通知から一か月一週間と一日。学校編
次の日。俺はいつものように学校に登校していた。正直だるい。まあ、毎日毎日したくもない勉強をしに行くのだ。憂鬱にもなるだろう。特に勉強ができるやつでもない平凡な学生にとってはあまり楽しくないのではないのか?学校は。
まあ、他人のことなど自分にはわからないので別に知らんが。少なくとも、俺はすきではない。
という感じに退屈な学校に向かっているわけなんですが、寒い。今日は寒い。なにこれ、今日は確かに少し寒いと思っていたけれどもなぜにこんなに寒いんですか。
ああ、いやだいやだ。私は寒いの苦手なんですよ。いや、ほんとね。
まあ、そんなくだらないことを考えながらも今日も俺は学校へ向かう。
そうして学校へつくと、なぜか周りのやつが俺の方を見ている。なに、なんですか。見ないでくださいよ。俺は視線に慣れてないんですよ。と、なぜ俺の方を見ているのかかなり気になっているので近くにいるやつに聞いてみる。「なあなあ、なんでみんな俺の方見てんの?」すると、そいつは「なんでって、そりゃお前のことを鈴木さんが探してたからだよ」「えっ・・鈴木さんが?俺を探してたって?なんかの間違いだろ」ちなみに鈴木さんこと鈴木麗華はうちの学校では知らない人はいないという感じのいわゆるお嬢様である。成績優秀容姿端麗。まさに主人公を地でいくようなタイプである。間違ってもモブAの俺と接点のできるような相手じゃない。今までも話したことすらない。まあそんな有名人である。今までも何人もの生徒が彼女に告白を仕掛けては玉砕しているらしい。なんとも命知らずである。
「で、お前鈴木さんと何かあったの。」「いや、ないない、今初めて知ったよ。というか俺みたいなやつと話す人じゃないだろう。あの人は」「じゃあなんでお前のことをわざわざ探してるんだよ」「さあ?」「さあっておまえ・・・」だって知らねーもん。仕方ないじゃないか。あーあー変な噂が立ちませんように。という感じに俺の頭の中は変な噂がたち周りから避けられないようにということで頭がいっぱいだった。大体なんで俺がこんなことで朝から悩まなあかんのだ。まったく腹立たしい。あー家に帰りたい。かえって小説が読みたいよ。という風に今日は朝から大変な目にあっているわけなんですが、そんな俺の心境とは裏腹に俺の悩みの原因である、鈴木さんがやってきた。
「失礼します。松本君はいますか」「はい、松本ならここにいます。」こいつ、俺をそっこうで売りやがった。そういった、俺の知り合いAくんは顔をにやにやさせながら俺を鈴木さんのところに押していく。「そ・それで俺になんの御用でしょうか。」「ええっと、ここではいえない大事な話なので少しついてきてもらえませんか?」はい、アウトー。俺の学校生活が終わりを告げてしまう。そんな言い回しをされてはもう誤解なんてものじゃない。まずいまずいまずい!今の俺の頭の中にはそれでいっぱいだった。しかし、平凡な俺にとっさの対応などできるわけもなく、「あっ、はい」しか言えなかった。
「では、少しの間松本君をお借りしますね」「いえいえ、どうぞどうぞ」そういっている知り合いA君のほかにも口元をポカーンと開けている奴やにやにやしている奴などみんなが俺を見ている。詰んだ。この瞬間におれはもう噂が流れることをあきらめた。「では行きましょうか松本君」「・・・はい」この野郎。俺の心境も知らずにニコニコと。かわいいからって何しても許されると思うなよ!まあ、そんなことを顔に出せば学校中の人間を敵に回しかねないのでできるだけ穏便に済ませよう。もはや、今の俺には事態をできるだけ穏便に済ませるということいがい頭になかった。
そうして周りの視線が俺にささっていることもしらずに鈴木さんは俺の手を引いていく。そうして大量の視線に串刺しにされながらも俺は鈴木さんに連れられて空き教室に連れてこられた。ああ、なんだってこんなことになっているんだろう。神様よいるなら答えてくれ。ああもう、いやだ。最悪だ。そんなことを考えていると鈴木さんは上目ずかいで言った「あの・・迷惑でしたか?」「いえ、全然そんなことないよ!」このアマ!自分の見せ方を熟知していやがる。とは思っても顔には出さないし、迷惑でもそんなことはっきり言えるか!このクソ!まあ、俺の心中は今まさにあれにあれていた。「そうですかぁ。よかったです。」そういって安心したようにほっとする彼女をみて俺は不覚にもかわいいと思ってしまった。まあ、女性に対して特に免疫のない俺が彼女のような超がつくほどの美少女にニコニコされてドキッとしてしまうのは、仕方のないことなのだ。そうだ。仕方のないのだ。と、自分を言い聞かせる。「それで、みんなの前では言えないことってなに?」そう、問題はこれだ。このことにたいしては特に慎重にあたらねば。下手をすれば俺の残り半分の中学校生活が破滅に向かってしまう。そんな感じに身構えていると鈴木さんから出た言葉は俺の想像を超えたものだった。「えっとね、松本君って毎日パソコン使ってるよね」何で知ってるんだよ!こいつは!ストーカーか!「え・・まあ・・はい」「それでね、一か月くらい前から画面に変なものが出始めたと思うんだけど、それどうしてる?」その言葉を聞いて俺は唖然とした。あの学校でもトップの人気を誇るお嬢様がこんなストーカーまがいのことをしているなんて。「えっと、なんでそのこと知ってるの?」「ぐ、偶然松本君のクラスに通りかかったときに聞いたんだよ!」嘘つけ。俺はこのことに関してはだれにもしゃべってはいない。こいつ、怪しすぎる。このときすでに俺はこの少女、鈴木麗華に対する考えを変えていた。なんたって家に監視カメラが仕掛けられているかもしれないのだから。まあ、お嬢様だし、そのくらいの金は大量にあるだろうけどさあ。だがしかし、彼女と正面から戦って俺に勝てる要素など何一つないわけなのでここは穏便に話を進めていこう。「それで、そのことがどうして大切な用事なの?」「えっとね、信じてもらえないかもしれないけど、私、女神なだ。」
・・・やべえこいつ、厨二病か?自分のことを女神とか。まあ、こいつの人気なら女神とか言われてそうだが。「そ、そうなんだ・・・すごいなぁ、女神か~。へぇー」許せ少女よ。俺にとっさの対応力を求めるな。「むっ・・その顔は信じてないなー。」そう言いながら彼女は頬を膨らませる。いや、そんな顔したって信じませんよ!「まあ、普通に信じてもらえるわけないよねぇ。でもなぁ、うーん」と何やら鈴木さんは一人で悩み始めた。なんなんだこの子はいったい。謎すぎる。ここはもうさっさと話しを終わらせよう。「そ、それで俺のパソコンと鈴木さんが女神なのといったいなんの関係があるの?」「あ、えっとね。詳しく話すとものすごく時間がかかるので省略して話すと、松本君にはいまこの世の神様のすべての力が備わるかもしれないの。」えっ・・・・「えっ・・・・」何言ってんだこいつ「この世には七人の神様がいるんだけどね、一か月前に酔った勢いで神様たちが人間一人に転生させてやろう。みたいなことを言い出しちゃったんだ。それで選ばれたのが君だよ。松本君」・・・もう一回言います。何言ってんだこいつ。そんな俺の考えを無視して鈴木さんは語る。「それでね、本当は転生させるだけだったんだけど、松本君が何度も何度もNOばかり押すから神様たちもだんだんほんきになっちゃってね。どうしたら転生するのか考えて、松本君に質問もしたらしいのよ。でもそれでも松本君がNOばかり押すから私になんでか聞いてこいっていう命令が来たわけ」
・・・へ、へぇー。そうなんだー。へー。なんともまあ、ものすごい時間をかけた嘘だろうか。さすがにそんなことに引っかかるバカではないぞ。「それでね、どうしてかっていうのを聞きに来たわけ。どうしてか教えてくれる。松本君」「いや、だから信じられないんだって。鈴木さんもそういう手の込んだいたずらはしないほうがいいよ。」「えっ。いや、いたずらじゃあないよ!・・・じゃあ、どうしたら信じてくれる?」「なら、俺の家の個人情報が漏れた場合、鈴木さんが全部責任とってくれる?それと、今日もあの通知来るだろうから、今日俺の家に来て」「うん!むしろそれだけでいいなら喜んでするよ!」そういう鈴木さんは今までにないくらいかわいかった。しかたない、どうせ俺の学園生活はもう終わったも同然なんだだったらとことんまでやってやるさ。「じゃあ今日の放課後にね。」「うん、じゃあね!」そうして俺たちは自分の教室に戻った。まったく、今日はとんだ一日だ。