7月21日(水)
7月21日(水)
あれから、龍太から連絡はない。
あたしからもしていない。
最初は連絡してきても無視してやろうと思って携帯の電源を落としていた。
だけど、電源入れる度に受信記録が何もないのを見るのが虚しくなって、切るのをやめた。
でも、そうすると、携帯電話を暗示にかける様に見つめてしまって。
鳴れ、鳴ってくれと祈っている自分がいて。
携帯を見なくていい様に、引き出しに入れた。
それでも、一日中、携帯のことばかり気にしてるあたしは馬鹿だ。
あたしは龍太と別れるつもりはない。
だけど、龍太はあたしに愛想をつかしてしまったのかも知れない。
遠征から帰ってきたら別れを告げられるのかな?
怖い。
あたしからは連絡できない。
遠征から帰ってきたら、龍太はあたしに連絡くれるんだろうか?
馬鹿なことをしたと思っている。
自分勝手なことをしたと分かっている。
龍太はあたしに隠していることがあったけど。
それでも、とても大事にしてくれていた。
ごめん。
ごめんね、龍太。
あたし、龍太に会いたい。
龍太に抱き締めて欲しい。
龍太にキスして欲しい。
別れたくない。
やっぱり、メールしよう。
返事くれないかも知れないけど。
今のあたしの素直な気持ちをメールに書いて出した。
「To:黒澤龍太
Sub :合宿&遠征
ごめんね。龍太と別れたくないです。
練習と試合、頑張ってね」
明け方まで携帯を見つめていたけど、返事はなかった。