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第19話 驕り

「ん?」


 私は真夜中に目を覚ましてしまった。


「人影!?」


 窓を覗くと何者かの人影を見ることになった。


「もしかして緑陰の魔女!?」


 最悪のシナリオが頭に浮かんで来る、もしかしたら見張りの兵たちが危ないかもしれない。


「みなさん大丈夫ですか?」


「ミケレ様? どういたしましたこんな夜遅くに」


「よかった」


 私の予想は外れて、みんな無事であったようだ。


「いえ、気のせいだったようです」


「はあ」


 さっきの人影は多分カラスか何かであろう。そう思って私は屋敷へと戻ったのだった。


「?」


 様子がおかしい、さっきまでとは全く雰囲気が違うではないだろうか。


「殿下?」


 液体が流れ落ちる情景が頭に思い浮かんだ。


「まさか」


 私はとっさに液体を触って確認した。


「赤い? うそ いやあああああああああ!」


 私の絶叫が屋敷へと響き渡ったのである。


「ミケレ様どうしましたか」


「エレメナ! 大変よ殿下が」


 私はエレメナに大量の血が流れる場所を指さす。


「殿下!」


「ふ、二人とも、僕なら大丈夫だ」


「え?」

 

 なんと殿下は無事だったのである。


「どういうことですか」


「奴だ、襲撃者にあった、奴のナイフを寸前でかわし、以前から持っていた血液のカプセルを使ったんだ。これで私は何とか倒れたふりで、逃げることができた」


「じゃ、じゃあ殿下は無傷なんですか」


「もちろんさ」


「はあ、よかった」


「一先ず襲撃者をとらえなくては」


「そうだ、奴は奥の部屋にミケレが来たのを察して逃げていった。とらえるなら今だ!」


「分かりました、一先ずエレメナは見張りの人たちを呼んできて」


「もうやってます。でも扉が開かないんです」


「え?」


 その時嫌な予感がしたのであった。


「疑似カプセルの偽造とはまた厄介なことをしてくれますね」


「貴様は何者だ」


「緑陰の魔女……」


 奥の部屋から緑陰の魔女が現れたのである。


「緑陰の魔女だって!?」


「殿下お下がりください」


「アルフィ?」


「どうして出てこられたんだ」


 殿下専属の護衛アルフィ、この屋敷は閉ざされていたはずなのにどうして。


「緊急時に殿下の傍にワープできる力が僕にはあるのです」


「そうなのですか」


 流石は専属護衛といったところね。


「貴様よくも殿下に、ぐはっ」


「嘘」


 アルフィは緑陰の魔女の魔法に一瞬でやられてしまった。


「甘い甘い甘い甘い」


「貴様あああああ! ぐはっ」


 殿下はアルフィがやられて激怒してとびかかるも、動きをすぐに封じられた。


「殿下―!」


 こんなことが、私は緑陰の魔女の実力を見誤っていたかもしれません。外の兵たちは屋敷の空間が閉ざされたことで会うことができません。中にいる私たちだけでどうにかするしかこの状況はないはず、しかしそれではあまりにも戦力が。


「殿下に手を出すな!」


「エレメナ!」


 そうこう考えているうちに遂にエレメナが力を解放した。光を放つのは聖女の力、


「エレメナ、あなた覚悟を決めたのね」


「ええ、ここで終わりにします」


 エレメナの光は闇を打ち消す黙示録の光である。


「この光、忌々しい」


「あなたを滅する光です」


「ほざけえええええええ!」


 次の瞬間エレメナの魔力と緑陰の魔女の魔力が衝突して屋敷は爆発したのであった。





「いったい何があったの?」


 跡形もなく吹き飛んだ屋敷、一瞬見えた光の衝突は魔力が共鳴しているように思えた。


 煙が晴れる頃、私は戦況の決着を見ることになった。


「エレメナ!?」


「ミケレさん、何とか殿下は確保いたしました。ここからどういたしますか」


「よかった無事ね。ここからが私たちの腕の見せ所よ」


「ふん、屋敷ごと吹っ飛ばしたか、これで振り出しに戻ったともいえるね」


 そう私たちは屋敷に閉じ込められていたのである。密室空間では外部からの情報が閉ざされてしまう。つまり屋敷を破壊してしまえば。


「皆様ご無事でしたか」


「みんな!」


 殿下の護衛の合流である。屋敷が破壊されたことで、遂に護衛が増えたのであった。


「さて準備は整いましたわ。緑陰の魔女、あなたを拘束いたします」


「何人雑魚が増えようが同じこと、全員あの世送りだよ」


 緑陰の魔女が茨を出現させた。


「皆さん、お願いします」


「防壁展開」


 魔法は使用者の数だけ相乗効果で強くなる。殿下の護衛なだけに連携はばっちり、一人では及ばない力も、全員合わせて強力な防壁を展開するのにつながったのであった。


「これで茨を通すことはなくなったぞ」


「小細工をしやがって」


「何?」


 一度は茨を抑えつけた防壁であるが、更に力をました茨の浸食が壁を破壊した。


「ぐわあああああああ」


「くたばれ」


 とはいえこれも作戦通りである。


「エレメナ!」


「任せてください!」


「貴様!」


 壁は目隠しの機能もしていたのである。これまでエレメナの攻撃は緑陰の魔女との対面で発揮しきれていなかった。故にエレメナの最大の力のお披露目はこれが初めてなのである。


「おしまいですよ!」


「うわあああああああ!」


 エレメナの光が緑陰の魔女をゼロガードの状態で襲い掛かる。それにエレメナ自身のコンディションも邪魔が入らなかったため、最高クラスである。


「これでお仕舞ですわ! 観念しなさい緑陰の魔女!」


 指を向けて緑陰の魔女に私は勝利を宣言した。


「まだまだあまいね」


「え?」


 私の意識が途絶えた。



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