身なりが派手な人
・・・・・・・・・
「ついにとらえたぞ!」
・・・・え?
パッと目を覚ますと、私はなぜか円柱の柱に体を縄で縛りつけられていました。
足は動くようになっていますが、胴体をきつく縛られているせいで、全く動けませんでした。
・・・・それより・・・ここはどこでしょうか・・・・?
「ほう・・・・これが記憶のCDカードってやつか・・・」
身なりが派手な人が、真ん中に円い穴が空いている円い物を持ち上げて見ていました。
・・・・・そうだ・・・・。
私はあの、カードで記憶を取り戻したのです・・・・。
確か・・・「佳織」とかいう友達の記憶で・・・・。
・・・・・・ん?
あれ・・・・なんか佳織って聞いたことがあるような・・・。
「放してくれ!そこの女!」
祥明が体を動かしながら叫びました。
・・・・どうやら、祥明も縛られているようです。
すると、祥明の声を聞いて、あの身なりが派手な人がCDカードを手に持ちながら振り返りました。
「なんだって?あんた、ずいぶん失礼だね?」
・・・・その派手な人はなぜだか知りませんが、髪が長く白い人でした。
しかも、ずっと顔の前に風をあてられているかのように髪が変な風に固まっていました。
つり目の瞳は明るすぎる青色で、その目にはなぜだか自信にみなぎっていました。
それなのに、濃く太い眉はつりあがっていて怒っているようにも見えました。
「あんた、名前は何て言うんだ?」
その人は祥明に訊きました。
「祥明」
「ほう・・・・しっかり覚えておくぞ、あんたの名前」
そう言って、なぜかその人は自分の左腕を見ました。
すると、どこから出てきたのか、いつの間にか名前ペンを持ってきて腕に書き入れました。
その後見たのですが、その人の腕には祥明の他にたくさんの人の名前が書いてありました。
「うっ!」
私は驚いて、声のした方に顔を向けました。
すると、祥明が白目にして気絶していました。
きっと、あの人に名前を書かれた人は気絶してしまうのでしょう・・・。