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スピンオフ 奇術師ひかり 異世界でパーティクラッシャーになる  作者: うみのうさぎ


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3/3

女騎士団〈白鋼〉

王都・第三訓練場。


 そこには、完璧な隊列があった。


 直立不動。

 鎧は磨き上げられ、呼吸すら揃っている。

 全員女性、全員歴戦。


 ——女騎士団〈白鋼〉。


 アリア「異物を入れるなよ」


 団長アリア(29)は、そう言ってから振り返った。


 そこにいたのが、白いワンピースにとんがり帽子の少女だった。


 アリア「……誰だ」


 ひかり「ひかり。同行者」


 王命なので拒否不可。


 この時点で、敗北は決まっていた。


 初日の訓練。


 腕立て、剣素振り、模擬戦。


 ひかりは木陰でそれを見ていた。


 十分後。


 ひかり「止めて」


 全員が動きを止めた。


 アリア「……何を言っている」


 アリアが睨む。


 ひかりは淡々と指摘した。


 ひかり「疲労が蓄積してる。

 このまま続けると三日後に故障者が出る」


 アリア「甘えるな!」


 ひかり「甘えじゃない。管理」


 その日の訓練は中止になった。


 ——なぜか。


 二日目。


 ひかりは女騎士たちに椅子を出した。


 ひかり「今日は座って」


 アリア「なぜだ!」


 ひかり「立ちっぱなし、腰に悪い」


 五分後。


 全員、座っている。


 誰も逆らえなかった。


 団員「……座るの、久しぶり」


 誰かが呟いた瞬間、空気が変わった。


 三日目。


 ひかりは言った。


 ひかり「今日は、何もしなくていい日」


 女騎士団、沈黙。


 次の瞬間。


 団員「……本当に?」

 団員「鎧、脱いでいい?」

 団員「昼寝しても?」


 アリアが止める。


 アリア「正気に戻れ! これは罠だ!」


 ひかり、首をかしげる。


 ひかり「罠じゃない。休息」


 結果。


 - 団員A:初めて八時間寝て泣く

 - 団員B:鎧を脱いだら肩が軽くて戻れなくなる

 - 団員C:食堂で笑顔を思い出す


 戦闘能力、なぜか上昇。


 統率、完全崩壊。


 団長アリア、ついにひかりと対峙。


 アリア「……貴様、何が目的だ」


 ひかり「目的?」


 アリア「女騎士団を壊すつもりか」


 ひかりは少し考えた。


 ひかり「壊してないよ」


 アリア「じゃあ、これは何だ!」


 背後では、騎士たちが毛布に包まれてお茶を飲んでいる。


 ひかり「……本来の状態」


 その瞬間、アリアの剣が落ちた。


 翌日。


 王城に緊急報告。


 女騎士団〈白鋼〉

 ・士気:高

 ・戦闘力:高

 ・規律:消失


 付記。


 白い魔法使い(魔法は使えない)

 騎士団への立ち入りを禁止すること


 城門の外。


 ひかりは帽子を直し、呟いた。


 ひかり「……また、やりすぎた」


 その背後。


 アリアが追ってきていた。


 アリア「待て」


 ひかり「なに?」


 アリア「……また、来い」


 ひかり「依存になるよ?」


 アリア「わかっている」


 真顔で言う。


 ひかりは、少しだけ笑った。


 異世界でも。


 ひかりは規律を守らず、心を守った。


 なお、女騎士団は今日も強い。

 ただし、昼寝の時間が増えた。

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