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旧大聖堂

 今までのループで必ず話題に上がっていた旧大聖堂に向かったシエンナですが……

(来なきゃ良かった……)


 旧大聖堂に着いた私はさっそく自分の行動を後悔した。だって、旧大聖堂は旧大聖堂跡と言って差し支えない場所だったのだ。


(足場が悪いのがツラいわ……)


 今私が履いているのは貴族用の靴──つまり、飾りはゴテゴテとついているが、履きづらく、実用性がないもの──だから、瓦礫や水溜りがあるこの場所を歩くのはかなり辛い。


(ここを出たら靴も買い換えないとね)


 勿論それ以外にも服やら何やら必要なものはあるが。


(それにしても本当にこんな場所に何かあるのかしら)


 そんな風に疑い始めたその時……


(! これは……?)


 ほぼ廃墟となった旧大聖堂の中、足元ばかり見ていた私は不自然に残った床板に気がついた。


(ん? 魔力?)


 床板を【魔力感知】で調べると微弱な魔力を感じた。


(これは聖属性の魔力……珍しい)


 あ、いい忘れていたけど、サザーランド学院は貴族向けの魔法学校。といっても貴族にしか魔力はないから庶民向けの魔法学校があるわけではないけど…… 


(とにかく調べてみよう!)


 床板に軽く魔力を流してみると……


 ギィィィ!

 

 何と軋んだ音を立てながらまるでドアのように床板が開いたのだ。


「隠し通路!」


 驚きのあまり思わず声が出るほど、目の前の下り階段は立派なものだ。ご丁寧に燭台には灯火まで……


(行ってみよう……)


 待っているものが良いものとは限らないけど、何かあるのは確か。


(良いものでも悪いものでも、今はとにかくループを抜ける手がかりが欲しい)


 今の私はどうやったらこのループを抜けられるかが全くわからないのだ。



(こ、これは……) 


 階段を降りた先にあったのは舞踏会が開けそうなくらいの広大な広間だった。


(しかも高度な保護魔法がかけられている……)


 保護魔法とは年月の経過から物体を守る魔法。それが、この空間全体にかかっているので、この空間にはホコリ一つないのだ。


(どれ位昔のものかは分からないけど、相当大切な物があるみたいね)


 保護魔法をかけるには莫大な魔法力が必要になる。しかも、これだけの空間となると、恐らく伝説級の魔法使いが何人も必要になるだろう。そこまでして用意された空間なのだから何もないとは考えにくい。


(あそこに何かあるのかしら)


 広間の中央には立派な石碑がある。多分あれが鍵だろう。そう思いながら近づいていくと……


(凄っ! これはもしかしてミスリル……いや、オリハルコンかも)


 石碑は封印魔法──生き物や精霊など何らかの存在を物に封じておく魔法──が付与されているようだ。この魔法自体凄いものだが、それよりも触媒として使われているこの石碑の材質が凄い。一体何が封じられているのか……  


 ブゥン!


 そんなことを思いながら石碑を眺めていると、突然聞き慣れない音がした。そして……


(えっ……封印が解ける!?)


 そんな! 私、ただ見てただけなのに!?


 ピキピキピキ!


 オリハルコンで出来た石碑にヒビが入り、見る見るうちに砕け散る。そして、姿を現したのは……


「わ、ワンちゃん?」


 砕けた石碑の中から現れたのは、フワフワの白い毛を持つ犬だ。いや、宙に浮いているから犬ではないのだろう。可愛いけど。  


(びっくりした……)


 内心、何かとんでもない物が封印されていたらどうしようかとビクビクしていたのだ。


 が、次の瞬間、私は今までの比ではないほどの衝撃を受けることになった!


“貴方が今代の聖女でデシか?”


 は? 聖女? というか、何で頭に声が?


“念話で話しかけてるデシ”


 誰が? と思ったら、目の前のワンちゃんが可愛く尻尾を振っている。え、まさか、この子が喋ってるの?


“そうデシよ、聖女様” 

 

 思わず周りを見回したが、誰もいない。ってことは……


(私が……聖女!?)


 そんな馬鹿な! 一回目のループでは濡れ衣とはいえ魔女として殺されてるのに……


“あれ、何も聞いてないデシ? じゃあ、まずは事情をお話しするデシ!”


 言うが早いか、莫大な情報が私の頭の中に流れ込んで来た!

 読んでいただき、ありがとうございました!


 ……あと、厚かましくはありますが、筆者のモチベに直結するポイントやブクマ等もお願い出来れば大変大変大変嬉しいです。


 次話は夕方6時に投稿します!

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