両親とタイメン
「お嬢様!お嬢様!」誰かが何か言っている。
目を開けると黒いワンピースに白いエプロンを付けたメイドが立っていた。「早く起きて下さい、旦那様と奥様が呼んでおります」
「お父様とお母様が!!」私はそれを聞いて急いで袴に着替えて長い髪を赤いリボンで縛った。
「ガチャ...お父様、お母様、すみません。送れてしまって」中に入ると美男美女が優雅にお茶をしていた。
「大丈夫だよ。いきなり呼んでしまってすまないね」そう言って困った顔をしたのが私の父近衛透。髪は少し黒く優しそうな垂れ目をした美形の父だ。
「フフ...ごめんなさいね。こんな早くに呼び出して」この少しにっこりと笑ったのが私の母の近衛霧。髪は私と兄様と同じ色をしていて少し切れ目をした美形の母だ。
「あの、何か用事でガバ!!」いきなりお父様が抱き着いてきた。「え!お父様!!」
「はぁー会いたかったよ、中々仕事で一緒にいる時間が減ったし雪香不足だよ...」少し涙目のお父様。
お母様が笑っている。
「ごめんね。最近、色々と大変で今日やっと時間が取れてね、早く雪香に会いたいって聞かなくてね」そういう事か。要するにやっと時間が空いたから私を呼んだのか。
私は転生してから数回しか両親に会ってなかった。けど分かった事がある。兄様は絶対お父様に似たのだと...。




