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メインクーン・ダンス〜異世界しっぽ冒険記〜  作者: オー
ブライダル・パニック
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4. けっこん に ついて

よろしくお願いします。


説明回になります。

この世界の結婚は、平民の場合は特に届け出やら手続きやらがあるわけではなく、単純に本人同士とその家族の同意を得て周囲に「結婚しました」と発表すればそれで成立する。


あとは場合によってはお祝いの宴会なんかをやったりもするけど、冒険者同士なんかの結婚の場合はやらないことも多い。


僕達3人の場合もそんな感じで、今後は誰かから関係を訊かれた時には「夫婦です」と答えるようになるという、それだけの話。


ちょっとお金のある人になると、教会にある程度まとまった額の寄付をして、司祭から祝福を受けたりなんかもしたりする。



一方で貴族や皇族になってくるとこれが一気に複雑化。


彼らの結婚というのは家と家、国と国との関係を作るのが第一の目的。


お互いの家や国の代表者同士で何度も打ち合わせをして、実際に当人同士が顔を合わせるのは結婚式の当日、なんてことも珍しくない。


まずは家の意向が最優先なので、実際に結婚して相手と気が合わなかったとしても、離婚なんてのはよっぽどのことがない限りまずあり得ない。


偉い人というのも中々に窮屈なものである。


ドルフ王国のベルマ王子とアディールみたいに出会って惚れて速攻で結婚を決めてしまうなんてのは、はっきりいって異例中の異例なのだ。



結婚式も場合によっては年単位で時間をかけて準備をするし、来賓の招待や移動などのスケジュール調整、権威付けのために教会に超多額の寄付をして偉い人に来てもらって大掛かりなセット組んで荘厳な雰囲気の中で祝福を受けて、と色々大変。


そして皇族、それも国王や皇太子ともなれば披露宴だけでも数日、下手したら数週間にも及んだりするそうな。


中央の有力貴族であれば皇族に負けないくらい盛大な式をやったりもするらしいのだけれど、地方の貴族であればそんなに式に手間暇かけないことも多い。


実際兄上と義姉上の結婚式もまず領内に発表を行った上で、義姉上実家の人と領民の代表者などを招いて夕方から夜半にかけての宴会、その最中についでのように司祭から祝福を受けるという簡潔なものだった。


もっとも宴自体は盛大なものではあったのだけど。



一夫多妻の結婚については以前説明した通り。


財力がある男性が複数の奥さんと結婚するのは、こちらの世界ではごく当たり前。


付け加えるなら「複数人と結婚する場合は、必ず他の奥さん達の同意を得ること」が暗黙の了解事項であり当然のこと。


一方で、1人の奥さんに旦那さんが大勢、というのはあまり聞かない。


貴族などであれば、政略結婚した人が形だけ旦那さんと夫婦になって、後は愛人囲って好き放題というのもあるらしいのだけど、平民でそういうのは少なくとも僕は聞いたことが無い。


まあそれでも感情のもつれによる刃傷沙汰は後を絶たないらしい。


僕も気を付けなければ。



前世での結婚ではあった指輪の交換なども、こちらではやったりやらなかったり。


指輪に限らずお揃いのアクセサリーなどを身に付ける夫婦がいる一方で、主に冒険者など、仕事の邪魔になるからそういうのは要らないという人達もいる。


僕も何か贈った方が良いかとアリサとユーナに相談してみると、2人揃って「くれるんだったら嬉しいけど、必要って程でもないかな」という答えだった。


まあこれについては焦ることもないと思うので、何か良いものを探しながらゆっくり考えていけばいいかなと思っている。


その一方で奥さん達は2人して「私達からはコタロウに首輪でも贈ろうか」「そうだな、しっかり手綱を握っておかなければ」なんて相談をしていた。怖い。



「とうとう私も結婚か。思っていたのとは随分と違ったが、なにはともあれ一緒になったのだから、皆で頑張っていこう」


「そうだね。これからよろしくねコタちゃん。3人で幸せになろうね!」


「コタちゃんて……」


「タヌキチの方が良い?」


「タヌキじゃないもん!」

お読みいただきありがとうございます。


また、評価、ブックマーク等いただき誠にありがとうございます。



結婚の話が続きますが、人生の一大イベントということでご容赦いただきたく、お願いいたします。

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