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サクッと世界が終わらせられた話  作者: ☆4IPON☆
第一章
7/21

第六話 相田さんの持病

今回も、相田さんのことが分かる回になるでしょう。

それでは、第六話、お楽しみください。

「薄羽、話、終わったから。」


「あぁ、まぁ、なんだ。無理すんなよ。」


「気を遣ってもらって悪いね。」


「薄羽、扇、今日はもう解散だ。あ、そういえば、新聞のスクラップブック、作業の進捗は...。」


「それが、思ってた以上に動きがないのよね。スクラップブックなんてもの作らなくても、私たちが読んで伝えるだけで事足りると思う。」


「え、そんなに何もないの!?ふーん...。わかった。じゃあ、これからは情報を俺に伝えてくれ。」


扇は、ニヤッとしてこう言った。


「こういう時に便利なのが、7INEのグループノート。ですよ?(ドヤァ」



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2019/9/6 A.M.10:00


「あ、あれ、おかしいな...。何でこんな時間まで寝てるんだよ、俺。」


いつも5時くらいに目がさめる薄羽にとって、この時間に目がさめることは、異常な出来事だった。


「あぁぁ...頭がいてぇ、あっれ、俺、何して...。」


昨夜の記憶がない。そう気付いた。


寝室を出て、リビングに向かう。


「あ、薄羽おはよう。んじゃ、行ってきまーす。」


「んあ!?あぁ、いってら...。」


理解できない。何で相田が俺の家にいる?


「おはよう。なんか、ふらふらしてる...。水、要る?」


「あぁ、いただくわ。」


なんで扇までいるんだ。それに、これは二日酔いか?おかしいな...。


「なぁ、聞きてぇんだけどよ、まさか、俺昨日...。」


「相田さんがぶっ倒れた。」


どうしてそうなったー...。って、え?


「あぁ、そうだっけ...。へぇー...。」


なんで急に相田が出てくるんだ。理解に苦しむ俺。


「あ、もしかして昨日の記憶、ないの?」


「あ、あぁ、実を言うと、覚えてねぇ。」


「すごい必死だったもんね。無理もないよ。」


まさか、相田はそんなにひどい状態だったのか?


「あ、それよりも、なんでお前らがいるんだよ。相田はあれ、出勤か?色々謎なんだが。」


「それはだって、ここで看病してたんだもん。薄羽が。」


「とりあえず、昨日何があったのか、っていうのと、なんでお前らがいるのか、っていうのを教えてくれ。」


「まぁ、構わないわ。」



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~エラーが発生しました。

~この問題の解決策を検討中です...

2019/9/5 P.M.03:00


「それじゃあ、帰る。場所貸してくれてありがとな。」


「ウニョウニョ、忘れないでもって帰れよ。」


「分かってるって。お邪魔しました。」


「お邪魔しまし...た、って、え?ちょっと...大丈夫?」


相田は、突然倒れた。


「薄羽さん、これ、まずいやつだよ...!?どうしたら...。」


「どうしたんだ!?とりあえず、慌てるな。俺が寝室まで運ぶから、扇は布団を敷いてこい。」


大きく頷いた扇は、小走りで薄羽の寝室まで向かった。


「おい、相田、大丈夫か?」


「...ハァ...。あれだ...持病...だ...。」


「てことは、どっかに薬とかあるんだな?」


「カバンの中......鍵は...俺のポケット...。」


相当苦しそうだった。


「病院に連れてったほうがいいか?」


「薬...薬......それで...十分...。」


「布団敷いたよ...!早く早く!!」


「相田のカバンから薬探せ。ほらよ、鍵。余計なとこ触るんじゃねーぞ!」


「分かってるよ!早く運んでよ!」


そういえば、ペースメーカーをつけている。と、前に言っていたのを、思い出した。


計画が成功しても、こいつは死ぬんだと。


自分は、医者っぽい仕事をしているもんだから、医療関係者に少しは知り合いがいる。


ペースメーカーを外して生活できるなら、外しておけば死なないで済む、と思ったからだ。


ただ、相田の場合、ペースメーカーなしで生活することには、少し無理がある。とのことだった。


こいつには、まだ俺たちに話していない過去がある。そんな気がした。


例の研究資料...。あれが何かにつながる気がしてならなかった。


ましてや、世界を終わらせられるウィルスの研究資料だなんて、内容が内容だ。


......絶対に、計画を阻もうとする者や、ウィルスを奪おうとする者、といったやつが現れる。


そんなこと、少し考えれば分かることだ。


あの文書が送られてきたってだけで、相田の生活が脅かされる危険性は十分に高まっている。


送り主が、何を目的として相田に文書を送ってきたのかは分からないが、きっと何らかの目的があったのだろう。


もしかすると、相田の資料を狙って、もしくはウィルスを狙って、攻撃を仕掛けられるかもしれない。


だから、相田は普段から用心して生活したほうがいい。むしろ、そうすべき。


このことは、相田に伝えておくべきだった。


「薬、これっぽい。」


扇は、水と薬を持ってきた。少し、落ち着きを取り戻して様子で。


相田に薬を飲ませると、相田の呼吸が少しゆっくりになった。


そのまま、相田は寝てしまった。


「今日のところは、うちに泊まってってもらうしかないみたいだな。お前はどうするよ?」


「え、私?な...泊まってっていいの?」


「好きにしろ。相田のことが心配なら、看病手伝え。」


「うん...!わかった!」



___________________________


「で、そのままあなたは相田さんの看病を続けてたわけなんだけど、どうしたことか、あなた6時頃になって、急にめまいがする、って言って、自分で布団を敷いて寝ちゃったわけよ。」


「あぁ、言われてみれば、確かにそんなことがあったな。」


「あなた、普段徹夜とかしないでしょ?夜に弱そう。」


「まぁ、いつも同じ時間に布団に入るし、朝も5時くらいになったら勝手に起きる。」


「そりゃあ疲れるに決まってるよ...。もうちょっと寝ておくことを全力で推奨します。」


「あぁ、そうさせてもらうわ。」


ふと、腕時計を見ると、6日の午前10時30分をさしていた。


「にしても、なんで記憶が飛んでたんだ...。」


人間必死になると、そうなるのかな、と勝手に解釈した。


「眠くねぇ、けど、寝なきゃな。」


俺は布団に潜って、眠りにつこうと努力した。


案外、すぐに眠りにつけた。



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2019/9/6 P.M.07:00


目がさめると、リビングから楽しそうに談笑する声が聞こえた。


「相田と、扇...か。おっと、こうしちゃいられねぇ。」


相田は仕事から疲れて帰ってきてるだろうし、扇だって、看病を手伝ってくれたんだ。


飯ぐらい出してやらないと。そう思った。


俺は急いでリビングに向かう。


「いやぁ、助かったよ。今まであんな急に苦しくなったことってなかったからさ。」


「でも、特に問題なさそうで、良かったです。」


「二人には感謝してるよ。ありがとう。おっと、主治医さんが目を覚ましたようだね。」


二人が、テーブル横の椅子に座って会話しているようだった。


「薄羽、ありがとう。おかげで助かったよ。」


「あ、あぁ、もう大丈夫みたいだな。とりあえず、ゆっくりしてけ。」


どうやら、本当に大丈夫みたいだ。


「今、飯作るから。食ってけ。」


「お、薄羽の手料理?てか料理できるんだ!」


「そういえば、お腹がすいてきた気がします。」


「ちゃんと全員分作るからよ。とりあえず座っとけ。」


「あぁ、じゃあ私、テーブルを拭きます...。」


「じゃあ、俺は...なんかすることない?」


「相田さんは座ってゆっくりしてていいですよ。」


「そうか。じゃあ頼むよ。」


俺は大好きなパスタを作りに台所へ向かう。


「薄羽さんって、何を作るんですかね。」


「うーん、でも薄羽って麺類好きそう。」


「うどんとかそうめん...とかそっち系ではなさそう...。」


「意外とオシャレにパスタとかかな...?」


リビングではすでに俺が何を作るのかを予想する声が聞こえる。


地味に当たっているところが怖い。


相田と扇には、人を見る目があるのかもしれない。


10分足らずで、三人前が出来上がった。


鍋を三つ使えば、一人前を作る時間と変わらずに仕上げることができる。


簡単な話だ。


「お待たせ。パスタだ。って、用意がいいな。なんでフォークが並んでるんだよ。」


「薄羽ならパスタを作る、と予想して、先にフォークを並べておいたんだ。どうやら、本当にパスタだったみたいだ。」


「私、麺類は大好きですよ。もちろん、パスタも。」


「そうか、そりゃ良かったな。冷めないうちにさっさと食べるぞ。」


「「「いただきま〜す。」」」


久々に、明るい食卓だった。


仲間と、談笑しながら同じ食卓を囲む。


うん。悪くない。そう思った。


相田について気になることはまだあったけど、ひとまず今はこの時間を楽しむことにしよう。


それにしても、扇は変わったな、と感じる。


なんだか最近、明るい。


そういえば、さっき、俺のことを薄羽さんって呼ばないで、あなたって呼んでたな。


だいぶ、俺たちに慣れてきてるみたいだ。


紅一点って、だいぶ辛いだろうけど、扇は扇なりに頑張っているんだろうな。


楽しい時間は、30分ばかり続いた。食べながら話してると、とても楽しい。


そして、三人のごちそうさまの声で、俺の楽しい食事の時間は終わった。


「食器洗ってくる。ひとまずゆっくりしとけよ。」


「そうさせてもらうよ。」


「私は、弟が家で待ってるので、えっと、先に帰らせてもらう...。」


「おう、じゃあな。また来いよ。」


「うん、パスタ、美味しかったよ。お邪魔しました。」


「じゃあねー。」


じゃあねー。だってよ。とても死にかけたやつの言葉だとは思えない。


ああいったことに、慣れているのだろうか。


聞きたいことが山ほどある。


が、今日のうちに聞きだす必要もないだろう。


食器を洗い終わって、俺はリビングに向かう。


「あ、薄羽、俺もそろそろ帰るね。昨日は、本当に助かったよ。じゃあ、ごちそうさま。」


「おう、気をつけて帰れよ。って言いたいところだけど、一応駅まで送る。」


「ははっ、多分、もう倒れないよ。」


「まぁ、一応だ。ウニョウニョ忘れるなよ。」


「分かってるって。」


こうして、俺の9月6日は終わった。



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2019/9/6 P.M.09:00


家に着くと、もう夜の9時。


俺は、重大なことに気づく。


「ま、まずい。今日の朝と昼...餌与えてないや...。」


壊滅的な状況。ウィルスは、死にかけていた。








果たして、ウィルスの運命や、いかに!?

と、まではいきませんが、相田さんは重大なミスを犯してしまったようです。

ただ、相田さんなら何とかしてくれるでしょう。

それでは、次回も良しなに。

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