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新しいこと

「うわー!つめたーい!でも気持ちいいー!」


野宿した場所からそんなに離れてない所に小さな川があって、私はそこで顔を洗って、軽く体を拭いている。昨日は思ったより良く寝れたので疲れはそんなに残っていない。てゆーか、朝目覚めてホントに驚いた。やけに暖かいと思ったらディーに抱き締められていたから・・

「ホント、あの人ちょっと距離感おかしいよね。」

思い出したら顔が赤くなってきた。何が“こうしたほうが二人とも暖かい“よ。普通あんなことしないよ!一体今までどんな生き方してきたんだろ?あの顔であんなことしたら女の人なんてイチコロだよ?絶対、女ったらしだ。

まぁ、居心地が良くて断らなかった私も悪いんだけど・・


「何ぶつぶつ言ってんだぁ?」

ギョッ!

「ちょっと、体を拭くからこっちに来ないでって言ったでしょ!」

「いつまでも帰ってこないから様子を見に来たんだよ。服だって着てるだろ?」

テオはさも当たり前かのようにこっちに近づいてくる。

「着てるとか着てないとかじゃなくて!もし着てなかったらどーするのよ!」

「ん?その時は声をかけねーよ?」

それって、いろいろ見たけど黙っとくってこと?ナンダソレ。

はぁ。ダメだ。ここのイケメンズはデリカシーとか、羞恥心とかが無いんだ。二人ともおかしい。

「遅くなったのは謝るよ。心配かけてごめんなさい。でも、女の人が服を脱ぐって言ったら覗きに来ちゃダメ!」

何で私がこんなことを教えなきゃならないんだろ。もしかして、この世界の女の人ってみんな堂々と抱き合ったり着替えたりするの??

「あぁー。それって女が言う恥ずかしいってやつか?俺、そーゆーのよくわかんねーんだよなぁ?」

悪びれる事なく平然と言ってのけるテオ。成る程。ここの世界の女の人も私と一緒だ。と言うことはこの赤毛のイケメンが悪い。

「とにかく!ダメなものはダメなの!」

テオを指差し強く言う。イケメンだからって何でも許されると思ってたら大間違いなんだから!

「なんだよぉ・・ディーとは抱き合ってたくせに。」

んな!!

私の顔はみるみる赤くなっていく。

「それはさっき散々説明したでしょ!あれは知らない間にそうなってたんだって!不可抗力よ!」

ちょっと違うんだけど思いっきり否定する。恥ずかしくて経緯までは話したくない。

「ったく。どうやったらあんなことになるんだよ?でも、あんなに熟睡するディーは珍しいからな。よっぽど抱き心地が良かったんだろうなぁ。

ゆきは凄いぞ。ディーはあんまり他人に隙を見せないし、あんなに笑ったりする事もないしな。」

へ、へぇ。そーなんだ。それってどういうことなんだろ?私には気を許してるって事なんだろうか?うん。悪い気はしない。むしろ嬉しい。何だか顔が緩くなってきた。

「んで、水浴びは終わったんだろ?ならそろそろ朝飯だぞ。」

水浴びって・・ テオってイケメンなのに中身が伴ってない気がする。まぁ、その方が私は接しやすいし、いろいろ助かってるんだけど。(二人とも中身までイケメンだったら私の心臓がもたないよ。)



テオとギャーギャー言い合いをしながらディーの所へ戻ると

「戻ったか?今すぐ出発する。せかして悪いがゆきも急いでくれ。」

火の周りをすっかり片付けたディーが声をかけてきた。

「ん?どうしたんだ?」

テオも事情を知らないみたいで不思議そうな顔をしてる。

「天候が悪くなりそうだ。降られる前に進めるだけ進みたい。」

空を見上げるもそんな感じはないんだけど・・ディーが言うんだからそうなんだろう。なら急がなきゃ。

手早く荷物をまとめて出発の準備をする。今日もスレイプニルのお世話になるのでとりあえず首を撫でて挨拶する。

「スレイ。今日もよろしくね。」

「スレイ?スレイプニルの事か?」

テオがきょとんとした顔で聞いてきた。

「うん。長い名前は呼びにくいし。スレイって何か格好良くない?」

私に首を擦り付けて甘えるようにしてきたスレイ。それを見たテオが

「ゆき、マジですげぇな。幻獣を手懐づけるとか・・どんな技だよ。」

感心したように声をかけてるくる。隣にいたディーも

「こいつが懐くのは俺だけだと思っていたが、まさかゆきにも懐くとはな。しかもたった1日でだ。一体どんなネーヴを使ったんだ?」

ディーもとても驚いてる。一方のスレイはディーにも首を擦り付けてブルブル鳴いていて、甘えているのがよくわかる。可愛いなぁ~。

「うわー。これじゃ、ただの馬と変わらないな。伝説の軍馬なのによ。」

テオがそう言ったとたんスレイは大きく嘶きテオを威嚇しだした。

「うぉっ!何だよ!俺だけそんな扱いかよ!」

テオが大袈裟にスレイから遠ざかる。でもスレイはまだテオを威嚇してた。

(この子、言葉がわかるんだ。)

伝説の軍馬の事はよくわからないけど、スレイは賢いし、きっと凄い幻獣なんだろう。そんな幻獣が何で私に懐いたんだろ??ディーはネーヴを使ったとか冗談言ってくるけど、私そんなの使えないしね。

「ふざけるのはそれくらいにしてそろそろ行くぞ。ゆき、こっちに来い。」

ディーが私を抱えてスレイに乗せてくれた。自分もサッと乗り、私を抱えるような体勢になる。(やっぱりこんなにくっついてたら恥ずかしいよ。)

少し体を離して座ろうと体をずらしたその時、

「少し駆ける。しがみついてないと落ちるぞ?」

フッと笑いディーはスレイを走らせる。

え!え!ひゃぁ~!!

走る馬(幻獣)になんて乗ったことないけど、こんなに早いものなの??しっかりディーにしがみつく事になり周りを見る余裕もない。

(めっちゃ怖いんですけどぉー!!)



どれくらい走ったのだろうか。少し馴れてきたこともあって目を開けてみた。

「うわぁ、凄い・・」

さっきまでは木々の間の道を進んでいたのに今は開けた草原の中を走っていた。新緑が陽射しにきらきら輝いて眩しいくらいだ。相変わらずの速さでしがみついてないと落ちそうになるけど、それでも目を奪われてしまう景色だった。

「ディー!凄い綺麗だね!!」

顔をあげ笑顔でディーに声をかける。

「ようやく馴れてきたか?落ちないようにしっかり捕まっていろよ。」

いつもの綺麗な顔で優しく微笑んだディーから返事が返ってくる。こうしているとまるで二人だけの世界にいる気分だ。しばらくディーにしがみつきながら流れていく景色を楽しんでいたら、

「おーい!ちょっと待ってくれよ!こっちは普通の馬なんだぞぉ!!こいつがバテちまうよ!」

後ろからテオの声が聞こえる。どうやら少し遅れて来てるみたいだ。一度スレイを止めて空を見上げたディー。さっきまではあんなに晴れてたのに今は曇り空だ。今にも降りだしてきそう。

「あと少しでここを抜ける。降りだす前にサドルの森へ入りたい。もう少し頑張ってくれ。」

追い付いてきたテオの馬を軽く撫でて声をかける。そうしていたら

ぽつり ぽつり

「降りだしてきたな。急ぐぞ。」

慌ててスレイを走らせるも雨は強くなってきて、あっという間にどしゃ降りになった。

「森へ入るぞ!少し行けば洞窟がある。そこまで走れ!」

木々の間を抜けしばらくすると少し開けた所に洞穴が見えてきた。

「あそこだ!」



森の中では木で遮られて雨足が弱く感じたけど、洞穴の外はひどい雨だ。

「ここまで間に合うと思ったんだが、濡れてしまったな。ゆき、しっかり体を拭いておけ。テオ、火を頼む。」

ディーはスレイと馬を洞穴の入り口へ誘導するとマントを脱ぎ出した。私はディーが抱えてくれてたからそんなに濡れてないけど、ディーはビシャビシャだ。

「ディーこそ温まらなきゃ。風邪引いちゃうよ。」

荷物からタオルを取り出しディーに手渡す。でもそのタオルは私の頭に被せられ優しく拭かれていく。

「ゆきに風邪を引かれるほうが困る。」

(うわー、出たよ。たらし発言。)頭では非難してるけど顔はみるみる赤く染まっていく。全く調子が狂うんだから。

「おーい。火をおこしたぞぉ。早く服乾かそうぜ。」

そう言うテオもずぶ濡れで上着をポイポイ脱ぎ出した。挙げ句の果てにズボンまで脱ごうとしてる。

「////// ちょっと!何で全部脱ぐの!!」

「はぁ?脱がないと乾かないだろ?ゆきもさっさと脱げよ?」

「脱がないわよ!バカ!!!」

ホント、どういう神経してるの!無神経にも程がある。

「テオ、さすがにズボンは脱ぐな。ゆきが困るだろ。上着はゆきには悪いが脱がせてもらうぞ。」

そう言ってディーも上着を脱ぐ。程よく鍛えられた上半身。さっきまでは服を着ていたとはいえ、このたくましい体にしがみついていたことに気付き物凄く恥ずかしくなってきた。

「か、風邪引いたら困るし、上着はいいよ。」

目のやり場に困るのは確かだけどそんなこと言ってられないよね。

3人で火を囲むけど上半身裸のイケメンに挟まれてなんとも落ち着かない。毛布を被せようと思ったら何と毛布まで濡れてる始末。

(ダメだ。見るところがない。)

別に上半身裸なんてプールの授業で見てるし、お父さんのだって見てる。いや、お父さんなんてパンツ一丁だったりする。なのに、二人の体を直視出来ない。髪の毛が濡れて妙に艶っぽいせいだろうか?顔がイケメン過ぎるからだろうか?悶々とし、下を向いてうずくまっていたら

「ゆき、どうしたんだぁ?寝るにはまだ早いぞ?」

体をこちらに寄せ顔を覗き混んでくるテオ。たくましい体を近くに感じ居てもたってもいられない。

「わ、私のことよりふた、二人は寒くないの?早く服乾くといいね。アハハハ」

目をそらしなるべく体を見ないように話す私に

「ん?なんだ? ははぁ~ん。さては。俺の体が凄すぎて照れてんだな?」

ニヤリと笑うテオ。何でこんなときだけ気付くのよ!いつもこう言うの疎い癖に!!

「触りたかったら触っても良いぞ?女ってやつはこういう体好きだもんな!」

「な、なに言ってんの!別に好きじゃないし!触らないし!」

明らかに動揺してる私をからかうようにテオが距離を詰めてきた。

「照れなくていいだろ?別に減るもんじゃなし、幾らでも触ってくれよ?ホレホレ。」

間近で意地の悪い顔をしてるテオについに私の堪忍袋の緒が切れた。

「いい加減にして!テオのバカ!もう知らない!」

立ちあがり洞穴の奥へと進んでいく。

「ゆき!奥へは行くな!」

ディーが追いかけようと立ち上がったけど

「ディーもこっちに来ないで!」

キッと睨み付けて制する。赤い顔で涙目の私。さすがに悪いと思ったのか、

「からかって悪かったよ。だからそんなに怒んないでくれよ。なっ。こっちに戻ってこいよ。」

テオが申し訳なさそうに言って近づいてきた。

「いやよ!しばらく私に近づかないで!」

テオから距離をとろうとさらに奥へ足を踏み出したとき、

ムニュ

何かを踏んづけた。なに?足元を見る。それは太いロープの様なヌメヌメしたものだった。モンスターの事はよく知らないけど、さすがにこれは私でも見覚えがある。

「ひぃ!蛇!」

慌てて足をどける。体長2メートル程の黒い蛇。尻尾を踏まれたソレは頭を上げ私を威嚇してきた。赤い舌をチロチロさせて今にも飛びかかってきそうだ。

「ゆき!」

テオが走り寄って私を抱き寄せるのと同時に黒い蛇は噛みついてきた。

「チッ!」

舌打ちが聞こえたかと思うと蛇が炎に包まれていた。あっという間に蛇は黒い固まりに変化してしまい、動かなくなっていた。茫然としてその光景を見る。

「ゆき、大丈夫か?」

テオに声をかけられて我に帰る。

「うん・・ありがとう。」腕の中からテオを見上げた。赤茶の瞳が心配そうにこちらを見ている。

「ごめんなさい。私、あの、」

「いいんだ。気にすんな。俺も悪かったな。イタッ!」

腕をほどこうとしたテオが顔を歪めた。見れば腕に噛み跡ががあった。

「うそぉ!噛まれたの?」

「大丈夫だよ。あいつ毒蛇じゃないし、こんな傷すぐ治るさ。」

腕の傷を確認したテオはニカッと笑いそう答えるけど・・

ー  私のせいだ  -

私が変な癇癪を起こして勝手なことをしたからだ。ディーは奥に入るなって言ってた。テオだって謝ってくれてたのに・・

「ごめんなさい・・私のせいで・・」

涙がこぼれだす。たまたま毒蛇じゃなかったから良かったものの、そうじゃなかったら?蛇なんかじゃなくて狂暴なモンスターだったら?テオはこんな傷じゃ済まなかったかもしれない。そう思うと申し訳なくて涙が止まらない。

「あー・・そんな泣くなよ。大丈夫だって!ゆきを守る為に俺はいるんだ。ゆきに怪我がないならそれでいいんだよ。」

少し困った様な顔でそう言うテオ。だがそれは聞き捨てならない発言だ。

「バカ!テオのバカ!」

「何だよ!バカバカ言うなよ!」

「バカだからバカって言ってるの!私が無事だったらそれでいい?そんなの間違ってる!確かに私は自分を守る術がないよ。テオたちに頼らなきゃいけない。でもね!私だけが無事ならいいなんてこと一つもない!テオが怪我をしていい理由になんかならない!」

自分が犠牲になることに躊躇ないテオに腹が立って仕方なかった。守ってもらえるのは嬉しいし有難い。でも私のせいで誰かが怪我をするのは絶対にいや。そんなことされても嬉しくない。私のあまりの剣幕にテオも驚いている。

「とりあえず、傷見せて。手当しないと。」

テオの腕を引いて火の側まで戻り、ドルとさんから貰った救急セットで簡単に手当をする。噛み痕はあるもののそんなに深くは噛まれていなかった。

「ホントにごめんね。私が勝手なことをしたばっかりに。次からはあんなことしない様に気を付ける。」

軽く包帯を巻いて治療は完了だ。こんなことぐらいしか出来ない自分が情けない。塞ぎこんでいたら

「今回はお互い様だろ?テオも悪かったし、ゆきも軽率だった。次から気を付ければいい。」

ディーがポンと肩をたたいてきた。

「ゆき、ありがとな!俺、こんなにしてもらうことあんまりなくてさ。何かすげぇ嬉しいよ。心配されるっていいもんだな!」

ニコニコ笑い、腕の包帯を見てテオがそう言った。

「こんなことしか出来ないけど・・テオの役に立てて良かったよ。」

私も笑顔で返し、お互いにエヘヘっと笑い合う。何だかテオとはもっと仲良くなれそうな気がした。

「さて!朝飯も昼飯も食い損ねたんだ。早速飯にしようぜ!」

「お前はまたソレか?」

ギュルルル・・

「わ、わたしも・・ご飯たべたいです・・・」

何で私のお腹はこんなに鳴るの!!恥ずかしい!

「ほら!ゆきも腹減ってるんだ。早く食わせないと暴れるかもだぞ?」

「暴れないわよ!」

何だかテオとこうして言い合いをするのにも慣れてしまった。きっとこれが私達のいい関係なんだろう。

「食事の前に服を着ろ。もう乾いただろ?」

ディーは乾かしていたシャツを手に取りテオに投げた。

(そういや、二人ともまだ上半身裸だった。ん?あれ?さっき、私・・・ キャー!!)

黒蛇から守ってもらうのにテオに抱き締められてたのを思いだし赤面する。いやいや、あれは不慮の事故だ。今まで思い出しもしなかったし、気にすることなんてない。だいたいテオだって何とも思ってないハズだ。頬を押えチラッとテオを見る。

「なんだ?そんな顔して?ちゃんと服着るから安心しろよ?」

ほら。やっぱり何とも思ってない。

「そういえば。ゆきは全然乾いてないだろ?さっき体が冷たかったぞ?まだ背中なんてずぶ濡れだろ?」

自分の上着を持ったまま私に近寄り体に触れてくる。それは頭の上から始まり、肩、腕、背中と降りていく。(ちょっと!女の子の体にむやみに触ってくるんじゃないわよ!そして服を着なさいよ!)

「大丈夫だから!ちゃんと乾かすから、そんなに触ってこないで!」

やっぱりこの男、デリカシーがない。またしても顔を赤くして身を固くする。そしたら

パサッ

「きちんと乾かさないと風邪を引く。俺の服を着て今着ているものは脱ぐといい。」

頭にディーの上着が乗せられた。

「そんなことしたらディー寒いでしょ?」

「火の側にいるから大丈夫だ。悪いと思うなら早く服を乾かして返してくれればいい。」

優しい顔で微笑んで服の上から頭にポンと手を置かれる。(んー。その顔されると言い返せないんだよなぁ。)

「わかった。じゃあしばらく服借りるね!」

こうして私は自分の服を脱ぐことができた。実は体が冷えて仕方なかったのだ。

いそいそと服を脱いでディーの服を着る。男の人の服だからやっぱり大きい。何だか彼シャツを着てるみたいで恥ずかしくなってきた。

(なに考えてるだろ。ディーは彼氏じゃないし!これは優しさの現れなんだから!)

余計な考えは捨てて火の側に戻る。でも一度冷えきってしまった体はなかなか温もらなくて、少し震える。

「なんだ?まだ寒いのか?んじゃこれも着てろよ。」

ズボッ

テオが自分の着てたシャツを脱いで被せてきた。(ちょっと!前見えないじゃん!)

「ディーだけ裸とか変だしな!これで寒いのも少しマシだろ?」

顔をあげればニカッと笑う上半身裸の赤毛のイケメン。隣にはまるで絵画のような、彫刻のような美貌の持ち主の上半身裸のイケメン。

(いやいや。この画はおかしいでしょ。でも・・)

「二人ともありがとう!私、二人と一緒でホントに良かったよ!これからもよろしくね!」

二人の優しさが嬉しくて笑顔で言ってみる。まだこの世界の事はよくわからないし慣れないことも多いけど、二人がいればなんとかやっていけそうだ。

「雨もあがったな。」

ディーの言葉に洞穴の外を見る。日が傾いているんだろう。とても綺麗な夕焼けだ。

「よし!何はともあれ飯だよ!俺、腹ペコだ!

「ホントにお前はそれしか言わないな。」」

「賛成!!ワタシもお腹ペコペコだよ!」



夕暮れ時の洞穴の中から楽しそうな声が響き渡っていた。

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