ep.07 村の魔改造
マリアナ神皇国王都 ケスラー伯爵領 地方都市ラウル
*)村の魔改造に託けてモニカを襲えば?
村や畑に山林を開拓して魔改造を始めれば、村に落ち着きが出て来た。村人も雇用をしてやれば、給与や食い物を分け与えれば、そりゃ~心にも余裕も出来るさ、銭湯だって賦役者には無料解放している。
農民は夜になればやることは……一つだけだ。
「リリーどうだろうか、女の腹が膨れてきたかな?」
「……キャッ…………H……イヤン。」
「リリーではないぞ、俺とHをしたか?」
「まぁルイさま、怒りますわよ。」
こんな話題は夕食時に、いやシャルロットの前でするものではなかったか。モニカ……この子は育てた甲斐があったぞ、今ではリリーを追い越してシルフィお姉ちゃんも超えてしまった。
「シルフィさま、お代わりでございますね。」
「あ~ダメダメ、こいつはものぐさで太った。もう喰わせるな。」
「うふふ……はい。承知いたしました。」
「う、そんな~。食べないと明日の活力がありません。」
「嘘言え、どちらかと言えばサボる方に体力を使っているようだが、反論は?」
「いえ、ありません。」
テーブルにシャルロットが着いておればモニカは給仕係になるしかない。俺としては平等に扱いたいがいい顔をしないから諦めてもいる。
「そう言えば森に人狼が出たそうですよ、お聞きになられましたか。」
「いや、狼の間違いではないのか?」
「そうでもないみたいですよ。話しの内容からして、普通の狼に毛が生えた程度だそうですが、多くが集まる群れとなれば、手を付けられないとか。」
「そうか、危険性は増すよな。討伐して肉の保存食にするか。」
「はい、そうなさいませ。」
「毛の生えた狼に毛が生えたって、可笑しいではありませんか?」
「シャルロットさま、モノの例えでございます。」
「言い回しと言うのですね、ルイの言う事は理解が出来ませんわ。」
「申し訳ありません。リリーよりもモニカの方が強い、みたいな感じでございます。」
「あ~理解できましたわ。」
「わ~シャルロットさま、酷いです。」
「酷いのはルイでしょう。」
「はい……ルイさま、メ!」
「すまん。」
「モニカ、今宵も寝酒を頼みたい。」
「はい、かしこまりました。」
シャルロットさま対策にはシルフィを付けている。破壊のアサルト・シャルロットvs強欲のグリード・シルフィという構図か、実にハチャメチャで面白いぞ。どちらも言い出したら引かない質だし暇つぶしもほどほどに出来ていい関係だ。
寝酒を飲むと言うのは嘘でもないが、モニカ一人で食べる夕食は味気ないだろう。だから俺は少しの酒を飲みながらモニカに付き合うわけだ。傍にはリリーも居てとても安心出来ると言うモニカだ。
「モニカ、いつも一人にさせてすまないな。」
「いいえ、一人ではありませんわ。いつもありがとうございます。」
「モニカも奴隷落ちなの?」
「はい、農業ののの字も知りませんわ。」
どうもモニカも由緒ある貴族の令嬢なのかもしれない。そう考えたら当初に何も出来ないのが理解出来そうだ。将又敵国の間諜かもいう恐れもあるかな。
「メイドの分際でまた来ていますのね。」
「申し訳ありません。」
「リリー私にも少し頂戴。」
「はい、若奥様。」
「こらっ……まだお嫁に行っていませんわよ。」
「うふふ……申し訳ありません。どうぞ、薬用酒でございます。」
偶にはシャルロットさまも酒を飲みに来て雑談に混じってくるし、同じテーブルに着いても怖い顔は作らない。ほどよく酔えば自室へと引き上げる。ま、俺への牽制だとは思うが婚約者にはまだまだほど遠い関係が続いている。
版図……国の領域と言う事。これを守り抜くのは兵と兵糧が必要だが?
ここに「欠落」という言葉ある。簡単に言えば「脱北者」だな、重税や理不尽な徴発に不当な扱いを受けて領主の元から逃げ出す、という意味だ。もうここに居ても死を待つだけだとしたら着の身着のままで逃げ出す方がいい。
俺は……人々が逞しく生きていける村を造ってやるぞ。
この大陸で農民は虐げられている。貴族には理解不能、町民にも理解不能なのは察しが付くも、毎日を必死になって生き抜く根性は素晴らしいと思う。感心さえしてしまった。作物を大事にして育て上げ、自分が喰らうものは、作物の葉が朽ちる前を採取して煮込んで食べている。筋だけで喰えないと思うも食べているのだった。貧弱ではいけない、人は生きていくにも貧弱ではいけない、そう考える。
俺は……人々が逞しく生きていける村を造ってやるぞ。
村の魔改造を始める。大きくて豊かな国が北の大地に在るらしい、そこを目指すにも足掛かりは必要だからさ、蟻の一穴の蟻となって兵隊も集めてそれから勝負に出る。これだ……サクセスストーリーはこのようにして出来上がる。俺だから可能だ何処にも烏滸がましい事はありませんぞ。
烏滸がましいは、今では「不適切用語」へと落とされて、本来の謙譲語の意味は「出しゃばっている・ずうずうしい」みたいな意味に転じてしまっているからだろうか。本来の意味をはき違える人が馬鹿だから、今では「不適切用語」へと落とされた。それこそ「分をわきまえていない」のはどっちだと言いたい。
「ツリー・エアーカッター!」x30
俺は独りで森に入りエアーカッターと連呼してた。偶には狼も出て来て首が刎ねられてもいるから一石二鳥だろう。本当は牝鹿の方が好きなんだがな~♡。シャルロットさまみたいに可愛くはないまでも美味いしからね。
一つの山を切り拓くにも数日程度では出来ないぞ、お昼は転移魔法を使って館まで帰る。
「戻ったぞ。」
「お帰りなさいませ。お昼の準備は調っております。」
「いつもすまない。」
「いいえ、今日はシャルロットさまはお留守でございますが?」
「だったら俺の部屋で食べようか。」
「ありがとうございます。」
「リリー~~。」
「は~い。お帰りなさい。」
「俺の部屋まで運んでくれ。」
「はい、喜んで。」
俺の部屋には特別な結界を考えて強化させて張り巡らせているから、シャルロットさまが行き成りに転移してくる事はあり得ない。リリーは羽が伸ばせるから好きだと言うし、モニカもその方が寛ぐことが出来て喜んでもいる。
「明日もお出かけですか?」
「そうですよ~偶にはお休みも必要ですよ?」
「他にやることもないんだ、寝ていてもシャルロットさまが添い寝をしてくれるのか?」
「私がいます♡」x2
「ほぇ?」
「まぁ、」x2
「誰が先陣を切って殺されたいのかな~?」
「……。」x2
シャルロットさまがこれ程に身持ちが堅いのには意味があるのだろうが、理由はお母様が許さない、それ以外は謎のままだね。
シャルロットさまが俺みたいな魔法使いではなくて……魔女だったら?
「モニカも来るか? 弁当を作ってくれたら連れて行くよ。」
「はい、喜んで。」
「え~私も行きたい~……ダメ?」
「シャルロットさまの防波堤だからな、無理だ・残れ。」
「キャン!」
翌日大変な思いをしてしまった。モニカを負ぶって小さな転移魔法で移動しなくてはならない。モニカ、お前は……昨日は既に気がついていたのだな?
「申し訳ありません。」
「いいよ。誘って連れて来たのが俺だからな。」
「はい、密着が出来て嬉しい。……♡」
これだよな~参るぜ。周りを木々で覆って隠れ家を造り、モニカを襲いたい衝動が出て来て余計に大変だったぞ。暗にモニカはいいですよ~とは言うが、これは絶対にオチョクって俺で遊んでいやがるのだな。
これはもう色欲のモニカってか? 据え膳食わぬは男の恥……こう考えて襲って仕舞えば? もう毎日がHの文字で脳みそが汚染されてしまう。それだけの魅力を併せ持つような女の子になっている。
キノコの群生地に行き当たりモニカに全部を収穫させれば、嬉々として燥ぐ姿に俺の心は折れそうになった。もう同伴は出来そうもないぞ。シャルロットさまが近くに居る、いないのであれば男は馬鹿だから雄の心が鎌首をもたげる。
「モニカ!」
「キャン!」
「イタイタイタ……シャルロットさまお許しください。」
と、俺は多くの鳩により攻撃ならぬ嘴擊されるのであった。嘴擊とは造語だからね?
「んも~甲斐性なし! もう知りません!」
こんな事があっても帰ればシャルロットさまは普通にしている。鳩を介して覗き見をしているのではないのか……な?
……そこは間違ってでも「見張っていますのよ、」とはプライドがあるから言えないのよね。早く頭首になって頂かないと私が腐って仕舞いそうだわ。
○──── ○────○──── ○────○
森の木々を残らず伐採してしまった。これらを転移魔法で纏め上げて積み上げるも、森の表土を集めるのは流石に俺では出来ない。いや出来るんだが村の者たちに当てにされたら俺だって困る。
熊手を人数分だけ作っておいて村人に渡し、所々にかき集めるように指示をだした。山でもないが適当に寄せ集めて貰えれば後は俺が転移魔法で移し替えてやれる。
「村人に楽させて堪るものか!」
「はいご主人様、その息やよしですわ。」
「ルイ、モニカに馬鹿にされていましてよ。」
「え~なんで?」
「ご主人様、その鼻息は素晴らしいと言っていますよ?」
「アハハ~俺の鼻息は素晴らしいぞ? んな訳あるか!」
「キャッ、」
「バッコ~ン!」
「ゲボ!」
「その意気やよしですよ?」
「はい……シャルロットさま?」
俺はまたしてもおちょくられたからとモニカの胸を掴んでやったら、シャルロットさまから鉄槌を頂いた。愛情の裏返しの憎悪をいうやつだな、痛いんだな~これがさ。
「ルイ、もうお終いにしましょうか。退屈凌ぎに見学へきましたが、やはり退屈ですわ。」
「シルフィ……一緒に帰ってお茶していなさい。」
「はい。子守をいたしておきます。」
「ごらっ!」
「テヘッ!」
「ご主人様、村人の作業ですよ? 最後まで付き合う必要はありませんよ?」
「あ、そうとも言える。村長に言っておいて帰るか。」
「はい。」x2
悪い事は直ぐに賛同が下りるもので、女の子たちが山に来ても面白い事は何もない。
「シャルロットさま、村人の監視は鳩にやらせて下さいね。」
「えぇ……見張らせておきます……あ!」
……ぴ~♫~ピィ~♪~ピー♫……。
俺は聞いていない振りをしている。これで理解が出来たから、次回からは風景同化魔法を駆使してモニカちゃんを襲う事に決めた。
「ご主人様。モニカはいつでもいいのですよ?」
「モニカ!」
「イヤン!」
「もち肌!」
「キャン!」
「バッコ~ン!」x5
「ウギャ~ウギャ~ウギャ~ウギャ~グェ!……。」
どうして俺の行動が、シャルロットさまに筒抜けになっているのだろうか、謎である。
俺はまたしてもおちょくられたからとモニカの胸を掴んでやったら、シャルロットさまから鉄槌を頂いた。愛情の裏返しの憎悪をいうやつだな、痛いんだな~これがさ。
薄々だが俺は感じてきたぞ、モニカはシャルロットさまにテイムされていて、それで俺をからかっているのだと理解ができた。すると……? モニカは最初からシャルロットさまの分身として存在していて、シャルロットさまの魔法が具現化されていたのか?
こう考えたらモニカの行動が読めてきた。これはあれだ、もう完全に俺を誘っているのだと。
シャルロットさまは恐ろしい程の魔女なんだ? もしかしたら母親もか?
山に炭焼き小屋と猟を行う為の避難所の小屋も建てた。ここでモニカを召喚し襲えば……?
ぐふふ……召喚……ぐふふ……召喚……ぐふふ……。
無事に頂けぞ。帰ってシャルロットさまを見てみればほんのりと頬は桜色だったかな♡!!