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8. のうりょく に ついて

よろしくお願いします。


今回もまた説明回になります。

僕の前世が猫だったということは、今までも何度か話をしている。


おそらくその辺りが関係してるんじゃないかと思うのだけど、僕は昔から身体能力が非常に高かった。



子供の頃、身体を鍛え始めた時期から自分の身長よりも高いジャンプが出来たし、今は助走無し魔力による身体能力強化無しでも、平屋建てであれば家の屋根に余裕で跳び上がれる。


昔からこの身体能力で周囲を驚かせたもので、小さい頃納屋の屋根に跳び乗ったはいいけどそのまま降りられなくなって、泣きわめいて助けてもらったのはちょっとした教訓。


飛び乗った木の枝から、足を滑らせて落ちた時の傷痕も額に残ってる。


あの時は血まみれの顔で正座して、父上から説教をくらったっけ。



それから走るのも速い。


家臣が乗って走る馬を、ダッシュで追い抜いたこともある。


ただし持久力はない方で、昔は全力で走れるのはせいぜい2、3秒くらいだった。


今はそこらへんは訓練で体力アップと、ペース配分が出来るようになっている。



あと耳も良い方で、隣の部屋で絨毯に落ちた針の音くらいなら聴きとれる。


うるさいから普段は意識しないようにしてるけど。



鼻は遠くの臭いを嗅ぎとれたりはしないけど、意識すればその臭いがどこから流れて来てるのか、みたいなことはわかる。


特に血の臭いには敏感。




こういうのは積極的に活かすべきだと考えて、騎士としての鍛練を始めてからは、大剣を振るう筋力よりも、魔力での身体強化によるスピードの強化を集中して特訓した。


今は身体強化最大で本気で動けば「目に止まらない」と言われる程の動きが出来るようになっている。



ただし持久力は未だにそれほど伸びてない。


魔法の才能もそれほどなく、種火など日常生活用の魔法が3つだけ使える程度。


攻撃魔法や回復魔法なんかは無理。




そういうのもあって僕の剣術は少々異質。


基本鎧着て、盾と槍や長剣構えての真っ向勝負を是とする騎士の剣術に対して、僕のは鎧も盾も無し。


身体能力と強化を生かした素早い動きで相手を翻弄しながら、死角から奇襲攻撃を仕掛けるというもの。


僕の小柄な体格と相まってかなり有効な戦法だと思うし、剣術に関しては足場の悪い所でも戦うことが出来、射程も広く、相手との体格差もカバー出来るので僕は気に入っている。



もしくはそもそも勝負に持ち込まず、相手に気づかれ無いよう潜伏もしくは接近の上、不意打ちで一気に仕留めるというやり方。


騎士ではなく暗殺者か何かの戦い方だとはよく言われたけど、猫の戦い方だと言った人は今のところいない。




あと僕は気配が薄いとよく言われる。


普段から影が薄いとかじゃなくて、物陰などに身を潜めたりするとほぼ全く気配がしなくなるのだそう。


足音を立てずに動くのも得意。



それから僕の髪の色はダークブラウンに所々黒が混ざったちょっと変わった色(コーヒー濃い目で半端に混ぜたカフェオレの色に近い。タヌキの色ではない。前世ではよくいわれてたけど断じてタヌキの色ではない)で、この色も草むらに身を潜めたりするのに役に立つ。


実はこれ、前世の猫だった時の毛の色にそっくりなので、やっぱり何か関係はしているんだろう。


ちなみに今世では母上の髪の色に似ている。


父上と兄上は金髪。




それから考え方も所々猫っぽい。


猫っていうより野性動物かな。


実家にいた時にも魔物討伐や野盗討伐に参加したことがあったけど、初めて魔物を殺した時も野盗を殺した時も全然何も感じなかった。


命を奪ったショックも無ければ、トラウマのようなものも無し。


どうも僕にとっては相手から『危険』や『害意』とかいったものを感じた時点で、その相手は『人間』でも『命あるもの』でもなく『敵』という認識に切り替わってしまうみたいだ。


たとえ相手が何者であっても。



人間としてはちょっと危ない気もするけど、逆に冒険者のような仕事をするには良いのかもしれない。


街のケンカでは無敵だった人が冒険者になって、討伐依頼などで初めてゴブリンなどの人形魔物や盗賊を殺したら、命を奪ったショックに耐えきれずドロップアウトしてしまったとか、よく聞く話だ。

お読みいただきありがとうございます。



主人公の剣術ですが、映画『スター・ウォーズ』に登場するヨーダの戦闘スタイルを想像していただければと思います。


相手の周囲をぴょんぴょん跳ね回って撹乱する戦い方です。


興味のある方は、エピソードⅡとⅢをご覧になってみてください。


主人公の言う長所がある一方で、激しい動きをするために隙も大きい、体力の消耗が激しい、狭い場所では動きやスピードを活かせない、挑発に乗らず冷静な対応が出来る使い手には通用しづらい、などの弱点があります。

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