表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/10

第10話 炎帝 《二》

 巨大な魔力反応は──あそこか! 

 奴の頭上に魔力が集めている。

 あんな巨大な魔力を地面にぶつけられでもしたら……大変な事になってしまうぞ! 


 ──仕方あるまい。

 この技はあまり使いたく無かったが、生徒会長として俺は学園を護る責務がある。


 魔力消費は激しいが、出し惜しみはしていられない。


 堕ちる前に──空中で破壊させる。


 俺はいつもいつも考えていた。

 この炎魔法をもっと高みへ到達させるにはどうすればいいか。

 長い間試行錯誤し、失敗する。


 その繰り返しの中で、ようやく見つけた最終地点。

 この技は、周りを巻き込んでしまう程に強力で危険が伴う。


 普通の戦闘では、まず使えないような欠陥品だが……最終地点と呼ぶように威力に関しては最高の出来。


 この状況下で、あの魔力弾がもし……地面に落ちていた場合、被害は俺の技と比にならない。


 だから、落ちる前に破壊する。

 今回の場合のみ使える──必殺で。


 魔法陣を展開……赤い光を放つ魔法陣の上で右腕を上げ、手のひらで炎を創り、集める。


 あれに匹敵する炎の弾を創り出せ!


 周りの空気は蒸発し、息はもう出来ない。限界ギリギリのその瞬間まで、止まるな。


 ──いくぞ。 


 撃ち抜け──あの魔力の塊を。

 

 炎の弾丸──『大弾炎』。


 魔力の塊目掛けて、一直線。

 炎の弾丸は、奴の魔力弾を正確に撃ち抜いた。

 ──魔力と炎の激しい衝突。

 それによって拡散した魔力は、光となって降り注ぎ辺り一帯を崩壊させた。



 ──ぐっっ……。


 防ぎきれなかった──。


 迫りくる拡散魔力を炎の壁で防ぐ算段だった。

 だが、『大弾炎』を撃ったせいか防御が弱まったか。


 これは大怪我だ。

 しかし、まだ動けはする……今奴はどうなっている? 

 姿が見当たらないどころか、魔力の反応すら無い。


 ド真ん中で爆発したから、奴もタダでは済まなかったと考えるべきか。


 この魔力の拡散は、ここら一帯どころか学園の敷地内殆どに広がった。

 中心地に居た人間はまず重症は免れないだろう。

 最悪の場合……死者が出るかも知れん。


 早急に、状況を確認しなければ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ