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出会う


「どうしよう・・・。」

聞き込みをした全ての人がこの土地のことを「アリエンタの支配下」と言っています。

誰ですか・・・アリエンタって・・・。

そして・・・ここは結局・・・どこでしょう・・・?


そしてそしてそして・・・・私は・・・誰なんですか・・・?

三つの疑問が頭の中をぐるぐる回ります。

・・・なんだか惑星みたいですね・・。


「あっ!」


私は目の前の人に聞こうと思いました。

相手は私に気がついていないようです。その人は巻物にした地図を昔の日本の人が刀を腰につけたように、

腰につけていました。そしてなんだか旅人のようなかっこうをしています。地図とともに腰につけている

かばんの中から方位磁針が出てきそうです。


私は地図もないし、方位磁針もないし、かばんもないし、旅人のようなかっこうをしていません。

この人に聞きこんだ方がよさそうです。

今までの人は何だったのでしょうか?


「あ・・・あのう・・・。」


「はい?」


その人はやっと私に気が付いたようです。

私のいる後ろへ振り向きました。


「あ・・あなたの名前は・・・・?」


私は今まで聞きこんでいた人全員が「忘れました」と言っていた質問をしました。

その人は怪訝な顔をしました。


「何ですか・・・?それを聞いて得なことあるんですか・・・・?」


(怪しむのも当たり前だよ・・・)

しかし他の人たちはこんなことをしませんでした。この人は他の人とは違うようです。


「いや・・・何にも得はありませんが・・聞きたくなったので・・・・。」


「・・・・ふうん・・・。」


その人は考える人のように顎に手をあてました。


「まあ別にいいが・・・俺は祥明よしあき。」


「よしあき・・・。」


初めてです。やっと自分の名前を言える人は。


「それで?聞くことはそれだけか?」


祥明はどうやらやることがあるらしく私をせかしました。

まったく・・・喜びに浸していたのに。

まあいいです、本題はこれから・・・!


「え、あ、それよりここはどこなんですか・・・?」


「・・・・ふうん・・・・。」


祥明は顎に手をあてるのが癖のようです。


「ここの人は、『アリエンタの支配下。そしてアリエンタはすばらしい人。』と言っているようだが。

 俺はそうは思わない。なんだかわざとらしいような気がするんだ。」


(わざとらしい?)

確かに聞き込んだ人たちは大げさと言っていいほど、アリエンタをたたえていました。

祥明は地図に手をかけました。


「・・これは・・・?」


「うん・・・ここの土地の地図なんだが、古すぎてここが何の王国か分からない。」


確かにほこりのせいか、祥明の言う通り、見えません。

しかし、地図の方はというと奇跡的にしっかりと見えました。


「今、いるところはこ-、」


「うわあああ!」


祥明は言い切れませんでした。


砂嵐が・・・・再び・・・!

またあの悪夢が来たのです。砂のせいで目がふさがりました。

これほど、悪いタイミングはありません。


やっと・・・またやっと・・目の砂が取れると、叫びたくなりました。

祥明の地図がなくなっていたのです。

どれだけ強い砂嵐だったのでしょう・・・・・!?


「・・・・・」


「しょうがない。」


祥明は衣装の砂を払いました。

(このまま、祥明は帰るの・・・?)

当たり前だと思います。さっき、帰りたがっていたんですから。


「あんたについてくよ。」


「・・・え?」


思ってもみなかった答えです。


「え?でも・・忙しいんじゃないですか・・・?」


「それはちょっと前の話。もう・・砂漠になっちゃったんじゃ・・・ね・・・?」


目の前にはあの時と同じ砂漠が、広がっています。

その仕事はオアシスじゃないとできないもののようです。

でもその方がよさそうです。


砂漠は相変わらず、静かです。


「そういえば・・。」


「?」


砂漠を見ていた祥明が、私の方に向き直りました。

(え?何??怖い!?)


「そういえば、あんたの名前は・・・?」


そりゃあそうです。聞けば聞き返すのが常識です。


「・・・それがですね・・・覚えていないんです・・・。」


「・・・・ふうん・・・・。」


普通、驚くところだが、また祥明は顎に手をあてました。


「興味深い・・・。」


「・・・え?」


私は少々驚きました。祥明は何かを調べているようです。


私と祥明は砂漠へ歩き出しました。


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