 」と私は言った。
すると…
「 しゅ、しゅ、駿輔。」
「 夏葉… ありがとう! 」と私は先生の頭を撫でてしまった。
怒られそうだったのか手を戻そうかと思ったが… 先生は小さい声で “ 撫でて ” と言ったのでそのままにした。
先生のそう言う所も可愛く学校では見せない姿を見る事が出来た。
ケーキも食べ、外も暗くなりいつしか…
私は先生とキスをしていたのだ。
その後は気まずかった…
私は机の上を片付け、残りは冷蔵庫に。
先生と別れ自分の部屋で横になったのだ。