表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スピンオフ 奇術師ひかり 異世界でパーティクラッシャーになる  作者: うみのうさぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/3

たらしって言われるの、心外なんだけど

目を開けた瞬間、ひかりは理解した。


 ひかり「ここ、異世界だ」


 石畳。

 中世風の街並み。

 鎧とローブと獣耳。


 ひかり「……なるほど、そういう世界観ね」


 とんがり帽子を直し、ひかりは淡々と歩き出した。


 魔法? 使えない。

 でも問題ない。


 ぼくには——冒険者をダメにする才能がある。


第一被害者:剣士エレナ(22)


 ギルド酒場。

 傷だらけの剣士が、一人で酒を飲んでいた。


 エレナ「また失敗した……」


 隣に座ったひかりは、何も言わずに包帯を差し出す。


 エレナ「え?」


 ひかり「巻き方、違う。貸して」


 数分後、完璧な応急処置。


 エレナ「……なんで、そこまで」


 ひかり「剣、重すぎ。バランス崩してる」


 次の日。

 エルナは生涯最高のコンディションで依頼を成功させる。


 エレナ「ひかり……一緒にパーティ組まない?」


 ひかり「いいよ」


 この時点で、エルナはもう戻れない。


第二被害者:魔術師リリア(24)


 魔法研究に行き詰まっていた。


 リリア「詠唱が安定しない……」


 ひかりは帽子から紙と紐を取り出す。


 リリア「呼吸と姿勢。魔法じゃなくて身体の問題」


 「ゆっくりと呼吸を整え、背筋を伸ばして顎を引く」

 

 魔法は安定。

 リリアの評価は急上昇。


 リリア「ひかり……君がいないと不安で……」


 ひかり「それは、依存だからだめ」


 優しく断るのが、余計に刺さる。


第三被害者:回復術師セナ(21)


 常に他人優先。

 自分を削るタイプ。


 ひかり「無理しすぎ」


 セナ「でも、私がやらないと……」


 ひかり「今日は、きみは座ってて」


 代わりに、ひかりが指示を出す。

 戦闘は安定。

 誰も倒れない。


 セナ「……私、休んでいいんだ」


 セナは涙が止まらなかった。


 周囲からは、ひかりが何かしたと完全に誤解される。


ひかりに関する噂話


「白い魔法使い(本当は奇術で魔法は使えない)」


「冒険者を甘やかしてダメにする存在」


「一緒にいると強くなるのに、いなくなると心が不安定になる」


ギルドではこう囁かれる。


 「ひかりに懐かれたら終わり」

 「でも、会いたい」

 「離れたくない」


本人談


 焚き火の前で、ひかりはぼそっと言う。


 ひかり「……ゆいほどじゃないけど」


 異世界でも、やっていることは同じだった。


 - 出来ることを全部やる

 - 要求しない

 - 見返りを求めない

 - でも、必要な時は突き放す


 結果。


 女の子たちの心が揺れる。


 ひかり「……たらしって言われるの、心外なんだけど」


 帽子を深く被り直す。


 ひかり「ぼくはただ、“安心できる場所”を作ってるだけだよ」


 なお、被害者(冒険者)は今日も増えている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ