表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

また春が来るまで

作者: 考える人














この場に留まっている限り

この例えようもない奇妙な痛みが

一日の大半を無駄にすることだろう


いっそ一人で

どこか遠くへ旅に出ようか

でも、行くあてなんて何処にもないし

足踏みしてる情けない男は

また、慣れた場所に戻るんだろう


自分と同じ痛みを抱えた人が

きっと世界のどっかにいる

そう思いながら

そんな人のためになる何かをしている


そんなチャンスが

この馬鹿げた生活サイクルに

ほんの少し組み込まれてる


それはきっと、幸せなことで

それがない奴らからは

たまらなく羨ましいことだと思ってる


まだ、ここにいようか

ここで想いを守り続けようか



桜が咲いている

綺麗に咲き誇ってる


まだ、大丈夫

そう簡単には散らせない



『失ってから、初めてその大切さに気付く』

そんなありがちな言葉が

今はこんなに胸を締め付ける


思い出を探したって

それで、うまく見つけられたって

何の得にもなりゃしない


輝いてたかもしれない

あの頃の僕や君や

それを取り巻くいろんな人たち

みんな、よく笑ってたよ

悔しいけど、よく笑ってた


でも、僕は

今の自分を否定したりはしないよ

そうしたい気持ちは

誰より僕の中にあるのかもしれないけど


まだ、ここにいようか

ここで何かを守り続けようか



信頼のおける、絶対無敵と思える盾が

1分もしないままに錆び付いた


わかってるよ

こんなふうに何かを守りたいって気持ちは

桜の花びらのように

すぐに途切れて、風に飛ばされる

それでも



もしも、全ての花びらが散っても

その舞い落ちる姿は

それを見た誰かの心に

きっと、何かを芽生えさせる

そう信じてる


春はまた来るだろう

冬の次には、必ず


もしかしたら、夏の次に

もしかしたら、秋の次に

もしかしたら、明日にでも












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ