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 とんとん拍子に話が進んで、ヒューイット様は教育のために週のうち三日は我が家に滞在し、四日は実家で過ごすことに決まった。

 最初は三日だけど、教育が順調に進めば四日五日と我が家で過ごす時間が長くなっていくのよ。

 つまり、ヒューイット様のご尊顔を拝する時間が増えていく。イェイ。


 まあ、ヒューイット様が滞在するのは我が家の離れなんだけどね。

 でも、我が家の敷地に存在することには変わりないから! ヒューイット様が立っている場所が私のパワースポットだから!


「お出迎え準備は万端ね!」

「はい、お嬢様」


 離れのお部屋にカンパニュラを飾って、私はヒューイット様の到着を待っていた。

 やがて、侯爵家の黒塗りの馬車が土煙を立てて走ってくるのが見えた。


「ようこそいらっしゃいました! ヒューイット様」


 私は馬車から降りたヒューイット様に駆け寄った。


「お荷物をお持ちします!」

「いや、やめろよ……公爵令嬢に持たせる訳ねぇだろ」


 侯爵家から付けられた従僕が荷物を持って降りる。彼がヒューイット様の身の回りの世話をするらしい。

 羨ましい……っ。

 私もいつか荷物を持たせてもらえるぐらい信頼されてみせるわ。


 今日のところはゆっくりしてもらうことになっているので、離れを案内した後は何か困ったことがあった時のために部屋の隅に控えていようとした。


「いや! 気になるわ! なんで突っ立ってんだ!」


 ヒューイット様がこっちを見て怒鳴った。


「何か申しつけられるかと思いまして!」

「そんなことしたらその瞬間に追い出されるだろうが!」

「そんな! ヒューイット様を追い出したりしません! むしろずっと居て欲しいのに!」


 私がそう訴えると、ヒューイット様は何故かげんなりした表情になった。


「どうも調子狂うんだよなぁ、お前といると……」

「そんな! 私がヒューイット様の調子を狂わせただなんて! お詫びに頭から冷水を浴びてきます!」

「やめろ!」


 走り出ようとしたところをヒューイット様に止められた。


「あー……ステラ嬢は」

「ステラとお呼び下さい! ヒューイット様」

「ステラは、俺みたいなのを婚約者候補にしたりして、周りの評判が怖くねぇのか?」

「怖くありません!」


 私は力強く答えた。


「周りが何を言おうと、私はヒューイット様の味方です!」


 ヒューイット様は一瞬目を丸くした後で、ふっと口角を上げて笑った。


「そうか。なら——俺のことはヒューと呼べ。ステラ。敬語もなしだ。そっちの方が婚約者候補っぽいだろ」


 私は目を輝かせた。


「わかったわ、ヒュー!」




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