また春が来るまで
この場に留まっている限り
この例えようもない奇妙な痛みが
一日の大半を無駄にすることだろう
いっそ一人で
どこか遠くへ旅に出ようか
でも、行くあてなんて何処にもないし
足踏みしてる情けない男は
また、慣れた場所に戻るんだろう
自分と同じ痛みを抱えた人が
きっと世界のどっかにいる
そう思いながら
そんな人のためになる何かをしている
そんなチャンスが
この馬鹿げた生活サイクルに
ほんの少し組み込まれてる
それはきっと、幸せなことで
それがない奴らからは
たまらなく羨ましいことだと思ってる
まだ、ここにいようか
ここで想いを守り続けようか
桜が咲いている
綺麗に咲き誇ってる
まだ、大丈夫
そう簡単には散らせない
『失ってから、初めてその大切さに気付く』
そんなありがちな言葉が
今はこんなに胸を締め付ける
思い出を探したって
それで、うまく見つけられたって
何の得にもなりゃしない
輝いてたかもしれない
あの頃の僕や君や
それを取り巻くいろんな人たち
みんな、よく笑ってたよ
悔しいけど、よく笑ってた
でも、僕は
今の自分を否定したりはしないよ
そうしたい気持ちは
誰より僕の中にあるのかもしれないけど
まだ、ここにいようか
ここで何かを守り続けようか
信頼のおける、絶対無敵と思える盾が
1分もしないままに錆び付いた
わかってるよ
こんなふうに何かを守りたいって気持ちは
桜の花びらのように
すぐに途切れて、風に飛ばされる
それでも
もしも、全ての花びらが散っても
その舞い落ちる姿は
それを見た誰かの心に
きっと、何かを芽生えさせる
そう信じてる
春はまた来るだろう
冬の次には、必ず
もしかしたら、夏の次に
もしかしたら、秋の次に
もしかしたら、明日にでも