本社へ移動が決まった夫を妻が喜んだのは…(200文字小説)
突然だった。本社への移動を命じられたのだ。
「良かったじゃない!」
妻は満面の笑みを浮かべる。
「準備が大変だ。取り敢えず、社宅に入ることになる」
「簡単じゃない。あなたの荷物なんて大したことないし」
「えっ? 俺だけ?」
「決まってるでしょう! 私たちは行かないわよ。学校のこともあるし」
結局、単身で赴任することになった。
夫が居なくなると妻は若い男を家に連れて来た。
「新しいパパよ」
妻は若い男を子供たちに紹介した。