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ワタシには、誰にも言えない秘密があるのだけど、あなただけには知っていてほしい!

作者: 七瀬





ワタシには、誰にも言えない秘密があるのだけど、、、、

あなたにだけは知っててほしい!




ワタシは誰にも言えない秘密のせいで、好きな男性さえ作れないでいた。

ワタシは高校生の時に、同級生の男の子と体の関係をもって妊娠したのだ。

彼もワタシも、好きでそういう関係なった訳じゃない!

たまたまその日、二人だけ放課後の教室で一緒になりそのまま体育館の

倉庫の中、マットの上でそういう関係になってしまう。

お互い初めてだった為、最初はしどろもどろにはじまり後はそのまま、

体を重ねて溶け合う様に一つになった。




・・・そのたった一回の出来事で、ワタシは子供がデキてしまう。

最初は、なんだか体が気だるく体調を崩して病院で診てもらう事になって、

そこで“妊娠が発覚した。”

その事をワタシは彼に言うと?

彼は、“まだ俺達高校生だし、子供だから親にはなれない! それに受験も

あるし、お金は半分出すから、そのお腹の子を下ろしてくれないか?”

ワタシは彼のその言葉にどうしても納得出来ず、一人でお腹の子を

産んでしまった。




でも? 当時、高校生のワタシがその子を育てていける訳もなく、

結局! その子を施設に預けるしかできなかった。



でも20歳になったワタシは、その子を施設に迎えに行き一緒に暮らす

事を選択した。

ワタシの血の繋がった子供だからワタシが育てないといけないと思ったからだ。

20歳のワタシが幼い子供と一緒に生活していく事は凄く大変で、、、。

だから親を頼り、昼は事務の仕事をして夜はホステスの仕事を始めた。

その間、子供は親に預けて見てもらっていたのだ。

ワタシの子供も、若いおじいちゃんおばあちゃんと一緒に居て、

楽しく過ごせていたと思う。

孫が可愛いとワタシの両親は孫に何でも買ってあげ甘やかしていた。

“特にワタシのお父さんは、ワタシの娘に甘かったと思う。”




『おーい、セセラ! おじいちゃんおばあちゃんと買い物に行こう!』

『わーい! 買い物だー!』

『何か欲しいモノはあるのかい?』

『お菓子が欲しい!』

『よしよし! おじいちゃんが何でも買ってあげよう。』

『“セセラ! おじーいちゃんだーいすき!”』

『おじいちゃんもセセラが大好きだよ~』

『もぉ~貴方は孫に甘いんだから~』

『まあ~いいじゃないか! わたしたちの孫なんだぞー!』

『セセラも! ママに怒られるわよ!』

『だってママは、お仕事が忙しいから怒ったりしないもん!』

『・・・セ、セセラ、』

『ママが居なくて! 寂しんだよな~じぃじやばぁばが精一杯、セセラに

愛情を注いであげるからな~』

『また、そうやって、甘やかすから、』

『セセラ、おじーいちゃんだーいスキ!』

『いーっぱい! セセラも言いたい事があればじぃじやばぁばに言うんだぞ!』

『うん!』






ワタシは完全に、ワタシの両親に娘を任せきっていたの。

両親も孫が可愛いから、ワタシの娘に何かあると、、、?

ワタシの時と違って、娘が少し掠り傷がデキただけで心配で心配で

ならないらしいのだ。

特にワタシのお父さんは、“ワタシの娘を目の中に入れても可愛い”と

心からそう想っている。 

まあ、娘もおじいちゃんおばあちゃんにワタシがずっと傍に居れない分、

目一杯甘えているわ。







 *






・・・こんな生活が1年続いた時、ワタシは夜のホステスの仕事で知り合った

お客さんと“恋愛関係になり結婚も考えていたわ。”

でも? なかなかその男性に娘の事を話せず、少し戸惑っていると?

彼からワタシにこう言ってきた。



『“あのさ、何か? 俺に隠し事してる?”』

『えぇ!?』

『いつも俺と会う時、何か言いたそうだし、ずっと待ってるけど何も

言ってくれないから思わず聞いちゃった!』

『・・・あ、あのね!』

『うん。』

『“ワタシ! 娘が居るの!”』

『そう。』

『・・・ううん、ビックリしないの?』

『まあ、ビックリしてるけど、それぐらいなら俺は大丈夫かな。』

『もし? ワタシ達、結婚したら娘も一緒でもいいかな?』

『勿論! いいに決まってるじゃないか。』

『ありがとう。』

『“ずっとそれを言えずに悩んでたの?”』

『・・・ううん、』

『そっか、じゃあ! 今度、娘ちゃんに会わせてくれる?』

『勿論!』

『じゃあー楽しみにしてるよ。俺も早く娘ちゃんと仲良くなりたいしさ。』

『ありがとう! きっと娘も喜ぶわ!』

『そうならいいけどね。』

『“ワタシの娘だから大丈夫よ。”』

『・・・そうだね。』

『うん。』





ワタシはやっと彼に本当の事が言えた。

どうせずっと彼に隠し通せる訳もないし、、、。

それに、あなたにだけには知っててほしいかったから。

必ず娘も彼を受け入れてくれるわ。

だって! ワタシの娘なんだもの、大丈夫! 全て上手くいく。





『“これから貴女のパパになるかもしれない一橋さんよ、仲良くしてね。”』

『よろしくね! 一橋龍司だよ、仲良くしてね。』

『・・・一橋龍司さん、セセラの新しいパパになる人?』

『そうよ。』

『セセラちゃんのパパになるのが待ち遠しよ。』

『セセラも! 龍司パパと仲良くしたーい!』

『・・・セセラ、』

『仲良く慣れそうだよ、これからは3人で新しい家族を作ろう。』

『うん、そうね。』

『パパ―! ママ―!』

『どうしたの?』

『何かあった?』

『あのね? あのね? セセラね!』





この日、セセラに彼を会わせて本当に良かった。

いつの間にか? ワタシが居ない時も、娘は彼と仲良くお話しているし、

彼も娘と話をしている時は、“良きパパに見えたから。”

彼とこれから結婚するけど、“本当に彼と出逢えて良かった。”

彼となら? ワタシと娘と3人で上手くいくと思う。

たまに私の両親が娘に会いに来てくれる関係であればいい!

“今ではこの子を産んで良かったと心から想っているわ。”

娘にもう寂しい想いをさせないためにも、今を大事にしたいとワタシは

そう想っているの。

”本当の家族に、これからは3人でなると誓うわ!”


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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