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エロゲ世界に転生したので、最推しの攻略不可能キャラをヒロインにしてみせる!~前世の記憶を頼りに、襲いかかる数多のバッドエンドを乗り越えろ~  作者: 紐育静
第一部 帚木大星編『私の願いが叶いますように』

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アストレア姉妹編① オクトパス。略してクパ、伸ばしてク◯ァ。



 レギー先輩の一連のイベントが終わってから数日が経った。


 レギー先輩主演の舞台『光の姫』の上演は順調のようで、舞台で忙しいため一週間は学校にいないものの、毎日のようにレギー先輩からLIMEが飛んでくるようになった。


 俺が不安視していたスピカとムギのイベントが起こる気配もなく、久々に平穏な日々を過ごせているような気もする。


 かといって、俺に気を抜く暇なんてない。大星と美空が上手くいっているか、レギー先輩やスピカ、ムギの周囲で変なイベントが起きていないか、そして……転校してしまった乙女の行方を調査していた。


 手がかりを知っていそうな人達に一通り声をかけてみたが、やはりめぼしい成果は得られなかった。もう徹底的に乙女に繋がる手がかりが潰されてしまっているようだ。


 俺はいつ乙女に会ってもいいように、そしていつでも乙女に返すことができるように、ポケットに乙女が着けていた金イルカのペンダントを入れている。確か大切な人と絆を繋いでくれるとかいう言い伝えがあるのだが、朧と乙女の絆なんてなかったのだろうか。



 今日もまた学校で情報収集した後、俺は一人で下校していた。大星と美空は仲良く海岸通りへデートに、スピカとムギは姉妹で先に帰り、レギー先輩には舞台がある。


 乙女のストレス発散にと彼女とカラオケやゲーセンに行っていた朧の記憶を懐かしく思いながら通りを歩いていると、どこからか女の子の声が聞こえてきた。


 「きゃああああああっ!?」


 ひ、悲鳴だと!? 今のは明らかに悲鳴だ。


 近くで何か事件でも起きているのかと、俺は慌てて声がした方へと急いだ。確か向こう……西の月見山方面へ続く道から聞こえてきた。


 俺がダッシュで現場へ駆けつけると、青々とした木々がまるでトンネルのように生い茂る人通りの少ない道の歩道で──。


 「す、スピカちゃん!?」


 そこにいたのはシックな私服姿のスピカと彼女を襲う謎の生物……あれはネブラタコか!?

 

 「クッパ~♪」


 説明しよう! ネブラタコとはタコのような見た目をしているが陸棲の宇宙生物で、人と同じぐらいの体高だがとても温厚な性格だ。

 しかし刺激してしまうとその大きな触手で相手に襲いかかり、触手から分泌された粘液で段々と相手を弱らせていくのだ!


 そして……スピカはこのネブスペ2というゲームにおいて、一番最初に宇宙生物に襲われている記念すべき一人目のヒロイン(被害者)でもある。


 「か、烏夜さん……!」

 「クッパクパ~♪」


 何がどうなってこうなったのか全くわからないが、ネブラタコの触手がスピカの襟元や袖口、さらにはスカートの下から入り込んで……なんかすごくエロい!


 って言ってる場合じゃねぇ! 早くこの光景を脳裏に焼き付けないと……違う違う! 早くスピカを助けなければ!


 「あぁんっ、はぁっ……やぁっ、そこは、ダメェ……!」


 でもネブラタコの好物ってなんだっけ? 第一部の最初で大星がネブラタコにスピカが襲われている現場に遭遇した時は……。


 「はぁっ、んぅ……体が、おかしくなりそう……!」


 いやダメだ、ネブラタコの触手に襲われているスピカを目の前にしていては正常な思考が出来ない。ただムラムラしてしまうだけだ。


 「スピカちゃん! 今すぐ僕がネブラタコの好物を持ってくるから待ってて!」

 「お、お願いします……」


 今のスピカの光景を見逃すのは心苦しいが……いや違う違う。ただネブラタコとかいう変態にいいようにされるスピカを見ている方がもっと心苦しい。うん、そのはずだ。


 俺はとりあえず色々と揃っていそうな近くのコンビニへと急いだ。そしてコンビニまで辿り着いたところで、俺はようやくネブラタコの好物を思い出す。


 はっ、確か第一部の最初で、偶然大星の買い物袋に入っていたチョコレートを与えたらネブラタコは喜んでいたはずだ。俺はすぐに板チョコを購入して急いで現場へと戻った。


 

 「はぁっ、はぁんっ、はぁっ……」


 俺が現場へと戻ってきた頃、スピカは路面にペタンと女の子座りをしていたが、彼女の服の中でウネウネと触手が蠢く一方で、ネブラタコは満足そうな目をしていた。

 くそっ、なんて羨ましい……じゃないじゃない。早くネブラタコを追い払わないと。


 「ネブラタコ! ほら、お前の大好きな板チョコだぞ!」

 「クッパー?」

 

 俺がネブラタコに板チョコを投げると触手でキャッチし、ネブラタコはそれを口に含んだ。すると興味がそっちに向いたのか、スピカの体にまとわりついていた触手が離れていった。


 「ほら、ネブラタコ。ちゃんと研究所に戻るんだぞ」

 「クッパ!」

 「よし、良い子だ」

 「ク◯ァ」


 その鳴き声は擬音的に危ないからやめろ。クッパはセーフだけどクパ◯は多分アウトだと思う。クパでさえ結構ギリギリだぞ。俺はまだこの物語を十八禁にしたくないんだ。


 そして板チョコを与えられて満足したのか、ネブラタコは森の中へと帰っていった。


 「はぁっ、はぁ……ありがとうございます、烏夜さん。おかげで助かりました」


 これまた都合の良いことにネブラタコの触手から分泌される粘液も速乾性が高いため、スピカの服は元通りになっていた。しかしネブラタコに襲われていた影響からか体に力が入らず立ち上がれないようだ。


 「スピカちゃんも災難だね。この前も襲われてたばかりなのに」

 「いえ、これぐらいなんのそのです。これも宇宙生物の皆との大切なコミュニケーションですから」


 いやスピカの器、本当に宇宙ぐらい広すぎだろ。なんでネブスペ2のキャラの中で一番宇宙生物にあんなことやこんなことをされてるのに、そんなに優しくいられるんだよ。


 「スピカちゃんは買い物の帰り?」

 「はい。新しいお花と肥料を少し買い足そうと思って……ととっ」

 

 スピカの側には買い物袋が落ちていて、中には花の株が見えた。スピカは立ち上がろうとしたがまだ体に力が入らないのか体をよろめかせてしまい、俺は慌ててスピカの体を支えた。


 「だ、大丈夫かい? 無理はしない方がいいよ」

 「す、すいません……思うように力が入らなくて」


 まだ息も整っていないから無理に動くのは良くないだろう。丁度この道を進んでいけば月見山の麓の高級住宅街があり、そこにスピカとムギが住んでいる家があるはずだ。


 「じゃあ、僕が家まで送ってあげるよ。すぐそこでしょ?」


 俺はそう言ってスピカの体に手をやって、そのままヒョイッと抱え上げた。


 「ひゃっ!?」


 ……あ。

 なんで俺、スピカをお姫様抱っこしてしまったんだ? これってイケメンにしか許されないムーブでは?


 「あぁごめんスピカちゃん。迷惑でなければこのまま送ってくけど、大丈夫かい?」

 「あ、その……お、お願いします……」


 まぁ本人の許諾とれたしいっか。そういや朧って作中でも乙女をお姫様抱っこしてたイベントCGがあったし慣れてるんだろうな。俺の中に眠る烏夜朧としての記憶の中に、何度も乙女をお姫様抱っこした想い出が残っている。



 う~ん、憧れてたよこのシチュエーション。三枚目キャラとはいえイケメンに転生出来てよかったと始めて思えた瞬間だ。


 その一方で、の体は火照っていて今にも俺の理性は宇宙の彼方へ吹っ飛んでいきそうだが、これで理性がなくなっているようではエロゲ世界を生きられない。


 「その、重くありませんか?」

 「全然だよ。乙女なんかはすっごく重かったね」

 「そ、そうなんですか?」

 

 でもびっくりするぐらいスピカの体は軽く、俺は軽い足取りでスピカをお姫様抱っこしながらスピカとムギが住んでいる家へと向かった。



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