第1話 神代 悠の1日
処女作です。
暖かい目でご覧下さい。
第1話 神代 悠の1日
「唯ー起きろー凛姉が朝ごはん作って待ってるぞー」
そう言って唯を起こし、自身も立ち上がり廊下に足を運ぶ。リビングのある下の階へと向かい、リビングの扉を開けると、美味しそうな朝食の匂いと凛姉の声が聞こえてくる。
「おはよう悠君」
その声に反応し、俺の脳ははっきりと覚醒して、一言返す。
「ああ、おはよう凛姉」
凛姉へと挨拶を返した俺は、冷蔵庫を開けて、牛乳を取り出す。牛乳を飲んでいると、俺が入ってきたドアが開き、唯がリビングへと眠たげな表情で入り、俺と凛姉に声をかける。
「悠お兄ちゃん、凛お姉ちゃん、おはよー」
そんな唯の気だるげな声を聞き、俺と凛姉は
同時に返す。
「「おはよう、唯」」
唯の声にあわせてそういった俺と凛姉は、食卓に座り、三人一緒に
「「「いただきます」」」
と、いって食事を始める。
寝起きだからか唯も凛姉も誰にも話しかけようとはしない。
食事を終え、
「「「ごちそうさまでした」」」
と、いって食器を食洗機へと入れる。
これから学校に行く支度をしなければならない俺と唯は、すでに支度を済ませている凛姉に台拭きなどの残った後片付けを任せ、洗面所に向かう。
洗面所に入り歯ブラシを2本手にし、1本を唯に渡す。唯には歯磨き粉をとってもらい、二人でシャカシャカと音をたて歯磨きをする。
洗面所から出て、リビングに戻り、唯の髪を整える。
「いつもありがとう」
と唯に言われ、
「どういたしまして」
と返した俺は、鞄を部屋から取り、玄関に向かう。そこで待っている二人に
「じゃあ、行こうか」
と声をかけ、家を出る。俺たちの両親は、家にいないので、鍵をかける。
普段の通学路を歩いていると、色々な目線を感じる。なぜなら、凛姉や唯がとても可愛く、美しいからだ。最近は慣れたものだが、初めて感じた時は、恐ろしかった。
そんなことを考えている間に唯の通う小学校に着き唯に
「行ってらっしゃい」
と声をかけ唯を見送る。
見送った後は凛姉と二人で学校に向かう。
向かっている途中凛姉が
「悠君、学校でうまくやれてる?」
と聞いてきた。その質問に対し俺は、
「うん。大丈夫」
と答える。そんな他愛もない話をしながら、学校に着き、教室に向かう。
教室に着くと、悪友である内山が詰め寄ってきていった。
「俺らの憧れである凛さんと登校かよ。毎日いいね〜。悠君」
いつもは君付けなんてしないくせに、今日はしてくる内山に
「はいはい」
と、いかにも面倒くさそうな返事を返す。本当に面倒くさいので、無視してやろうかと思っていると、予鈴が鳴り、担任の先生が教室に入り出席を取り始める。そんなこんなで時間は過ぎていき、下校の時間となる。すると教室の外が、急に騒がしくなった。そっちを見てみると、凛姉を見つける。
「悠君、一緒に帰ろっ」
そう言ってくる凛姉に
(あんたどんだけ人気なんだよ。人を待ってんのに人だかりができてんじゃねーか)
と心の中で悪態を吐く。
男子共から痛い視線が刺さる。あっ、いや違うな。女子もいるわ。
痛い視線と、人混みから抜け出した俺達は、通学路を家へと進む。家にには、唯が帰っているはずなので、ドアを開ける。案の定唯が帰っていたようで、家には鍵がかかっておらず、リビングの電気も点いていた。
リビングに入った俺達に向けられるのは、唯の笑顔と
「おかえり」
という声だ。
その声に、
「ただいま」
と返した俺と凛姉はすぐに食事の支度を始める。俺と凛姉が、帰った時刻は、6時なため、前日に朝食と夕食を作っておく。なので食卓へと夕食が並ぶのは、6時30分になる。
朝と同じように三人一緒に
「「「いただきます」」」
と食事を始める。朝とは違うのは、唯や凛姉が、積極的に話し始めることだ。
「この間の算数のテストで、100点取ったよ」
「さすが唯ね。おめでとう」
「よくやったな唯」
こんな感じに会話を弾ませながら食事をとる。この時間は、とても幸せだといつも思う。
「「「ごちそうさま」」」
と食事を終えて食洗機に食器を入れ、明日の朝食と夕食を作り始める。我が家の食事は、凛姉と俺が順番に作っているのだ。
明日の朝食と夕食を作って、リビングに戻ると、唯がパジャマを着ていた。どうやら作っている間に風呂に入ってきたようだ。だが髪の毛が、濡れている。多分髪の毛は乾かしていないのだろう。なので俺は
「唯。髪の毛乾かしてやるからこっち来い」
と唯に声をかけると椅子に座って唯を待つ。
すると唯は、俺の膝の間に座った。俺は、手ぐしから始め、ドライヤーを使いながら唯の髪をといていく。髪をとき終えてから、風呂に入る。風呂から上がり、勉強をして、明日の準備を終え、ベッドにはいる。そして、この1カ月の事を振り返った。
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