歪みの道
よく考えるんだ俺。
目の前にいるお姉さんが李亜?
それならさっきまで話していた
ルックスロリは誰だ?
頭の上にクエスチョンマークが
浮かびまくる中、李亜と名乗る
お姉さんは深いため息をついた。
「これから仮とはいえここに住まわせてもらうのです。少し悪魔のことについて説明しましょう。」
静かに右手で心臓へと手を当てた李亜は
反対の手で俺の身体に触れた。
李亜の手が触れた瞬間、
ふわっと身体が浮き上がる様な
なんとも言えない感覚が襲ってきた。
反射的に目を閉じた俺が
恐る恐る薄目を開けると
そこは、見たこともない世界だった。
「は!?ここ何処だ?」
空は紫色をしていて全体的に
薄暗い印象?ここは外だよな。
人影は全くなく、森の中の
小道のようなところだ。
「ここは歪みの道です。」
声が聞こえ、上を見上げると
大きな黒い翼で李亜が羽ばたいていた。
す、すげー。本当に悪魔なんだな。
「歪みの…道?」
「はい、この歪みの道はあなた方の住む人間界、そして天使や神の住まう天界、そして私の住んでいた魔界へと繋がっているのです。」
「三方向に分かれているのか?でも道は1本しかないぞ?」
「道は1本しかございません。ですがこの道を通じ、魔力を持つ者達は各世界を行き来するのです。」
なんだか、今更実感が湧いてきた。
異世界感凄いな。
「それで、この歪みの道が何なんだ?」
「私がさっき天界から追放されたって言ったの覚えてますか?」
そういやさっきそんなこと言ってたな。
だけど、こいつは悪魔だから魔界に
住んでいるんじゃないのか?
「そうなんですよ、私が追放されたのは魔界じゃなくて天界なんです。」
心が読めるのか何なのか。
李亜が俺の心の中の質問に答える。
ん?いまいちよく分かんないぞ。
「どういうことだ?」
「まあまあ焦らず聞いてくださいよ。」
李亜はゆっくりと語り始めた。




