エピローグ 1
よろしくお願いします。
拝啓 新春の候、ルシアン伯爵様におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
この度のドルフ王国軍との戦における大勝利、誠に祝着至極と存じ上げます。
小耳に挟んだところでは戦の最中、何やら黒いトカゲが暴れたり敵方の陣中で幽霊騒ぎが起きていたりしたようですが、僕は一切関わり合いの無いことですので、何卒ご承知おきの程、よろしくお願いいたします。
さて、この度僕達は、とあるグランエクスト帝国貴族の方に気に入られまして、畏れ多くもお抱え冒険者に取り立てていただけることと相成りました。
そしていずれは騎士に任命の上、家臣として迎え入れていただける予定となっております。
真に、縁とは不思議なものであると実感しているところです。
そして現在、僕達は貴族の方から依頼を受けまして、暗黒大陸の魔族領へと向かっているところです。
帝国は魔族領とも交易を行っておりましてその関連での依頼になるのですが、向こうではどんな景色があり、またどんな食べ物があるのか、今から不安でもあり楽しみでもあります。
海を越えての旅になるので、もしかしたらお手紙を出すのが少々難しい状況になるかもしれませんが、またご連絡が出来るようになりましたら、お手紙いたします。
皆様にとりまして本年が幸多き年でありますよう、祈念申し上げます。
敬具
お読みいただきありがとうございます。
また評価、ブックマーク等いただき誠にありがとうございます。
次回、最終話となります。




