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12. ちょうさ の うちあわせ

よろしくお願いします。

冒険者ギルド受付嬢のソランさんに、依頼の調査場所や状況についての確認を取った僕。


幸い被害場所の周辺についてはギルドに地図があったのでそれをざっと書き写し、僕達はホールのテーブルで広げた地図を覗き込んだ。



被害の発見者については、ギルドと警備隊で事情聴取を行った後は用が済んだということで皆帰してしまったので、今すぐに話を聞くというのは無理。


運輸ギルド経由で後を追うにしても手間も時間もかかるとのことで、話を聞くのは諦めることにした。


食料等が食い荒らされていたか、金品が持ち去られていたかだけでも確認出来れば、襲撃者の絞り込みに役立ったんだけどまあ仕方ない。


荷馬車については、そのまま放置していると通行の邪魔にもなるので可能であれば持ち帰り、不可能であれば出来る範囲で破壊してきてほしいとのことだった。


これについてはマジックバッグに入らないみたいだったら、被害者の身元を確認できるものと貴重品だけ回収して後は燃やすか何かすればいいだろう。



ということで、僕達はホールで今後の段取りについての打ち合わせをする。


山の中で夜間の捜索なんて無謀以外の何物でもないので、出来れば朝一で現場に到着して日中に調査を行えるようにしたい。


地図によれば襲撃地点から少し離れた場所に、数年前廃村になった村の跡地があるらしい。


優先的に調べるならまずはそこだろう。



現場までは少々距離があるようなので、


「まだ道は封鎖されてもいないようだし、そこを通る乗り合い馬車に途中までの護衛を兼ねて乗せてもらって、近くまで行ったら降りて調査開始ということにしましょうか」


「そうだな。あの辺りだったら昼頃にこの町を出る馬車に乗れれば、明日朝の内に着けると思う」


僕の提案にアークさんが同意する。


なのでこの後は各自で出発の準備を行い、昼前くらいに運輸ギルドの前に集合ということになった。



「じゃあ僕は準備ついでに、運輸ギルドに行って馬車の手配をしてくるから。出来れば今言った通りに今日の昼くらいに出発するのが良いけど、多少の前後はありってことで。もし無かったら、その時はもう僕の方で馬車を借りとくんで、それでよろしく。後アリサは宿の方をお願いね。帰って来たらまた継続して泊まるからって言っといて」


「わかった。毎回なんだかんだでお前が準備に1番時間をかけているが、何か用意してほしい物はあるか?」


「じゃあロープをちょっと多目にと、薪を1束。あと安いやつで良いから黒と黄色と緑色と茶色の化粧品。これはあればでいいや」


「化粧品?まあ良いだろう」


僕の頼みにアリサが頷いて、ユーナには野営用品関係の買い出しをお願いする。


そうして打ち合わせを終えて、ギルドから出ようとしたところに聞き覚えのある声がかかった。




「あ、アークだ!」


声を上げて駆け寄ってきたのは、先日アークさんと一緒にいた『進撃の聖剣』パーティの子達。


「お前達か、おはよう。実は俺はこれから依頼で、彼らと10日程町を出ることになった。悪いがその間は自分達で依頼をこなしていてくれ」


アークさんの言葉に彼らはちらりと僕達に視線を向けたものの、すぐに興味を失ったようにアークさんに顔を戻した。


「依頼か。よし、俺達も一緒に行くぜ!」


「10日くらい町を出るってことは、馬車の護衛か何か?アークと私達なら楽勝よね!」


「何かいい感じの魔物か盗賊でも出てくればいいな。もう速効でランクが上がるみたいなさ。それにそろそろ本格的な討伐依頼とかも受けたいし」


「いや、今回は駄目だ。今のお前達にはこの依頼はまだ早い。はっきり言って足手まといになる」



3人で賑やかに盛り上がる彼らに、アークさんが冷静に告げた。


水を差されて不満顔の3人が口々に言いつのる。


「なんでだよ!これまでいつも一緒に行ってたじゃんか!」


「何が足手まといよ。これまでだって助けてもらっといてさ」


「アークは僕達がいないとダメなんだからさ。強がるなよ」



……なんか、明らかにランクでも実績でも上の相手に対する態度じゃないけど、この子達それだけ自分の腕に自信があるってことなのかな。


でも立ち居振舞いからだと正直、そこまで強いって感じはしないんだけど……


これが例えばホウロで会った『白鷹の翼』の人達や、オークの討伐に参加した冒険者達だったら、見た感じで「あ、この人は強いな」みたいなのがなんとなくわかったりもした。


でも目の前の彼らにはそういうのが全然無い。



アリサやユーナが呆れ顔で見守る中、アークさんは彼らに厳しい声で言い放つ。


「なんと言われても、お前達を連れていくことは出来ない。今回はこれまで受けていた駆除依頼とは違う。どういう敵がいるのかもわかっていない状況で、もしかしたら俺達でも手に負えない相手がいる可能性だってある。もう一度言うが、お前達が来ても足手まといだ。しばらくはお前達だけで、採集依頼あたりをやっているんだ」


アークさんは言い終えると僕達に「行こう」と促して、言葉を無くしている彼らを置いて足早にギルドの出口へと向かった。



「なんだよ、俺達のおかげで助かったことだってあったくせに」


「なんか最近調子乗ってるよね」


「いいじゃん。それなら僕達でアークのこと見返してやろうよ。何かあってもアークなら怒りゃしないさ」

お読みいただきありがとうございます。


また評価、ブックマーク等いただき誠にありがとうございます。

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