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入学式

 俺たちは武道館の舞台の裏の暗くひっそりとした場所で入学式を迎えた。


2000年度M大学入学式は盛況に行われた。学長の挨拶を終え、OBによる大学校歌が熱唱されていた。熱気と舞台の脇からこぼれでる光から、入学生達の希望に満ちた眼差しが想像できた。俺とケイゴはそんな最中、ぽつんぽつんと離れて座る数人の舞台裏の住人として、入学式を迎えたのだった。


「鈴木、いる?」

ケイゴはラッキーストライクを一本箱ごと差し出し俺がいやいいと言うと、自分の口に持っていきタバコに火をつけた。

「鈴木さぁ、サークルとか入る?入るなら一緒んとこ入んない?」

入学式は同じ日ではあったが、ケイゴは二部で合格したため同じサークルに入れるかわからなかった。

「まだ考えてない。」

俺がそう言うと、ケイゴは

「鈴木冷てえな。」

と言って携帯電話を上着のポケットから取り出し画面を見つめた。

ケイゴは同じ高校でよく学校をさぼったりして遊んでた仲だった。同じ大学に入ることを知り前日に連絡を取り待ち合わせたのは良かったのだが、何でか知らないが舞台の裏に席を取り、俺もその言うとおりにしたため、入学式はスピーチと熱気からしか感じとることができなかった。

入学式を終えると入学生は校舎に行き何やら学校案内など書類を受け取らなければならなかった。

校門をくぐると広大なキャンパスが広がっていた。

「でっかくない?これM大?」

ケイゴは携帯電話を操作しながら驚いた反応をした。校門をくぐったあたりは入学生であふれかえっていた。新入生を歓迎する看板があり、学生服を着た応援団らしき集団がありサークルを勧誘するブースがいたるところにあった。

そんな人混みの中二人で歩いていると、遠くの方から視線を感じた。ヘルメットに白いマスクをつけた二人組が近づいてきたのだ。

「入学おめでとうございます。私たちM大学中核派○×△の田崎と斎藤です。突然ですが中国についてどう考えていますか。まずはこれを読んでください。」

ケイゴはしかとするためかそれともただこの田崎と斎藤とかいうやつらを気にしてないのか携帯電話を操作していた。

俺は田崎に手渡された紙に目を通した。

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