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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

妖(あやかし)

作者: 竹下千代

ホラーのタグを付けましたが、あまり怖くは無いと思います。ただ、気持ち悪いと思います。近親相姦の要素がありますので、苦手な方はお気を付けください。

 あかりひかりは大の仲良しだった。

 灯は少女で、光は少年だった。

 光は早熟な少年だったので、灯にすぐに手を出した。

 灯は喜んで、光を受け入れた。

 幸いにも、二人の間に子どもはできなかった。避妊していたのである。

 光は暇さえあれば、灯に手を出した。

 そのせいか、灯はどんどん色っぽくなっていった。

 ある日、灯が乱れた着衣のままで家に帰ってきたので、両親が驚いて灯を問いただした。 灯は泣きながら、村一番のガキ大将に乱暴されたと白状した。

 そして、不幸にも、灯はガキ大将の子どもを身ごもってしまった。両親が気づいたときには、手遅れだった。

 光は灯を抱きしめていった。

「二人で育てよう。君の子どもだ、きっとかわいいよ」

 二人は、子どもの名前を、「あやかし」と名付けた。親たちは反対したが、二人は譲らなかった。

 妖は、美少女に育った。黒く長い髪、白い肌、赤い唇。村中の少年達が、妖をちやほやした。

 しかし、妖は実は男だった。灯と光は、妖を少女として育てたのである。真意はわからなかったし、妖が声変わりするまで、誰も気づかなかった。

 妖は、美少年になった。今度は村中の少女達が、妖に群がった。妖は手当たり次第に少女達に手を出した。

 ある少女は妊娠し、ある少女は自殺した。

 村は、妖の子どもであふれかえった。

 妖の子は、年頃になると、異母兄弟であるにもかかわらず、妖の子ども同士で交じり合った。

 時には同性同士で交わる者もいた。

 血のつながりのない村人は気味悪がり、村を出て行った。

 そして、村には、妖の子孫だけが残った。

 同じ顔をした、男か女かわからない体つきをした若者達が、道で出会えば物陰で情を交わす様子は、よそ者から見れば大層気持ちの悪いものだった。

 やがて村は、『妖村』と名付けられた。

 そして、誰も寄りつく者はいなくなった。

 時々色狂いの者が、妖村を目指す者がいたが、二度と帰ってくる者はいなかった。

 そして村は、忘れ去られた。

 今は、昔話に残るのみである。



 <了>


お読みくださりありがとうございました。

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