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魔法院

 魔法院へいくことを決めたシエンナ(イザベラ)。その理由は色々あって……

 それから三日後、私は魔法院にいた。あの後、レオナルド様が間に入って下さり、とりあえず数日休ませて頂いたのだ。


(もっと居ていいと言われたけど……)


 レオナルド様のお家が居心地が悪いわけではない。むしろ、凄くいい。家の人は何故か私に興味津々のようだけど、凄く良くしてくれる。だけど、三日以上いることが出来なかった。何故なら……


(これ以上一緒になったら絶対に好きになっちゃう!)


 レオナルド様はカッコイイ上にとても優しくて、私のことを大切にしてくれる。女の子にはみんなこうなんだろうか? それとも……


(そんなこと考えちゃ駄目!)


 そうだ。私は誰も好きになっちゃいけないんだから。


 まあ、そんな訳で私は逃げ出すように魔術院にやってきた。ハロルド皇子は強引だったが、執事のゴードンさんは気が利く人のだったので宿舎では問題なく生活出来そうだった。


「イザベラ、昨日はよく眠れたかな?」


 今、私は魔法の訓練場にいる。眼の前にいるのはこの魔法院の院長、オスカーさんだ。


「はい、お陰様で」


 レオナルド様のことをなるべく考えないようにして寝るのはなかなか大変だったけど。


「君の実力は聞いてるが、先ずは簡単な試験をしたいと思う。まあ、緊張しないで普段通りにやってみて」


「はい」


 とは言ったものの、それは無理な注文だ。結局、魔法の練習はほとんど出来ていない。聖獣──シロちゃんと名付けた──から私が出来ることを色々と聞いてはみたが、人目につかずに魔法を試す場所も機会もなかったのだ。


「じゃあ……最初にどんな魔法でも良いからあの的を狙って打ってくれるかな」


 オスカーさんの指さした先には三メートル間隔で的が設置されている。多分、遠くまで魔法を飛ばす練習に使うのだろう。


(威力を抑えた【ウインド】を使おう)


 聖女となって覚えた魔法の中に攻撃魔法はない。だが、聖女となったことで魔力が底上げされているため、的まで飛ばすことは可能だろう。


(威力をほどほどにセーブしないと……)


 何せとっさに放った【ウインド】でブラックグリズリーの頭を飛ばしてしまうのだから。


「【ウインド】!」


 詠唱を破棄すれば魔法の効果は大幅に下がり、発動しないことさえある。


(これでちょうど良い威力になるはず……!)


 と思ったのだが……


 ズバババッ!


 十枚あった的は全て真っ二つになってしまった……


(……やりすぎた)


 一言も発しないオスカーさんを恐る恐る振り返る。すると……


「やはりな。思った通りだ」


 え?


「殿下や騎士団長の言葉を疑うわけではないが、この目で確かめたくてな。詠唱を破棄してもこの威力ならブラックグリズリーに止めを刺すくらい造作もないだろうな」


 いや、割と必死でしたけど。  


(でも、良かった。問題にはならないみたい)


 一時はどうなることかと思ったけど。


「これならいきなり実戦に出ても問題ないな」  


 ん? 今、オスカーさんはなんて?


「異例ではあるが、殿下の仰ったように明日の魔物討伐実習への参加を認めよう」


 魔物討伐実習!? 


「あの、私は……」


「分かってる。ブラックグリズリーを倒したならこの辺りではもう倒せない魔物はいないだろう。今回の実習では魔法での援護のイロハを学んでもらう」


 え、そういう事聞いてるんじゃないんだけど……


(魔法院の術士って怪我を治したり、魔法薬を作ったりする仕事じゃ……)


 魔物と戦うなんて聞いたことない。っていうか、そんな仕事なら絶対術士になるなんて言わなかったし。


“魔物と戦うなんて絶対無理!”


 ブラックグリズリーの恐ろしい姿が脳裏に蘇る。あんな相手とまた戦うなんて……


“シエンナの力があれば大丈夫デシ!”


 いや、シロちゃん。そうじゃないのよ…… 



(どうしよう……)


 一応色々言ってみたが、無駄だった。しかも、実習は明日。色々無茶すぎるでしょ!


「とにかく昼ご飯食べよう……」


 説明を受けたり、装備を受け取ったりでもう昼だ。


(食堂はどっちだっけ?)


 私がキョロキョロと辺りを見回していると……


「ちょっとアンタ、調子乗ってるわね」


 え、誰? 


 

 次々起こるトラブル! 声の主は一体……(あれ、前話と被ったw) シエンナ(イザベラ)はどうなる!


 次話は明日の夕方6時に投稿します!


 ……あと、厚かましくはありますが、筆者のモチベに直結するポイントやブクマ等もお願い出来れば大変大変大変嬉しいです。


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