面無し
日が沈み
暇もて余し
気まぐれに
いずこへ発つと
出雲へと
いつもの調子で
言ふもので
幾日かけて
行くのかと
訝しがって
聞くならば
聞く耳持たず
今日行くと
興ずる遊びに
止まれり
とどのつまりは
神頼み
あとは頼むと
頼み行く
ひと月ばかりの長旅に
ひと休みして思い出す
面付け行の最中には
面面面と
綿綿と
顔出し
歯を出し
ことごとく
悟得は無しと
言葉説く
天狗
火男
鬼人は
般若
炎神と
奄奄絶え絶え悶えては
終わりは無しと
言葉説く
面付け行は懲り懲りと
面付け行に満足し
面付け御免と
蒙れば
一周回って人の顔
一周回ってわんと泣く
戻って来たよ
文一路
帰って来たよ
すみいちろ
答へは
この旅
終わりにて
少しはマシになったかと
陸と答へて
終わりとす
お付き合い頂き有難う御座いました。