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誰も死なない国  作者: 夜月闇
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奇跡の来訪者


         『その奇跡は、ある日突然 齎された_。』


                         マキニの書 第三章 1節





 その者は、突然 その王国領に現れる。


人々の傷を、手をかざすだけで癒し 金色の美しい髪を靡かせながら


颯爽と、金品も受け取る事もなく…


それは、美しい顔立ちをしていた。


白く清らかな、だがボロボロの衣を纏いながら


病気の子供を次々と元気にした



そして、三日前に亡くなっていた その村の長を




蘇らせたのである。






死者の蘇生は、多くの国、多くの世界、多くの宇宙、多くの魔法体系

そして、多くの神々が禁忌として 固く禁じている。


それは一つの真理であり、深理であり、真相であり、呪いであった。



しかし、その者は いともたやすくそれを行ったのである。


それの噂は、瞬く間に国中に広まる


国王に謁見が許されるまで、時間は掛からなかった



国王には、つい先日亡くなった最愛の姫君がいたのだ。



王が、「可能か」

と、問われると


その者は 「はい」

と、答えた。


姫君はその愛らしい姿のまま、棺の中に沢山の花たちと一緒にいました


死化粧で美しく整った、その白い肌に生気が戻っていきます。


長い睫毛がゆっくりと開いていき、一粒の涙が零れます



姫君は、復活されました。




その金色の髪の流れ者は、奇跡の賢人として


王国に、そして王城へと迎えられました。


国中では祭りが催され、人々は祝福しました




それが、この世界の悲劇


始まりの一欠けら、だとも知らずに…





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