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11. あなぐら の しゅうげき

よろしくお願いします。


残酷な描写があります。


ご注意ください。

洞窟内は薄暗く、あちこちに明かりは灯されていたけどまだ煙がこもっていて視界は良くない。


足音を忍ばせ、ゆっくり警戒しながら通路を進んでいくと、少し奥に入った先にちょっとした広場になっている場所があり、酒の瓶や食べ物が散乱していた。


ここで宴会をしていたらしい。



うめき声が聞こえたのでそちらに目をやると、隅の方に男が2人倒れているのが見えた。


1人はうめき声を上げているけど、もう1人は完全に気絶してるのか動かない。


どうやら他の男達が逃げる時に突き飛ばされて頭でも打ったか、転んで踏みつけられたというところか。



これで8人。


こいつらは頭と副頭……って感じではないな。


ということは見張りの話通り、頭と副頭は洞窟の最奥か。


異常事態を報告にいこうという殊勝な奴や、状況を確認しようとする冷静な奴はどうやらいなかったらしい。


にしてもその2人、一向に出てくる気配が無いけどこの騒ぎに気づいてないんだろうか?



僕は動かない方の盗賊にとどめを刺し、うめき声を上げてる方の肩を掴んで揺さぶりながら声をかける。


「おい、しっかりしろ!大丈夫か!?」


「う……あ、ああ……お前……?」


「しっかりしろ!お頭はどうした?」


「副長と……女と、奥に……」


「奥に?まだ出て来てないのか?」


「わかんねえ……」


「わかった、ありがとう」


僕は仲間のふりをして頭と副頭の居場所を聞くと、一応お礼を言ってから剣で盗賊の首をかっ切った。



やっぱり高級戦利品の女はまず頭と副の物か。


てことは今頃は行為に夢中で、それでこの騒ぎに気づかなかったのか。


マリーノさんとアンナさん、悪いけどもう少しだけ頑張って。




頭に叩き込んだ見取り図を思い浮かべ、周囲を警戒しながら洞窟の中を進む。


略奪品がため込んであった部屋は後回しにして、まずは一番奥へ向かう。



その後特に襲撃を受けることも無く、首領の部屋の前に到着した。


部屋といっても、少し通路幅が狭くなってる所に衝立を置いて、そこから先を首領の部屋ってことにしてるみたい。


衝立の奥からは男の荒い息と下卑た笑い声、女性の押し殺すような泣き声が聴こえる。


臭いについては意識しないようにしてる。


誰がこんなの好き好んで嗅ぎたいものか。



洞窟のかなり奥の方にある部屋なので、声も煙も届き難かった様子。


声は反響とかしなかったのかな?


女性の体に夢中で気づかなかったか。


見れば煙もかなり薄くなっている。


考えてみればこの洞窟、入り口から奥に向かって全体的に緩やかな下り坂になっていた。


だから煙もあまりここまでは届かなくて、気づかれることもなかったのか。


しかも僅かだけど、奥から風が吹いてきてるみたい。


おそらく空気の通り穴か何かがあるんだろう。



気づかれないよう注意しながら衝立の隙間から覗いてみると、部屋の床には布が敷いてあって、その上に男2人の女性2人。


男1人は僕の方を向いて、中年くらいの女性の上でせっせと腰を振ってる。


こちらの女性がマリーノさんかな。



もう1人は奥の方を向いて、泣きながら怯える裸の女の子にズボンを下ろしてにじり寄ってる。


こっちの子がアンナさんか。



男はどっちが頭でどっちが副かはわからないけど、まあどちらにしろ今は両方とも隙だらけ、というわけで仕掛ける!




「シャァアッ!!」


衝立を蹴り倒すと同時に室内に突入。


「へぁっ!?」


「ひぃえ!?」


こちらを向いて女性の上で腰を振っていた男の、絶頂間近で大きく開いた口に剣を突っ込む。


続いて固まっているもう1人の男の頭に、引き抜いた剣の腹をフルスイング!


でも僕の力じゃ威力が足りなかったみたいで、吹っ飛びはしたけどまだ意識はあるみたい。


頭を押さえながら立ち上がろうとする男の頭をおもいっきり蹴り飛ばし、再び倒れたところを何度もドコドコドコと蹴りまくる。



盗賊が昏倒したのを確認した僕は、シーツの上で固まっている女性2人に向き直って軽く手を上げた。


「どーも!失礼します!」

お読みいただきありがとうございます。


突入の際に主人公は持っていたボウガンを使いませんでしたが、主人公の持つボウガンは素人の手作りのため、はっきり言ってかなり命中精度に難のある代物です。


万が一にも人質に当たったりしたら一大事のため、使用を避けたというのが理由です。


ボウガンについては、詳しくはまた別の機会に主人公から解説があるかと思います。

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