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お気の毒ですが、冒険の書は書は書ははははハハッハハハッ。  作者: マグロちゃん


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7 ゴブリンの知能

「仲間を呼んで、それに応えて集まるって事はそこそこ知能があると僕は思うんですがどうですかね?」


「間違いないな、ゴブリンは知能がある」

「せやな」 「拙者もそう思うでござる」


「そうしたら、こっち側のルートは諦めますか?それか何か案がありますか?」


 全員黙ってしまう、ガイジンが見たという最大数で考えたら20体のゴブリンを4人で相手になんか出来ない、スキルとかの範囲技でもありゃ別かも知れないが。


「無理だな、スキルもなければ魔法もない、俺達が安全に戦うには俺達側が多数になる事が大前提だな。」


「実際狼は格上だったろうけど、数の暴力で倒せたようなもんだ。」


「そうですよね〜、とは言え生活もかかってますから収穫無しは避けたいですね。」


「ルートを大きく迂回するでござる」

「せやな、アレは相手にできひん」


 いや待てよ?ゴブリンが知能高いっていうのなら物音とかしたらそっちに警戒するよな?そしたら分散するんじゃないか?


「アイツラ多分足早くないよな?」


 俺は全員にそう言って説明をする、一人足の速いやつがさっきのルートで進み《《わざと》》見付かり逃げる、そこを後ろから3人で叩く、目の前に敵がいれば後ろなんか誰も気にしないんじゃないか?という作戦だ。


「囮になる一人はかなり危険だがどうだ?」

「先程のルートなら一度歩いてますし、道中の危険はなさそうですよね。」

「せやな後ろからなら倒せそうやな」

「それなら拙者は足に自信があるでござるよ。」


「ここからさっきのルートまでは5分といった所だから、3分後に俺達はアイツラの付近に潜む、ジャッキーはそのままさっきのルートに着き次第進んでくれ、ゴブリンが追ったら俺達3人で後ろから叩く、いいか?出来るだけ一撃で仕留めてくれ、最低でも行動不能にして欲しい。」


「ジャッキーは後ろを確認しつつ逃げてくれ、付かず離れずで頼む。」


「分かったでござる」

「よしそれでいきますか!」

「やったるでぇ!ゴブリンのアホンダラ」


 ジャッキーが離れて3分待つ間に残った二人に向けて話す。


「特効は俺が出たタイミングに続けて走ってくれ、声は出さないように。」

「分かりました」 「了解や」


 先程ゴブリンが見えた位置で茂みに隠れて潜伏した、長い、やたら長く感じる、もう来てもいい頃なんだが。 体感的には3分は経ったと思った時に声が聞こえた。


「こっこっちでござる!」

「ぎぃぃぃ」「ぎゃうう」「ぎゃぎゃ」「ぎゃう」「ぎゃぁ」「ぎゃゃ」「ぎゃうぎゃ」


 一斉に声のした方に向かって行くゴブリン達を俺達も追った、やはり足は遅く、しかもマチマチだ。


 一番遅い個体を身体ごと突っ込みながら突いた、そのまま走る、ガイジンが俺を抜いて、また一番後ろになったゴブリンの頭を走りながら水平にぶっ叩く、同じようにビーダマがこん棒でぶん殴る。


 また俺が前に出て後ろの奴の後頭部に槍を刺した、思った通り前方のゴブリン達は声に掻き消されて気付いちゃ居ない。


 ジャッキーも上手いこと付かず離れずをやってくれてるみたいだ。


 12匹程倒した時にやっと1体が気付いたがもう遅い、仲間に知らせる間もなく槍の餌食となる、ほぼ同時にビーダマとガイジンが2体倒す、ジャッキーを追ってるのは残り3体だ。


「ジャッキーもう逃げなくていいぞ!」


 後ろから声をあげるとゴブリン達も気付いて後ろを見る、その隙に1体を槍で突いた、ガイジンとビーダマも残った2体に襲いかかる。


 ジャッキーが逃げるのを止め、後ろを向いてる1体にナイフを投げた、上手く刺さって鳴いた所にビーダマがトドメを刺す、残った1体もガイジンがトドメを刺した。


 全部で18体か?倒した魔石を拾うべく戻るとまだ消えてないが、動かない個体にトドメを刺す。


 魔石が回収出来たのは16個だった、短剣が1本、ナイフは10本もある、石の斧は要らないから拾わなかった、重いし。


 魔石が倒した数と合わないが、見当たらないから仕方ない、それでもゴブリンの魔石16個とスライムの魔石3個を今日だけで手に入れた。


 一度林を出て上手く行ったなと皆で喜んだ。


 前回の魔石はゴブリン4のスライム8で魔石は30Bになった、スライムよりゴブリンの魔石の方が少し大きいから値段も良いだろう。


「ゴブリンの魔石が4Bスライムの魔石が2Bっで30Bと考えると計算が合うな、それだと今回は64B稼げたかな?」


「今日は疲れましたし、早めに寝て、また、明日の朝早くに狩りしましょうか」

「賛成!」「走り疲れたでござる」「せやな」


 大量にナイフもゲットしたし、幾つか処分しても金になるかも知れない。


「そうそう、この短剣、武器屋で見たやつソックリでござるよ」


 ジャッキーが拾った短剣を皆に見せてきた。


「確かに、こんな感じだった気はしますね」

「あぁ、死んだやつのとかか?」

「けったいやな、くわばらくわばら」


 一番体を張って頑張ってくれたジャッキーは見張りをしなくていい事にして、今回は見張りを一人にして3人が寝ることにした、3時間交代だ。


 最初はガイジンが見張り、次はビーダマ、そして俺の順番だ、辺りは真っ暗で殆ど何も見えない、その内多少目が慣れてきたとはいえ、頼りになるのは殆ど聴覚だ。


 冬とかじゃなくて良かったな、季節もあるか知らないけど、人と関わっているからか前より少し話せるようになった気がする、よく分からないが人と付き合うってこういうことなのかな?


 まだ短い付き合いだがコイツラの事はかなり信頼している、なんせ生き死にの経験を一緒に何度も越えたのだから、ただ信用してるかと言えばそれはまた少し違う。


 例えば俺たちの金を今一纏めにして持ってるのはジャッキーだが、これは今回帰ったら分配しようと提案するつもりだ。


 ジャッキーが信用出来ないんじゃなくて、全員誰も信用できないんだ、まだ。


 そりゃそうだ、日本から来たと言っても全員話は合わないなら外国と変わらない、そしてその考え方も違う可能性もある、お国柄ってやつだ。


 流石に100B、200Bといった今の俺達にとっては大金でも、はした金で命を取るとかはないだろうが。


 持ち逃げなんてされたら目も当てられない、明日生きていくのも厳しくなる、何とか今は男の友情みたいな形で支え合っているが、壊すのは大抵の場合金と女って相場が決まっている、はず? 経験がないから正確には分からないけどな。


 だったらその一つの金の問題は取っ払う方が良い、もう一つは女だが、今日も会わなかったんだよな、誰とも。


 酒場にだって結構な数は居たはずだから、一切会わないとなると全員ダンジョンにでも入ったのか、それか死んだか?俺がこっちの世界に来た時におばちゃんは毎度聞かれてるような事言ってたよな?


 ひょっとしたら欠員補充みたいに人が送られてくるのか?


 帰ったらその辺も聞いてもらうか、ビーダマに。

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