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Prologue of Plologue
太陽が地面を焦がす八月、欧米のとある国。
「あち……」
レオン=クリオールの頬を汗が伝った。
「よおレオン! 調子はどうだ?」
「見りゃ分かるだろーが。相変わらずだよ」
レオンは魚の入った網を掲げ、苦笑いを浮かべる。
両親のいない彼は物心ついた頃から祖父母に育てられていて、少しでも迷惑を掛けない様にと自ら漁場で働いていた。
太陽を見上げ、レオンは一つ溜息をつく。
「ちっ、この暑さじゃ魚がダメになっちまう」
レオンが再び前を向き歩き出そうとしたその時、ふと辺りは日陰に覆われた。
先程までの暑さは鳴りを潜めて風が吹く。
再び真上を見上げると、レオンはそれを視界に捉えた。
『モンスター』
衝撃と混乱の入り混じる頭の中でそれを表現するには、それが最も相応しかった。