祥明、見つける
さて、やっと記憶の山を探すことになった。
その前には、あの子がまた若返るという事態が起きたが、なんでかは知らないが戻った。
それで心配してたら、あの子にかなり変な目で見られてしまった・・・。
記憶の山の中から記憶のカードを探して、数時間。
いまだにあのこの(多分)水色の記憶のカードは見つからない。
「・・・・・果たして私の記憶は見つかるでしょうか?」
あのこは弱気になってしまった。
まあ、気持ちも分からないわけもない。
もう、半分あきらめかけているー。
「ん?」
かなり山の下の方になぜだかきらめくものが見えた。
それを引っ張ってとってみると、当然記憶の山が崩れてしまった。
「あああっ!」
「何やってんのよ、祥明」
・・・・佳織・・いやちがった、マディンゴに怒られた。
しかし、あの子は気づいていない様子。
「ふう」
そのきらめいたものは、カードだった。
・・・・水色の。
ただ・・・・・・。
「なによ・・これ、CDじゃん」
マディンゴの言う通り、カードというか、もうCDだ。
しかし、なぜだか分からないが、これはただのCDではないと断言できた。
・・・・なにかが、起こる。
なにかが起こる・・・・はずだ。
多分。
「このこに持たせてみよう。なにかしら、変化が起きるはずだ」
あのこにカードを持たせてみた。
「・・・・何も起きませんが・・・」
「おかしいなあ・・・」
今、感じた確信は何だったんだろう・・・。
あのきらめきはなんだったのか・・・。
「・・・ただ少し温かかったぐらいだよ、感じたのは」
「うーん・・・それだけなのか・・・・」
そんなの変化にあてはまらない。
・・・・もっと探すか・・・。
他のものが見つかるかもしれない・・。
「祥明?・・・・祥明・・・?祥明・・・・?」
「ん?何だ?」
そう言いながら、動かす手はやめさせない。
なんで、そんな呼んでるんだ?
「祥明、あの子・・・また若返ってるわよ」
え・・?
俺はやっと顔を上げた。
そこには体を震わせながらCDを持っている幼女がいた。
この外観だと、4、5歳ぐらいか・・・?
本当に・・・この子はあの子なのか?
「祥明、どうにかやめさせられないの?」
「あの子どんどん初心に戻ってる気がする・・・」
と、とりあえず、横にあったまた同じような赤いCDカードを見つけた。
「これは?」
「それでどうするのよ」
・・・・・またそれはただのCDじゃないの?と疑っている目で睨みつけられた。
・・・本当に冷たいなあ・・・。
「これを持たせてみたら?」
俺は持ちながら気絶しているこの子の手から、水色のCDカードを取り、代わりに見つけた赤のCDカードを差し込んだ。
「つめたっ・・・つめたっ・・・冷たいいいいいいっ!!!!!」
彼女は差し替えられて早々につぶやいた。
意識は取り戻したが、目は開けてくれない。
しかも、元の姿に戻らない。
「冷たいんだってっーーーーーーーー!!!!!!」
その一言で、目の前に風が吹き、目の前が水色に・・・そして
・・・・・真っ白になった。