5/5
05 なんだかんだあって
数日後。何だかんだあった私は魔王城の庇護下に入っていた。
だから「また勇者どもか」私を奪還しようとしてくる勇者一味を毎回撃退するのが、魔王様のお仕事の一つになってしまっていた。
私は小さくなって「すいません」と謝るしかない。
「ふん、別にお前の為にやったわけではない。勇者達は倒すつもりだったからな、肩慣らしにちょっかいをかけられる事くらいなんてことない」
「ありがとうございます」
「だから、お前のためではないといっとるだろうが」
それでも何だかんだ言って、私を守ってくれている魔王様には頭が上がらない。
何だか勇者様と魔王様の立場があべこべになっているような気がする。
迷惑をかけてしまうのは心苦しいが、魔王城からでるとすぐに勇者一味に補足されてしまうので、現状を維持するよりほかなかった。
「不束者ですが、これからもよろしくお願いします魔王様」
「魔王を頼る聖女がどこにいる。それと誤解を招くような言い方をするな」