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14. まじゅう に ついて

よろしくお願いします。


今回は説明回になります。

これまでもちょこちょこ話が出ていた『魔獣』の話をする。



この『魔獣』とは一体何なのかというと、「魔物と違って手懐けることが出来る、魔力を持った獣」と一般的にはいわれている。


では魔物とはどう違うのかというと、はっきりいって「わからない」というのが実際のところ。


確かに事実としてコクルージアンやゴウヌロンやクティルドなどの、馬や牛や巨大なトカゲなどの姿をした魔獣は馬車や荷車を牽いたりして街中を歩いているし、スールーガやグリッカーやチョーコウといった虎や狼や鳥の姿をした魔獣は、乗騎として冒険者や軍人の憧れの的になっている。


馬と違って、敵が近付いてきた時なんかは自分の判断で応戦してくれたりするらしい。



ちなみに買う場合は半端じゃなく高い。


比較的安い魔獣でも、1頭で馬数頭分の値段が普通にする。


レア物の魔獣1頭捕まえて売れば、その後は一生遊んで暮らせるなんて話もある。


自分で捕まえて調教するという方法もあるけど、捕まえるのは非常に危険だし、調教するには専門的なノウハウが必要だしで、どちらが良いかは微妙なところ。



もちろん魔獣にもランクが設定されていて、魔物が危険度で評価されるのに対して魔獣のランクの基準は強さとレア度、捕獲の難易度、乗騎に出来るものについてはその価値と合わせて設定されている。



魔物と魔獣との違いについては色んな説が言われているけど、今のところ決定的なものは無いみたい。


例を挙げると「魔獣は人になつくけど、魔物は人になつかない」という人がいるけど、全部の魔獣が人に馴れるわけではないし、スライムなど人間になついた魔物の例もある。


「名前のとおり、獣の形をしているのが魔獣でそうでないものが魔物」という人もいるけど、僕が先日戦ったシャドウタイガーは魔物に分類されている。


「人を積極的に襲うのが魔物で、そうでないのが魔獣」という人もいるけど、魔物の中にも特に積極的には人を襲わないものもいる。


結局のところ、はっきりとは分かっていないというのが実情だ。


僕なんかは「最初に分類しようと思った人達が、なんとなくで適当に分けていったのを、そのまま使ってるだけなんじゃないか」とか思ったりしてるんだけど、さてどうなんだろう?



ちなみに分類したのが誰かというのも、はっきりとは分かってない。


冒険者ギルドが創立されて世界に広まった頃にはもう今の形であったみたいだから、ほぼ間違いなく創立者達だろうといわれてはいる。


分類者の名前と、分類の基準くらいは遺しといてくれてもいいものをと、それくらいは思ってもバチは当たらないと思う。




おまけ話


魔物は現在もちょくちょく新種が発見されている。


見たことの無い魔物が確認されると、まずは冒険者から最寄りの冒険者ギルド支部に報告。


続いて冒険者ギルド支部から本部に連絡が行き、本部に保存されている記録と照合されて、情報が無ければ新種として命名、登録されて各ギルド支部に情報が送られるという仕組み。


そして新種に関しては全て魔物として登録される。


どう分類すればいいのか分かってないんだから、当然といえば当然か。


そして新種を発見した人には、褒賞金のようなものが贈られるらしい。



新種が新しく魔獣として登録された例は無いという話は、以前実家で聞いたことがあった。


ギルド本部の資料庫が一体どんな風になっているのか、1度くらいは見てみたいものだ。


特に食べられる魚の魔物関係とか。

お読みいただきありがとうございます。


また、評価、ブックマーク等いただき誠にありがとうございます。



お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、本作の魔物と魔獣の設定については、小野不由美大先生の著作を参考にさせていただいております。


まさか読んではおられないだろうとは思いますが、この場をお借りして御礼申し上げます。



魔物と魔獣の名前での区別ですが、ゴブリンやワイバーンなどの他ホーンラビットやシャドウタイガーのようにわりとシンプルな名前になっているのが魔物、ゴウヌロンやコクルージアンのように無駄に凝った名前になっているのが魔獣です。

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