新たなる誓い
昇が扉から出てくる。
そこには、昇以外の全員が揃っていた。
皆体中が傷だらけになっている。
龍牙「どうやら、全員終わったみたいだな。」
レナ「私も修行ちゃんと終わったよ!」
グリーテも微笑みながらこちらにやってきた。
グリーテ「おめでとう。しかし一つ問題が出来てしまった。」
ローズ「問題?僕達はちゃんと修行をこなしたじゃないか。」
皆もグリーテの発言に首を傾げる。
グリーテ「実は近々ブラッティ・ネオ討伐のメンバー選抜があってな.........」
皆の顔つきが一斉に変わり、グリーテを見つめる。
グリーテ「そして、メンバーの方がランク4以上が条件なんだ。」
クリフ「.........!」
ライナ「そんな........!」
ランク4以上がメンバー選抜の条件となると、昇たちのランクは1。
このままではメンバー選抜には入れないということになる。
龍牙「ふざけるな!なんとかしろ!」
カイラ「おいおい、冗談だろ!?」
ローズ「まぁ、僕はランク4だから大丈夫だけど昇たちも今度のブラッティネオ討伐にはかなりの戦力になるはずだ。」
グリーテは少し考える。
グリーテ「ではとりあえず、ランク4にまでどうにか昇格してもらうしかないな。」
龍牙「それしか手がないなら早くしろ!」
グリーテ「いや、まてランク2昇格試験は今から一ヶ月後だ。」
皆は少し残念そうな顔をしたが、同時に少しホッとしたような顔をしていた。
カイラ「俺は今ランク3だからそこまでは試験には参加しない。」
そこでひとまずは、昇達は傷を癒すため帰ることになった。
―――――――――――
その日の帰り道
レナ「昇!昇の修行はどんな感じだった?」
昇「あぁ、いや.........」
昇は今からブラッティ・ネオ討伐のメンバー入りを目指している仲間にあのことを言いたくなかった。
レナ「どうしたの?」
龍牙「やめておけ。あまり修行の事は話すな。」
龍牙は昇の気持ちを察してくれたのかレナを止めた。
クリフ「まぁいいじゃあねぇか。」
レナ「...........うん。」
レナも仕方なく口を閉じた。
その時、昇が皆の前に立って口を開いた。
昇「あの.........言いづらいんだけど俺はしばらく一人で修行する。もちろんこれから一ヶ月間。」
皆の様子が変わり、驚きを隠せない。
レナ「なんで!?」
龍牙「そうか............なら俺達全員一人一人で修行することにしよう。」
龍牙はすまして答えた。
他の皆はあまり納得いかないようだ。
レナ「皆でやった方が絶対いいよ!」
ライナ「そうだよ!なんで一人でやるなんて言うの!?」
昇は少し困った顔をしてしばらく沈黙する。
昇「..............理由は今は言えない。けど、皆なら一人でも大丈夫!」
龍牙「その通りだ。今はどうこう言う時ではないからな。一人の方がやりやすいと昇が言うんだ好きにさせてやれよ。」
レナは悲しそうな表情を浮かべて黙ってしまった。
ライナ「分かった。私も一人で頑張る。」
クリフ「俺もだ。一ヶ月後にまた強くなって会おうぜ!」
レナは少し俯いたまま何も言わずに黙っていたがライナが肩を叩くと同時に頷き笑顔を見せ、
レナ「私も一人でも修行頑張る!でも絶対強くなって会おうね!」
そうして皆は頷き帰っていった。