第二話 主の計画会議
前話の後書きでB君が頑張ってくれるだのなんだの、とありましたが、あれはまだ先のようです。
今回は主とC君とD君が現実で対面します。
それでは、第二話お楽しみください。
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~この問題の解決策を検討しています...
2019/08/28 A.M.11:00
「さて、問題の時間になったわけだがな、どうにもな...。ポチ公の前で一時間も一人ってのは寂しいもんだ。」
待ち合わせをするなら、誰もが思いつくであろう場所。忠犬ポチ公像。
週末や祝日にはカップルがデートをするのに待ち合わせ場所に利用することが多いらしい。
そんな場所で、主は一人で一時間も待ち続けているのだ。
「そういえば、まだCとDの本名、知らなかったなぁ...冗談だと思われてなかったらいいけど...。」
約束の時間から5分ほど経った頃に、Cが現れた。
「主か?昨日はどうも。初めまして。Cだ。」
主は、Cが遅れてきたことには触れず、軽い挨拶を交わし、二人でDを待つことにした。
数分後、Dは現れた。が、ひどく緊張した様子だった。
「あの、主さんとCさん...ですか?えと、あの...Dでs...」
だんだんと聞き取りにくくなっていくその細い声に笑いをこらえながら、主とCは自己紹介を済ませた。
「これで三人揃ったわけだな。」
「あの...遅れてすいませn...。」
「あ、お気になさらずに。全然待ってないのでw」
この場合、待っていても待っていないというのがテンプレートな会話の進め方であろう。
「こっからは主についていけばいいのか?」
「はい。まずは落ち着いて話せるところに行きましょう。場所はこの近くの喫茶店です。」
「私、そういうところに入ったことがないのですが、大丈夫ですかね...。」
「普通の喫茶店ですよ?大丈夫ですよd(^_^o)」
そう言って、ニコッと微笑んで見せた俺。取り敢えず、場の空気も和んだと思う。三人は歩き出す。
喫茶店についた三人は、一番奥の隅の禁煙席で、主にCとDが向かい合う形で座った。
全員アイスコーヒーを注文した。
「話を始める前に、自己紹介と連絡先の交換だけしておきましょうか。では、まずは俺から。主こと、相田です。よろしく。平日は普通に働いてて、週末になるとゲーセンで音ゲーとかやってる。あ、25歳ね。」
「ん、俺か?Cこと薄羽だ。よろしく頼む。一応26歳だが、先月誕生日を迎えたばっかりだ。趣味はFX、あとは掲示板巡って良スレを探したりすることだな。」
「あ...えと...Dです。んあぁじゃなくて!...えと、扇です。よろしくお願いしまs...。」
「俺の横のやつがすげー勢いでキョドってるんだがそこは触れないどいていいところか?」
「まぁ、全員初対面ですし、多少緊張するところはあるんじゃないでしょうか。」
「うぅ...。実は、あまり外に出たくないんです。えっと...部屋でネトゲしながら掲示板巡って一日が終わる生活をしているので...。あの、こんな私でもよければ、参加させてください!お願いします!」
「落ち着け。」
「まぁまぁ、一応公共の場ですので、シーッですよ。」
「あう...申し訳ない...。」
「あとこれ、私の連絡先です。今のうちに登録しておいてください。あと、ショートメールを私に送っておいてください。空白でいいので。」
「わぁーった」
「把握でs...。」
「では、ここから本題に入ります。まず、先に理解しておいて欲しいのは、我々がこれからやろうとしていることは立派な犯罪です。ということ。」
「そんなん承知の上だ。俺だってデケェこと成し遂げたいんだ。普通に生きるのには飽きた。」
「私も...変わりたくて...。ずっと引きこもてちゃダメだと思って...それで...。」
「ふむ、それではさらに奥まで掘り下げますね。ここで、我々の到達目標を設定したいと思います。今の所100カ国以上でのウィルスの拡散を最低ラインに設定する予定です。ウィルスがどの程度の凶悪さに育つか、まだはっきりとしていないので。」
「そのウィルスってのは、いつ頃完成しそうなんだ?」
「はっきりわかりませんが、今年中には終わらせます。でないと、来年からの予定がかなりハードになってしまうので。」
「あの...私と薄羽さんは何をしたら...。」
「いいところを質問してくれましたね。実は、あなた方には世界中の新聞と、世界中で使われているであろう情報通信機器を集めて欲しいのです。」
「と、いいますと...?」
「ウィルスが完成しても、どの程度の力を持っているウィルスなのか、などといったことはこちらで把握している必要があります。試作の段階でも、何度か試したくなることもあるでしょうしね。それで、テスト対象に情報通信機器が必要なので、集めていただきたい。」
「新聞はどういうことですか...?」
「例えば、米国で新しい情報通信機器が開発され、一般向けに販売された。ということが起こる可能性だってありえます。そういった場合、ウィルスをいち早くその端末に対応させる必要があります。その時、情報を得るためには新聞を使うと手っ取り早いでしょう?」
「ネットで検索したほうが早い気がするんだが?」
「形に残して欲しいと思うので、スクラップブックにまとめて欲しいのです。後から見返しやすい方が、私としても作業が楽になって、大変助かります。そこらへんも、あなた方に任せたいと考えています。」
「ふーん、まぁ、ついて行かせてもらうのは俺たちだし、やれって言われたらやるけどよ。」
「あの、最後に聞きたいことがあるのですが...。これって、成し遂げたとして私たちになんの利益があるのですか?」
「世界を動かせるって、かなり大きなことだと思いませんか?大きなことを成し遂げるってだけで、十分価値がある話だと思います。」
「価値があるからって、それが利益になるかと言われると、そうじゃない気がするのですが...。もちろん、積極的に計画に参加していくつもりですけど...。」
「んだ、扇さんよお、さっきから文句ばっかか?」
「いえ、そんなつもりじゃ...!」
「こんなデケェことに人生使えるってだけで、俺は満足できるぞ。少なくとも、FXよりは刺激がありそうだ。」
「刺激...ですか。」
「まぁ、取り敢えず、まずはそういうことです。今後追加でまたやってもらうことが増えるでしょうけど、その時はその時で、よろしくお願いします。」
「ん、解散か?次はいつ集まる?」
「情報通信機器がある程度たまったら、持ってきて欲しいので、次はその時です。連絡先は交換しましたし、普段は7INEで話しましょう。グループたてときますね。」
「把握した。そんじゃお先に失礼する。」
「あ、私も...失礼しまs...。」
「お疲れ様でした。良い週末を。」
二人が帰ってから、相田は気づいた。
「あ、コーヒー代...まぁ、仕方ないか。」
相田は帰宅後、すぐに7INEのグループを確認したが、まだ誰も入ってきていない。
待つこと数時間、薄羽がグループに入ってきた。また、それと同じようなタイミングで扇もグループに入ってきた。
相田は早速グループノートに今後の予定をまとめたメモを貼り付けた。二人からグッドスタンプが返ってきたのを確認して、この日はウィルス作りに没頭した。
育てると成長して、どんどん新しい技能を習得していくコンピュータウィルス。まだ半分も完成していない。
「世界を終わらせるには、もっと凶悪なウィルスに育て上げなくちゃ...!!」
こうして、三人の世界を終わらせる計画が、本格的に始った。
少しまとまってない部分もありますが、今後少しずつこの世界の設定や、相田、薄羽、扇の個人情報とかも明かしていく予定です。
(情報通信機器を溜めるだなんて、うらやましい、私に分けてくれ、少しでいいから...!)
あと、この作品ですが、できれば毎日頑張って更新したいと考えています。より多くの人に読んでもらえたら幸いです。
ということで、次回も良しなに。