表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/36

オープニングは突然に

初めましてこんにちは。


初めて投稿させていただきます。

楽しんで頂ければ幸いです。

おびただしい人の群、遠く聞こえる不穏なサイレン。路肩に止まるトレーラー。

私はいまいち現状を把握できずに、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。


いや、正確には立っていない。


だからこそ、目下に広がる情景を認識はできても、把握に時間が掛かっている。

アスファルトに紅く染まった海が広がり、その中央に横たわる十代後半に見える黒髪ショートの女性を空中に浮いた私が見つめている。

混乱する意識の中でありながら、いたって冷静である。

身長は百五十後半であろう、その女性は見覚えのある服を着ていて、これまた見慣れた鞄が脇道に投げ出されていた。



いやいや、似てる人間なんて世の中、三人は存在するって話ではないか!


というか、鞄から覗くスマホは、今人気のアニメ漫画とコラボした限定品。斯く言う、私の愛用スマホと同携帯だ。見れば見るほど彼女は私自身にそっくりだ。

恐る恐る、自分の手に視線を向ける。自分の手が透けて、その先に倒れた私の姿を見ることができた。


相反する感情が一つの結論に達した。

私…島宮葵(しまみや あおい)は大型トレーラーと激突し、二十五歳の生涯を終えたのだと。


まさか二十五で、さすがに死ぬなんて思いもしなかった。


『死んでませんよ?あなた?』


これまで、お腹が痛くなって死ぬかと思ったりもしたけど、そんな事なかったし、階段や遊具から落ちても擦り傷程度でたかが知れた。

私の悪運も幸運も、今日の最低最悪の運気で使いきってしまっらしい…

哀れだ、自分。

いくらなんでも、いきなりすぎて泣くに泣けないわ。死んで泣ける体では無いが。


『幽体離脱ですよ?頑張れば涙、でますよ?』


死んだら天使が迎えに来てくれるのかな~

いや、死神か!

ここがノベルの世界なら神様が出てきて『異世界に転生しますか?Yes or No』って聞いて来る流れだろうに…まぁ、リアルでは有り得ないのだが。


『迎えに来たのは、天使では無く悪魔ですね!』


あれ?頭の中で誰か、死んでないって言った?だれが?

てか、頑張れば涙出るのか!こんな透けた体から!

しかも、お迎えが悪魔かよ!?


訂正してきた声に気付き、目の前にいる声の主と思わしき人物と目があった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ