リアル鶴の恩返し(仮)
何故か悪魔?と共同生活を
突然送ることになってしまった俺。
「とりあえず、李亜は悪魔なんだろ?いまいち納得出来てないんだけど、なんか証拠的なのないのか?」
そんな突然悪魔とか言われても
誰も信じるわけないじゃないか。
女子トイレに入ろうとしてる
変態なおっさんが、
何もしようとしてませんよ、
って言ってるレベルで
信じられねーよ。
もはや意味不明に近い例えを
1人で頭の中で繰り広げる俺。
少し悩んだように小首を傾げ、
しばらく固まっていた李亜だったが、
何かを思いついたようだ。
「柚樹さん?でしたっけ?あなた、好きな女性のタイプはありますか?」
「は?」
あまりに唐突過ぎる質問に、
俺は唖然とする。
その質問になんで答えなくては
いけないのか理解できないが、
別に自分が答えても
まったく不利にはならない。
「そうだな。黒髪でお姉さんタイプな人かな。」
なんでこんなルックスロリに
性癖暴露してるんだろう。
李亜は鼻で笑うと、
「では、私がいいと言うまで目を閉じていてもらえますか?」
「え?あぁ、分かった。」
今のところまったく状況理解が
出来ていないのだが、
まあ、閉じろと言われたのだ。
大人しく閉じておこう。
「こうか?」
「はい。」
俺が目を閉じてしばらくすると、
下から舞い上がる様な風が
突然部屋の中に吹いた。
あれ?窓は開いてないはずだが。
不自然に思ったがなお、
俺は目を閉じ続ける。
「終わりました。目を開けてください。」
李亜の声が聞こえ、
それを合図に静かに目を開けた。
目の前に立っていると思っていた、
ルックスロリの姿はどこにも
見当たらなかったのだが、
変わりに美人なお姉さんがいた。
「ん??!」
混乱した理由は2つ。
先程までの李亜の様子が
どこにも見られなかったこと。
もう1つは……。
このお姉さんめっちゃ好み。
「あ、あの、お名前…」
あまりにタイプにドンピシャで
俺は思わず名前をたずねる。
あれ?そう言えばさっき、
好みの女の人を李亜に伝えて…、
「李亜ですよ?ロリコンさん。」
はぁ?




