記憶のカードを探す
・・・・ついに私たちは記憶の山に着きました。
途中、人影にはおびえたのですが、結局人影は襲ってきませんでした。
ただ・・・・。
「・・・大丈夫か?」
「はい」
「本当に?」
「・・・・・本当です」
少しイラつくを覚えるくらいに祥明とマディンゴは心配してきました。
そんなに私は様子がおかしかったのでしょうか?
先ほどまでは二人とも気が付かなかったというのに・・・。
「さて、探そうか」
「はい」
「ええ」
私達は記憶の山から記憶のカードを一枚一枚取り出し始めました。
それはかなりの地道な作業で大変でした。
しかも、出てくるものは全てゴミのようなものばかり。
「・・・・・果たして私の記憶は見つかるでしょうか?」
「まだそんなの、分からないよ」
マディンゴが励ましてくれましたが、私はかなり不安になりました。
私の記憶のカードらしきものはまだ一つも見つかっていません。
本当に見つかるのでしょうか・・・。
この作業はただの無駄では・・・?
だんだんとそう感じるようになりました。
「・・・どうしたの?手動かさないと」
マディンゴが分別しながら、私を心配してくれました。
ただ・・分別というよりかは、「いらないもの」にカードを積み上げているような作業になっていましたが。
「・・・・・水色のカードあったけど」
「ええ?!」
マディンゴがすぐに反応して祥明の方にかけよりました。
「なによ・・これ、CDじゃん」
マディンゴが残念そうに言いました。
「これは『ゴミ』よ、ゴミ!!『いらないもの』の山に積んでおいてよ」
「でもこれはただのCDではないはずだ」
なぜ祥明はそう言ったのでしょうか?
私が見ても至って普通のドーナツ型の水色のCDだというのに。
このどこが『記憶のカード』なんでしょうか?
「このこに持たせてみよう。なにかしら、変化が起きるはずだ」
祥明は、私にそのをCD持たせました。
「・・・・何も起きませんが・・・」
「おかしいなあ・・・」
「やっぱりただのCDよ」
そのCDはただ持っても体温よりも温かった・・・と少し感じたぐらいです。
やはり、マディンゴの言った通り、ただのCDなのです・・・。
「・・・ただ少し温かかったぐらいだよ、感じたのは」
「うーん・・・それだけなのか・・・・」
「そうだよ・・・そう・・・。」
・・・・そうだよの敬語ってなんだったっけ?
・・・・ケイゴって何?・・・それおいしいの?
「・・・・・・・・・・・・ねえ、CDがふるえてる気がするけど」
CDは見るからに小さく動いている。
・・・・CDってそんなんだったっけ・・・。
CDってなんだったっけ・・・。
でも祥明は顔をあげない。
「祥明?・・・・よしあき・・・?ヨシアキ・・・・?」
ヨシアキって・・・誰?
「ん?何だ?」
「祥明、あの子・・・」
マディンゴがあの男の人に耳打ちをした。
小声でよくわからなかった・・・。
・・・・・・・
「マディンゴ?・・・・までぃんご・・・・・佳織?・・・かおり・・・・カオリ?」
この女の人の名前ってなんだっけ・・・。
マディンゴ・・・・カオリ・・・・。
でもだれ・・・・だれ・・・・?
あたまが・・・いたい・・・・。
「何よっ!!」
女の人はおこってた・・・。
なのにわたしを見て、なきそうになった・・・。
・・・・・なんであの女の人と男の人はわたしをみてびっくりしてるの?
だれなの?
ねえ・・・・ねえ?!