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ハプニング

 夏休みに入って、吹奏楽コンクールが間近に迫っていた。

 部員のみんなも一生懸命練習してる。私も頑張らなきゃ。

 あっ…。

「椿くん、れ、練習の方はどう?」

 椿くんと話す時、少し恥ずかしい…。戸惑ってる私がいる。

「それがさぁ、なかなか…。一人だけ置いていかれてる感じがしてさ…。一生懸命やってるつもりなんだけど」

 椿くん、悩んでる。

「わ、私でよかったら…相談…乗るよ?」

 これが精一杯。

「…じゃあ…」

 うんうん…。

「やっぱりパーカッションのことだから紗耶香や理恵先輩に頼ってみるよ。ありがと」

 えっ…。

「あっ…うん、そうだよね!」

 行っちゃった…。

 はぁ…。

 ちょっとだけ、紗耶香ちゃんが羨ましいんな。

 夏休みだから教室には行かないし。椿くんとお話し出来るのも部活のちょっとの間だけ。

「相田さん、日高先輩がまだかってー!」

 あっ!いけない!忘れてた!

「いっ、今行きます!」

 練習場にメトロノーム取りに来ただけだったのに。

 えーっと…。

 あれれ?どこに置いてあったっけ?

「相田さん、何してるの?」

 ま、また椿くん!

「あ、あのっ、メトロポリス!」

「メトロポリス?」

 めっ…?あ、や、やだ…。

「メ、メトロノーム!…探して…」

「あぁ、メトロノームね。あっちにあるよ」

「あ、ありがと!」

 う~…恥ずかしい…!

 私は逃げ出したくなって急いで指差された方へ走った。

「あっ!相田さんそっちは…!」

 ガンッ!

「きゃっ!」

 痛た…。

 何…?ぶつかって転んじゃった…。

「そっちのドアは今日締め切りだった……うわっ!ごめん!」

 えっ…?

 ―――!!

 ババッ!

「……見た?」

 パンツ見えてた…。

「み、見てない!見てないよ!」

 この慌てよう…。

「嘘だ!絶対見た!うわーーーーん!」

 恥ずかしさのあまりここから走って逃げ出しちゃった。

「あっ!相田さ……」

 う~~~~~~~…!

 …………

「はぁっ…はぁっ…」

「あら相田さん、走って来なくてもいいのに。メトロノームは?」

 あっ…。

「す、すいません!行ってきます!」

 もう~、私のバカバカ!

 …はぁっ…はぁっ…。

「あ、相田さん」

 ま、またまた椿くん…!

「はい、メトロノーム」

 あ…。

 椿くんはやれやれといった感じで渡してくれた。

「あ、ありがとう…」

「あの…さっきは見てないからね?」

 うっ……。

「うわーーーーーん!!」

「あっ!ちょっと…」

 やだやだやだやだ!もうやだぁ!

「あら、早かったわね」

「はぁっ…!はぁっ…!」

「どうした相田?顔真っ赤だぞ?」

 う…。

「うわーーーーーん!」

「あっ!こら待て!練習しろーー!」


 ――――


「う~…グスン…」

 あぁ~このまま帰りたいよぉ…。

「めぐ!どうしたの!?」

 紗耶香ちゃん…。

「紗耶香ちゃーん!つ、椿くんにっ……!」

「誠二?誠二に何かされたのね?待ってて、制裁を与えてくるわ」

 えっ?

「さ、紗耶香ちゃん!ちがっ……」

「誠二ーーーーー!!」

 あぁ…どうしよう…。

 紗耶香ちゃんは勢い良く走って行っちゃった。

 …

 ……

 ………

「あ、あいだ…ひゃん…」

 うわー…。

「ごごごっ、ごめんなさい!」

 椿くんは私のせいで紗耶香ちゃんにボロボロにされちゃった。

 でも椿くんは笑って許してくれたんだ。

 やっぱり椿くんって優しい!……ってダメ?

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