生死の力!究極奥義 神王波
やっとの投稿〃
昇の扉
薄暗い部屋の中で昇は何かと向き合っていた。
昇「なぜ!?お前がここにいるんだ!」
昇が言葉をかけると、それが答える。
?「少しお前の中から抜け出してグリーテに頼んだんだ。貴様を倒すためにな!」
昇「くっ!そういうことか、サイトリコ!」
そこにいたのは白銀の鎧を身に纏った第三時の鬼人サイトリコだった。
サイトリコ「覚えていたか、無論忘れているとは思っていないが。時は不思議なものだ。例えどんなに印象深いことも時と共に薄れる。」
昇「何がいいたい.......?」
昇がサイトリコを睨みつける。
サイトリコ「今の貴様には気迫がない。あの時、私を倒した時のお前はそんなものではなかった。」
昇「なら、試してみろ!俺の力を。超奥義 超念体光術!」
ボワァアアァアア!
昇の体を光が包み、髪の毛が少し逆立つ。
サイトリコ「力は使えなくては意味がない。例え、どんなにその力が強くとも。」
サイトリコはじっと動かずにこちらに向かって立っている。
昇「この前のグルーとの闘いでは、この技の真価を見せてない!見るがいい。超念体光術 爆型!」
すると、昇の目が赤く光り輝く。
その瞬間!
凄い速さで移動してサイトリコの後ろに回り込む。
サイトリコ「なに!?」
昇「くらえぇえええ!」
昇は巨大な念力破をサイトリコに撃ち込む。
ドガァアアアアア!
物凄い爆風が吹き荒れて昇も吹き飛ばされる。
昇「や、やったのか?」
昇が砂埃の中を目を凝らして見ていると影が現れる。
昇「チッ!まだ駄目か。さすがに簡単には倒せないな。サイトリコ.............」
砂埃の中から現れたサイトリコは口を開けて口から念力破を繰り出す。
昇「なんだと!?」
昇が素早くそれを避けると、サイトリコの姿が消えていた。
サイトリコ「馬鹿め!貴様はすぐに惑わされ過ぎなんだ。」
サイトリコは昇の背後に回り手で昇を弾き飛ばす。
ズガァァアアアア!
昇「ぐわぁああ!」
昇は倒れる。
サイトリコ「どうだ?これでもまだ言えるか?力が使えていると。」
サイトリコは昇に問い掛ける。
しかし、昇に返答はなくその場に倒れ込んでいるだけ。
サイトリコ「なんだそのまねは?熊じゃあるまいし。死んだふりが通用するとでも?」
すると、昇は笑い出し言う。
昇「これでも力は使えてないって言えるか?」
サイトリコ「なんだと?どういう意味だ!?」
サイトリコが昇を見つめていると、昇が立ち上がった。
昇「どうだい?」
サイトリコ「き、貴様!その瞳は!?」
昇の瞳が赤から青にと変わっていった。
昇「これが超念体光術 静型。今までの赤い瞳の時は攻撃の爆型。そしてこれは絶対防御の青い瞳静型。」
昇の周りが青い念力に包まれている。
そして昇は無傷の状態でその場に立っている。
サイトリコ「ふん!いくら攻撃を守っても貴様の攻撃は効かない。なら、勝ち目はない!」
サイトリコが攻撃しようと手を振り上げる。
昇「それはどうかな?」
昇は瞳を赤くして、凄い速さで攻撃を避ける。
昇は後ろに回り込み、念力破を背中に撃ち込む。
サイトリコ「無駄なことを!何度やっても効かんわ!」
サイトリコが後ろを向き叫ぶ。
すると、サイトリコの体が動かない。
サイトリコ「な、なんだこれは...........?」
昇「しばらく動けない。体を麻痺させるような念力破を撃ち込んだからな。」
念力破には属性と呼ばれるものがある。
ほとんどの超能力者は無属性の念力破を使っている。
しかし、念力破は麻痺、毒、氷結などいろいろな属性がある。
サイトリコ「な、なるほどな.....だが動けなくなったからといって何になる?」
すると、昇は腕を構えると瞳を閉じた。
昇「右手に生の力を! 左手に死の力を!」
その掛け声と共に昇の右手には青い光が、左手には赤い光が集まる。
サイトリコ「ま、まさか!?あの技をやる気か!や、やめろ!」
昇「びびってんなよ!今から地獄に送ってやるからよ。」
昇の両手にはかなりのエネルギーが溜まっている。
昇「俺の麻痺属性の念力破が解けるまでもう時間がない!まだ、半分も溜まってないが仕方ない!」
昇の両手のエネルギーが圧縮される。
昇は両手を前に突き出した。
昇「いくぜぇええ!究極奥義 神王波!」
昇の両手から一気にエネルギーが放出される。
その赤と青のエネルギーは合わさり一筋の光となり、サイトリコにぶつかる。
ズガァァアアアア!
バシューーーーーー!
辺りが光に包まれ、昇は下に倒れる。
昇「どうだ.........見たか。サイトリコ。」
爆発がおさまり、サイトリコは消えていた。
昇「サイトリコ!お前があれで死にはしないだろうが!出てこい!」
昇はサイトリコを探す。
すると、どこからともなく声がする。
サイトリコ「よくやったな。昇。」
昇「サイトリコ!」
昇は辺りを見回す。
サイトリコ「今は俺はお前の中から喋りかけている。」
昇は胸に手を当てる。
サイトリコ「お前の修行は合格だ。グリーテに頼んでおいた甲斐があった。まさかここまで強くなっているとはな。」
昇は少し照れていた。
サイトリコ「とりあえず、俺はしばらく休む。ブラッティ・ネオと闘う時には協力する。そして、これはまだ分からないが......お前の近くに鬼人の力を感じる。」
昇「な、なにっ!?」
サイトリコ「まだ分からないことだ。しかし、気をつけろ。」
昇は頷く。
サイトリコの声は聞こえなくなった。
昇の修行終了。
寒いのは嫌いだ!