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初めての…

 今日は土曜日で部活は午前中まで。

 今日はなんと!誠二くんのお母さんにご挨拶に行くんだ!誠二くんのお母さんが是非私に会いたいみたいで…。

「めぐ、あとをつけられてるな」

「そうみたいだね」

 誠二くんの家に向かってるんだけど、後ろから亜美ちゃんと理恵先輩とアリサ先輩がついてきてる。

「街デートって言ったのに。あの人たちは…」

 誠二くんに亜美ちゃんが今日の予定を聞いたみたいで、ただの街デートって話したみたいなんだけど…。

「このまま行けば誠二くんの家に着いちゃうね」

「……こうか」

「…うん」

 家に行ったなんて、絶対にまたいろいろ聞かれちゃって面倒だしね。

 そして誠二くんの家とは逆方向に…。

 やぱりまだついてくる…。

「めぐ、こっち」

 誠二くんが誘導する方に。

「走って!」

 曲がり角を曲がったところから猛ダッシュ!ぐるりと回って逆に三人の後ろに。

「せ、先輩!見失いました!」

「手分けして探すのよ!見つけたら携帯に!」

 うわぁー。そこまでしなくてもいいのに。

「こっちから見つからないと思うから」

 そう言われて少し遠回りしながら誠二くんの家に向かう。

「なんか必死だったね」

「だよなー。そっとしておいて欲しいよ。そんなに珍しいかな?」

「うちの部活男子少ないから余計に、じゃないかな」

「そういえばこの前は亜美がごめんな」

「誠二くんのせいじゃないよー」

 そんなことを話しながら歩いてたんだけど…。

「もう少ししたら着くよ」

 もう少しかー。誠二くんのお母さんにちゃんとご挨拶出来るかなぁ?

「誠二くんのお母さんってどんな人?」

 前は少しだけしか話してないし、彼女として会うのは初めてだし…。

「…よく喋るよ。…めぐ、頑張れ」

「えっ?頑張れって何?」

「うん、いろいろと…」

 そ、そんな事言ったら緊張しちゃうよ!も、もしかしてすごく怖いのかな?ううん!誠二くんを産んだお母さんだし、優しいはず!

「わ、私、大丈夫かな?」

「うん…多分…」

 た、多分って何!?

「だ、大丈夫だよね!?」

「多分…」

 せ、誠二くんが助けてくれない?そ、そんなに強敵なのかな。

「…………」

「だ、大丈夫だよ!めぐ」

 へ、下手なことしちゃったらどうしよう。

 今さら大丈夫って言われても…。

 い、いざって時は誠二くんが助けてくれるはず!

 い、いざって時って?

 だ、ダメ。いろいろ考えないで…普通に笑って挨拶すればいいんだから…。

 そ、そうだよね!普通にしてれば…。

「めぐ、着いたよ」

「はっ、ひゃいっ!」

 どどどっ、どうしよう!もう着いたの!?ま、まだ心の準備が…!

「ただいまー」

 せ、誠二くん!?待ってよ!

 ドタドタドタドタ…!

 あわわわ…。お、お母様だ!

 勢い良く走って来てる。家の中は走っちゃダメです!

「おかえり誠二。その子ね」

「ひゃっ!」

 あ、挨拶!

「あっ、相田っ、めっ、恵です!ふ、ふつつ、ふつつか者ですが、どっ、どうぞよろしくっ、お、お願いします!」

 最敬礼ー!

「め、めぐ?」

 え?やっちゃった?私やっちゃった!?

「恵ちゃんね。こちらこそ愚息ですけどよろしくお願いします」

 お母様はそう言って膝をついて私に頭を下げた。

「ひゃああ!お、お母さん!頭を上げて下さい!」

「お母さん…。そう呼んでもらっていいわ。さ、どうぞ上がって」

「は、はい!」

「な…なんだこの流れは…」

 そして誠二くんのお母さんに居間に通されたんだ。ダイニングテーブルに誠二くんと並んで座る。

「お茶がいいかしら?コーヒー?」

「どどっ、どうぞおかまいなく!」

「お茶でいいよ」

 誠二くんが相槌を入れてくれた。そして私と誠二くんの前にお茶が出された。

「どうぞ。恵ちゃん」

「はっ、はい!」

 お茶を一口。

「おおいしいです!」

「そんなに緊張しなくてもいいのよ。楽にしてね」

 や、優しいお母さんだ。心配して損したな。

「誠二と仲良くしてくれてありがとうね」

「そ、そんな!私が誠二くんに助けてもらってばっかりで!」

「誠二とは確か…」

「今…ちょうど一ヶ月くらいです」

「そう…じゃあ…」

「か、母さん?」

 え?何?

「キスは済ませてるわね」

「えっ!?」

 ふ、不意打ち!こ、声裏返っちゃった。

「ちょっと母さん!」

「あんたは黙ってなさい!恵ちゃんと話してるのよ!」

「あ、あのー…えっとー…」

「いいのよ、遠慮しなくて」

「…し、しました…」

 あうー…。彼氏のお母さんにこんなこと言うなんて…。頑張れってこういうこと?

「いつ?どこでしたの?」

 あわわ…!

「は、初デートのときに…プ、プリクラで…」

「プリクラで…。今の子たちらしいわね」

「は…はい…」

「それじゃあ…」

 ま、まだ?まだなの?ひいぃ!お母さんすっごく楽しそうだし。

「そのキスの後…」

「母さん!めぐ、もういいから部屋に行こう!」

「で、でも…」

「いいの!」

 強引に…!

「しっ、失礼します!」

 誠二くんに強引に二階の部屋に連れて来られた。

 しんどかったよぉ。

 でもなあ…。

「誠二ー!お茶とお菓子鳥に来なさいー!」

「ちぇっ…」

 誠二くんは呼ばれて渋々下に下りて行った。

 私のこと何か言われてないかな?変な子だって思われてないかな?嫌われてないかな?

 あっ、戻ってきた。

「せ、誠二くん。私、変な子だって思われてないかな?」

「大丈夫だよ。母さんも変だから」

「そ、そっか。私もお母さんも変ならいいよね」

「な、納得するんだ…」

 え?やっぱり変?

「お、お母さんは何も言ってなかった?」

「大丈夫だよ。今買い物に出掛けたし」

 そ、そっか。

 …え?じゃあ…。

「じゃあ二人っきり?」

「そ、そうだね。二人っきりだよ」

「…………」

「…………」

 き、気まずいな。思えば完全に二人っきりなんて始めてだもんね。

 誠二くん何か顔赤いし…。

 な、何か話さなきゃ。

「そ、そういえば誠二くんの家に最初に来たのも同じくらいの時期だったよね!」

「あ、ああそうだね。あの時は大変だったなぁ。物色タイムとか言ってさ」

「わ、私はあの時何もしてないよ?」

 まだ、自分の中にこもってる時だったしな…。

「お菓子食べてたっけ。あの時からしたらめぐはホント変わったよな」

 …それは…。

「誠二くんのおかげだよ」

「そんなことないってー」

「そうだよ!誠二くんがいてくれたから…」

「…めぐ…」

「誠二くんが救ってくれなかったら、私はいつまでもあんなだった。みんなとも友達になれなかった」

 そうなんだよ。間違いないよ。

「誠二くんは私の全てなの。私にはもう…誠二くんがいないとダメなの。誠二くんの声が、笑顔が私の全て…」

「めぐ…」

「誠二くん…」

 そして、キスしたんだ。

 だけど、今までとは違う…。甘くてとろけそうな深いキス。頭が真っ白で何も考えられなかった。

「あっ……んっ……んっ…」

 すごい…!好きっ!誠二くん好き!

 誠二くんの吐息がかかる。

 どれだけの間キスしてるのかわからない。

「…はっ……はぁっ……誠二くん…」

「んっ……はぁっ……めぐ…」

 終わった…。でももっと…もっと誠二くんとキスしたい!

「誠二くん!わ、私…!」

 そしてまた深いキス…。

 なんだろう…身体が熱い…!

 止まんないよ!

 誠二くん…!誠二くん…!誠二くん…!

「んっ……はぁっ……んっ…めぐ!」

 ガバッ!

 え?

 誠二くんに突き放されちゃった。キス…イヤだったのかな…。

「こ、これ以上は…オレ…我慢出来なくなる」

 我慢…?

 あぁ…そっか…。

 にこっ。

 私もそうかも

 そして私はまた深いキスをしたんだ。

 …わかってくれるよね?

「…んんっ……あっ…」

「んっ…?………めぐ…?」

 いいよ…。

「んんっ…!?」

 誠二くんの手が私の胸にそっと触れた…。

 一瞬考えたけれど…。

「んっ……はっ…」

 もう私も止まらない。

 私は誠二くんと一つになりたい…。

 誠二くんとなら…。

「…めぐ…」

「……うん…」

 私はにっこり微笑んで…。それから誠二くんに身を委ねたんだ…。

 …

 ……

 ………

 …………

 ……………

 ………………

 …………………

 ……………………

 ………………………

 …………………………

「クスッ…やっぱり誠二くんってエッチだったんだね」

 初体験…しちゃったんだ。私の初めてを誠二くんにあげた。誠二くんと一つになれた。

 今はまだ服も着らずに抱き合ってる。

「い、いやぁ…まぁ…」

「ちゃっかり準備してたしねぇ~」

 誠二くんはちゃんとアレを持ってた。ゴムで出来たやつ。

「あ、あれは母さんがさ…」

「言い訳しなくてよろしい。お母さんがそんなの息子にあげるわけないよぉ」

 そう、お母さんがあげるなんて…待って、誠二くんのお母さんにつきありえるかも。

「い、痛くなかった?」

「少し、ジンジンするかな…」

「だ、大丈夫?」

 クスッ…。

「大丈夫だよ。私、誠二くんとこうなれて嬉しい」

「…めぐ…」

「誠二くん、あったかい」

 まだ、お互いの肌が直接触れ合って体温が直に伝わってくる。

「めぐも、あったかいよ」

「誠二くんは後悔してない?私とこんなことになって」

「するわけないよ。その…またしよう?」

「…もう。エッチ!」

 本当に嬉しかった。誠二くんに包まれて。全身で誠二くんを感じて。

 誠二くん。

 私、今すごく幸せだよ。

 すごく固い二人の絆が繋がった気がする。

 今日という日は忘れない。

「誠二くん…。大好きだよ…」

 心から…。

「オレも。めぐが大好きだ」

 えへっ…。

 このままずっと抱き合ってたいな…。

 ねぇ、誠二くん。

「めぐ、そろそろ送るよ」

「はうっ…!?」

 あぁ、現実は…。

「な、何?」

「う、ううん。何でもないの。あはは…もうそんな時間なんだ…?」

「もう母さん帰って来ると思うからさ」

 えっ!それは困る!なんていうか、今は顔合わせ切れないよ。

「う、うん!」

 急いで服を着て外に出た。誠二くんのお母さんはまだ帰って来てないみたい。今会ったら普通でいられないかも。

 ・・・・・・

 い、痛くて歩きづらい。腰も痛いし。

「めぐ大丈夫?歩き方変だぞ?」

 せ、誠二くんのせいだからね。

「だ、大丈夫!平気!」

 これは愛の痛さよ!耐えて!恵!

 それからバス停まで時折休みながら送ってもらった。

 今日は忘れられない一日になったなぁ。

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