9月22日(水)
龍太にまだ連絡していない。
私は逃げているんだ。
私らしくないと分かっているんだけど。
龍太は私と別れたと思っているのだろうか?
このままずっと連絡もなく終わってしまうのだろうか?
もう手遅れだとはっきりと分かってしまうのが怖い。
こんなことしていてもどうにもならないのに。
私の考えは頭の中をぐるぐる回るばかり。
結論なんて出る訳ないじゃない。
こんな所に閉じこもっていたら。
龍太のことを忘れることなんかできないよ。
結局龍太のことばかり考えている。
会いたい。
だけど話すのは怖い。
姿を見るだけ。
朝、駅で売店の影に隠れて龍太を待つ。
こんなのまるでストーカーじゃない!!
見られたくないので、一瞬龍太が通り過ぎるのを見つめるだけ。
龍太はいつもと変わりなく見えた。
眠そうな不機嫌な顔して、大きなバッグを担いで。
私は何を期待していたんだろう?
龍太がボロボロになってやつれているのが見たかったの?
そうじゃないでしょ!!!
私は馬鹿だ。
こんなになってしまったのは、自分が悪いのに。
臆病者の私は、龍太が何か行動を起こすのを待っているんだ。
でも、もしこのままずっと何もなかったら?