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9月24日(金)


お母さんから何かあったのかと聞かれてしまった。


休みの日に部屋から出ないでゴロゴロしているあたしに呆れたようだ。


確かに最近のあたしは食欲もないし、寝不足のせいで酷い顔してるし、変だろうと思う。


龍太とのことを話したくなかったので、別に何もないと答えたら、お母さんは、


「まあ、若い時には悩むこともいい経験だわ。もし相談に乗って欲しかったら、いつでも聞いてあげるわよ」


と言ってくれた。


学校でも、麻子達に心配かけてしまってる。


もうそろそろ、何とかしなくちゃいけないと思うんだけど、龍太と話す勇気が出ない。


はっきりと新しい彼女ができたと言われるのが怖い。


知らなければ、まだ希望があると思えるから。


この数週間、音楽だけが支えだった。


アルトサックスの練習をしている時だけ、龍太のことを考えないでいられる。


デュエットは中々難しく、まだちゃんとしたテンポで吹けない。


でも、先生と一緒に演奏すると、結構上手に聞こえるから不思議だ。


学校は文化祭の準備で忙しい。


だけど、学校ではどうしても龍太のこと考えてしまう。




夜、お風呂に入って、ベッドに入ろうとした時に携帯が鳴った。


麻子からだと思ったら龍太からだったので、携帯を落としそうになった。


胸がドキドキしてどうしようか迷ったけど、結局出てしまった。


「……はい」


「俺」


「うん」


「話したいことがある」


「……うん」


「明日、4時半にXX駅近くの公園」


「分かった」


「じゃ」


電話を切ってからもずっと携帯を握り締めていた。


……とうとう来てしまった。


あたし、龍太と別れたくない。


明日、ちゃんと話そう。


既に手遅れかも知れないけど。


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