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猫ルストのツンデレが激しい&素直になれない

久々なので簡単な登場人物紹介


ホッキョクグマ・ヴィティ

ヒロイン。白い。前世は人間。名前は斎藤真冬。

本当は刺されても生き残るはずだったが、ルストによって未来を変えられた。御使いからの加護という名のプレゼントをたくさんもらっている。

実は獣化できない。


サビネコ・ルスト

ヒーロー。前世の記憶あり。金目。

ダクになりかけたが真冬によって踏み止まった。

番を手に入れるために、御使いと契約して死神になる。様々な知識を御使いから授けてもらった。

実は他のネコ獣人にヴィティに近づくなと宣言している。



最初ヴィティ視点、後半ルスト視点。

 夜も更けてあとはもう寝るだけなので、ベッドの上でルストを待つ。

 番になってからルストとは毎日一緒に寝ているんだけど、たまにルストは私にご褒美をくれる。


 部屋の扉が開き小さい三角のお耳がちらりと見えた。


「みゃひゅぅ」


 そう。ルストは三回に一回くらいの割合でサビ猫の姿になって一緒に寝てくれるのだ。この時は私が寝るまでモフモフモフモフする事が出来る。


 顔がニヤけないようにしつつ、本を開いて読書中を装う。

 猫ルストは目が見開いたびっくり顔で扉から顔を半分出し、部屋の様子を伺っている。

 この時、猫ルストを凝視すると引っ込んでしまうし、抱き上げるとぬるぬる動いて腕から逃げてしまう。


 柱や家具にスリスリしながら、猫ルストがじわじわとベッドに近づいてきた。

 何故か猫の姿の時は警戒心が人一倍強い。


「ルスト」


 ベッドを軽く叩いてルストが寝られるスペースがある事を教える。こうして呼ばないと絶対にベッドに上がってこない。


「みゃー、んるみゃ!」


 鳴きながらジャンプしてふわりとベッドに飛び乗ってきた。心なしか鳴き声も弾んで聴こえる。

 どうでもいいけど、猫がベッドに乗った時、重みでシーツが少し沈み込むその光景だけで可愛い。猫の足の小ささがより強調されるというか。

 猫にとってはベッドが柔らか過ぎて少し歩きにくそうなのもたまらない。


 そんな事を考えていると、猫ルストが私の太ももに前足を乗せた。

 まっ、まさか、今日は膝の上でモフらせて頂けるのでしょうか。


 だけど、ルストはそのまま私を跨いでベッドに寝転がった。特大の「ふぅ〜〜〜〜」という鼻息と共に。

『やれやれヴィティが呼ぶから仕方なく一緒に寝てやるか』感がありありと感じられる。

 あと、私を踏みつける必要性あったかな。そこに寝たかったのなら、ベッドに飛び乗った時に真っ直ぐ歩けば最短距離。私を跨ぐためにわざわざ蛇行したのだろうか。


 でも、モフッた後、寝ている私にルストがうにゃうにゃ言いながらスリスリしている事を知っている。

 ゴロゴロ音って骨伝導なのかとても響くよね。しかもルストの喉を鳴らす音は大きいため、確実に目が覚める。

 ここで目を開けてしまうとルストはロケットのようにベッドから飛び出して床に華麗に着地し、『ずっと毛づくろいしていたが?』みたいな態度で前足を舐め出す。


 起きている時は顔にスリスリは絶対にやってくれないので、私は寝たフリを続ける。


 ルストは猫の姿の時はツンデレ度も増すらしい。

 人の姿の時は、外だろうとお構いなしに私を抱き上げたりスリスリしたりするのに。






 ◆ ルスト視点





 別にヴィティに撫でられるのは嫌いじゃない。

 番に触ってもらえる。それだけで溢れんばかりの歓喜に包まれる。


 だが、ヴィティは俺が猫の姿の時の方が積極的だ。

 人の姿の時は二人きりでもせいぜい俺の隣に座るだけでそれ以上触れてこない。

 俺が手を握ったり抱きしめたりするだけで頬を染め、舐めたら真っ赤になって腕の中で暴れてしまう。


 それが獣化して猫になると目の色が変わる。若干鼻息も荒い気がする。


 ある日、猫のまま寝室に入ったら残像が見える程の素早さで抱き上げられた。

 前世ヴィティは猫の世話をしていただけあって抱き方が上手い。片腕で俺の後ろ足を支え、もう片方の腕で俺の体を包み込むように固定してくれる。

 仰向けで抱いたりしないので安定感と安心感がある。


 だが、これはダメだ。


「みっぎゃあ!」

「ルストどこ行くの⁉︎」


 俺はこの日、部屋を飛び出し一晩中クティノスを走り回った。


「にゃおーーーーーーん!」

(胸がぁーーーーーー!)


「みゃららぁーーーーーーん!」

(柔らかかったーーーーーー!)


 ちなみにこの雄叫びはクティノスにいるネコ族全員に聞かれていて、ネコの集会時に盛大に揶揄われる事になる。


 番になった以上ヴィティとは口付け以上の事もしている。

 だが、そういう目的で触る時と、不意打ちで触れてしまった時とでは訳が違う! ミルクトレッド(ふみふみ)しそうになっただろうが!


 抱き方が上手いのも、撫で方がとてつもなく気持ち良く、結果されるがままになってしまうのも、俺以外のたくさんの猫で実践した成果だと思うとそれだけで腹の中からドス黒い感情が溢れてくる。


 だからたまに猫の姿となりヴィティと一緒に寝る。ヴィティの中にある他の猫の記憶を上書きするためだ。俺が一番だと思ってほしい。


 だが、どうしても人の姿の時のようにできない。素直になれない。

 いくら猫の姿が愛らしいとはいえ、中身は俺だぞ?

 弱点である腹を曝け出し、高い声でみゃうみゃあ鳴いているのは、あとから冷静になると悶絶ものだ。


 でも撫でられながらヴィティに絶賛されると、つい返事をしてしまう。


「はぁ。ルストの毛並みふあっふあっ」

「んにぃ」

「肉球もプニプニですね〜」

「あみゃぁ」

「黒と白の二色のお髭も長い尻尾も素敵」

「にゃふー」

「お顔は黒が多めで、お腹は薄茶の綺麗な縞模様。マーブルカステラみたい。可愛い〜」

「ににゃ⁈」


 ちょっと待て。最後の可愛いはなんだ。

 しかも俺の腹に顔を埋めて深呼吸し出したぞ! さっき頭と肉球も嗅いでただろ!


 俺もヴィティの匂いを嗅ぐがここまで激しくないし、長くない! …………たぶん。





 ちょっと耐えられなくなったので獣化を解いて人の姿に戻った。


「ルルルルルルルルストっ! はっ、はだかぁ!」

「何を驚いている。獣化している時はいつも裸だ。その裸の俺の全身を撫で回し、匂いを嗅いでいたのはヴィティだぞ」

「それは猫だから! 人だと私が変態みたいじゃないですか! あと匂いを嗅ぐというより吸っていました!」

「吸う?」


 俺は何か吸われていたのか。減っている感じはないが。


「なら、今度は俺がヴィティを吸ってもいいよな?」

「へ? 待って、熱っ! くすぐったい!」


 馬乗りになっていたヴィティを押し倒して、さっきやられていたようにお腹に顔を埋めて思い切り深呼吸した。

 こっ、これは、普通に嗅ぐよりヴィティの匂いがより堪能できる気がする!


「なるほど。だが、布が邪魔だ」

「脱がさないでーーーー!」


 この日から俺はヴィティをモフる楽しさを知った。


他の登場人物紹介


トリ・トミスラフ

種類はオカメインコ。黄色い髪、黒目。後ろ髪が跳ねている。機嫌が良いとさらにくるくるになる。

門番。情報通。おしゃべり大好き。ハリネズミ・ラティーファの番。

実はヤンデレ。


ハリネズミ・ラティーファ

ドレッドヘアのような細い束になった髪。髪を洗っても乾くと自然と束になる。

開発部の部長。これはただ単に一番年上だったから。努力家。小さい事を密かに気にしている。

実はハリネズミってモグラなんだよ。



カンガルー・イザベラ

アカカンガルー。狩人組合の受付。茶髪。耳が長い。尻尾太い。態度が悪い奴は尻尾で制裁。

実は「受付ちゃんに蹴られたい、踏まれたい、吹き飛ばされ隊」が結成されていたが、トラにより壊滅している事を知らない。


トラ・フローロヴィ

アムールトラ。オレンジがかった金髪。黄金の瞳。

大型種に分類されるのでかなり強いが、番のイザベラに触れてほしいからわざと蹴られている。

実はイザベラより年下。



明日も投稿します。

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