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近すぎます

ムルーシャの森を迂回しながら東へ向かう道を進む。ホントなら森を抜けて山脈を越えるのが一番早いんだけども、そんな危険なルート私にはとても無理な話で。そもそもこの私が乗ってる動物(脚が8本もある)は空を飛べるらしいんだけど、あの山には空を飛ぶ凶暴なモンスターがいるため、やっぱり迂回しなければならないらしい。


「ねぇ。この馬ってなんて名前なの?」

毛並みは黒く体も随分と大きいような気がする。

「ん?スレイプニルの事か?こいつは一応伝説の軍馬だ。空を飛べるからコーリン村に行くのに便利だから使っていたが、あまり人目には晒したくない。次の町に着く頃には還す予定だ。」

「かえす?この子、勝手に家に帰れるの?凄い頭がいいんだねぇ。」

首の辺りを撫でながら感心する。スレイプニルはまるで返事をするように嘶いた。

「ぶっ!かえすの意味が違うと思うぞ?」

隣で普通の馬に乗ってるテオが急に吹き出した。え?何が違うの?

「スレイプニルは俺がネーヴで呼び出した幻獣だ。んー。何と言ったらいいか・・そうだな。実在しない魔法の馬だと思ってくれたらいい。」

ディーが丁寧に説明をしてくれた。テオったら。知らないんだから笑うことないじゃん!少しむくれてテオを睨んでみる。

「そんな顔すんなよ。チキュウ人だから知らないとかそんなんじゃないぞ?アズリズの人間だって知ってるやつは中々いないんだからな。

ただ、ちょっと面白かっただけだよ。」

何のフォローにもなってない言い訳をしながらニコニコ笑ってるテオ。バカにされたことには代わりないのに、あの顔を見てると何だか許してしまう。

(この人達、揃いも揃って顔で随分と得してるよなぁ。ホントずるい。)

「なぁ、ディー。次の町まではどれくらいあるんだ?」

「そうだな・・この調子だとあと二日はかかるだろうな。」

え!!二日?そんなにかかるの?驚いて後ろのディーを振り返る。

「二日もかかるって・・その間はもしかして野宿?」

「ん?その通りだが。それがどうした?」

さも不思議そうに私を見てくるディー。いやいや。野宿なんてしたことないよ?アウトドアなんて学校行事のキャンプくらいしか経験ないし。そのキャンプだって野宿じゃない。はっきりいってこの世界の旅を舐めてた。

ディーを見たままスッカリ固まってしまった私。そんな私に

「ゆき。大丈夫か?どうしたんだよ?」

さすがにテオも変に思ったらしく声をかけてきた。

「え、いや。あの。私、野宿ってしたことなくて・・」

「えぇ!!マジか!チキュウ人ってのは野宿しないのか??つーことは旅にも出ないって事か??」

テオはホントに驚いたらしく、目を大きく見開き叫んで聞いてきた。

「おい!止めろ。大声を出すな。モンスターが寄ってくるだろ。」

ディーが珍しく辺りを警戒しながら怒ってる。

「うぉっ。わりぃ・・

あぁー。てか、手遅れだ。2~3匹だけど、どうする?」

「お前の失態だ。お前が何とかしろよ。」

「へーい。了解だ。」

二人が物騒な会話をし始めた。ちょっと!今なんて言った?モンスター?こっちに来るって?

前に森で見たオーガを思い出す。やたらとでかくて何かを食べてたアイツ。鮮明に思い出したら体がガタガタ震え出してきた。

「ゆき、大丈夫だ。テオはそんなに弱くない。それに俺がついている。ゆきの事は俺が守ってやるからそんなに怯えなくていい。」

ディーがギュッと私を抱き寄せて言葉をかけてくれる。不思議とディーの腕の中にいると恐怖心が無くなってきた。

テオを見れば、馬から降りて両腕を軽く回し、まるで散歩でもするように前方へ歩いていく。突如、左前方から何が飛び出してきた。

それは前に見たオーガとは違い体が小さい。でも褐色の肌に醜い顔で、明らかに友好的ではない感じだ。手には錆びた剣を持っている。

「何だ。ゴブリンかよ?手応えねーなぁ。いいか、ゆき。見とけよ?こんなやつら俺が一捻りしてやるよ。」

テオは余裕の表情でこちらを振り返った。3体のうちの1体がギャーギャー喚きながらテオに向かってくる。

「危ない!」

思わず叫んだけど、テオはゴブリンの攻撃をサッとかわすと目にも止まらない早さで腰の剣を抜き、一刀両断する。

ギャーッ!!

ゴブリンの悲鳴がした。残りの2体は明らかに動揺している。

「ん?来ないのか?ならこっちから行くぞ?」

テオは瞬時にゴブリンに詰め寄り残りの2体もあっという間に斬りつけた。一瞬の出来事だった。

「まっ、ざっとこんなもんだな。」

辺りを見渡し他にモンスターがいないことを確認したテオがこちらに戻ってきた。

「どうよ?俺ってば役に立つだろ?」

ニカッと笑い何事もなかったように話すテオ。

「あんな雑魚相手になに偉そうにしてるんだ?だが、お見事だ。」

ディーもさして何も思うところがないように話している。二人にとっては当たり前のことなんだろう。だけど私は・・

「どうした?ゆき?」

テオがこちらに手を伸ばそうとしてきた。

「いやっ!」

思わず手を振り払う。体はガタガタ震え出し完全に怯えた目でテオを見ていた。

「どうしたんだよ?ちゃんとやっつけてやっただろ?もう大丈夫だぞ?」

テオはびっくりしてたけど、心配してくれてるんだろう。私の顔を覗き混んでこっちを見ている。でも私は体の震えが止まらず、ディーにしがみついてその胸に顔を埋めた。

「少し驚いたんだろう。ここにいても仕方がない。先に進もう。」

ディーは私を包み込むように抱えスレイプニルを動かし始めた。テオは納得出来てないようだけど、馬に乗り後を着いてくる。私はしばらくディーの腕の中で顔を埋めていた。


(何、さっきの。平気で殺してたよ・・

確かにモンスターは恐い。あんなのに襲われたらこっちが殺されてしまう。でも・・)

私は平然と斬りつけて笑っているテオに恐怖を覚えたのだ。

(きっと私が間違ってる。テオは何も悪くないし間違ってない。この世界ではあれが普通なんだ・・・)

あっちの世界で平和に過ごしていた私にはとてもショッキングな出来事で、なかなか理解が出来なかった。




「そろそろ野営の準備をしないとな。日が傾く前に場所を見つけよう。」

ディーはそう言ってスレイプニルの足を止めた。

「ゆき。そろそろ大丈夫か?一度こいつから降りてほしい。」

腕をほどき私に優しく声をかけてくれる。私ってば、ずっとディーにしがみついたままだった。

「ごめんなさい。もう大丈夫。テオもさっきはごめんね。何かちょっと驚いちゃって・・」

何とかテオに顔を向けて謝った。

「おー。俺はいいけどよ?ゆきのが大丈夫じゃ無さそうだぞ?顔が真っ青だ。」

心配そうに私の頬を撫でてくる。今回は触られても大丈夫だった。テオはいつもの笑顔で私をスレイプニルから下ろしてくれた。

うん。大丈夫。テオは怖くない。ジーッとテオの顔をみる。

「何だ?俺の顔に何かついてるか?」

ニカッと笑う顔はいつものテオだ。怖いなんて思っちゃダメだ。

「ううん。何にもついてないよ。心配かけてごめんね。」

何とか笑顔を作ってテオと向き合う。

「それじゃぁ、寝床を探しに行くか!」

私はいつもの陽気なテオの後ろ姿を少し複雑な気持ちで見ながら後をついていった。




道から少し外れ、ゆるい斜面を登っていくと多少開けた場所に出た。今日は此処で夜を明かすそうだ。

「少し早いが食事の用意をするか。その前に結界だな。」

ディーが目の届く範囲、30メートル四方に何か石みたいなものを置いていく。

「なにそれ?」

「これは結界石だ。これを回りに並べて結界をはるんだ。夜はモンスターが徘徊しやすいからな。見張りは立てるが念のためだ。この中にはモンスターが入ってこれない。」

へぇ。そんな便利アイテムがあるんだ。てゆーか、寝込みを襲われるのは嫌だし、出来れば出会いたくない。

「ディー!さっさと終わらせて飯にしようぜ!俺、腹ペコだよ!」

「全く、お前は口を開けばそれだな。早く食べたければそっちも準備しろ。」

いつもの二人の掛け合いだ。コーリン村で食事をしたときの事を思い出して思わず笑ってしまう。

「おっ!ようやく元気出てきたか?さてはゆきも飯が楽しみなんだろ?」

「ちがっ!そんなんじゃないよ!」

「またまたぁ。恥ずかしがんなよ。俺がぱぱっと準備してやるからな!待ってろよ。」

テオはそう言うと集めた枯れ木を幾つかまとめて手をかざす。

「そ~らよっと!」

声を出したかと思えば枯れ木に火が着いた。

!!え?一体どーゆーこと?目を見開いてマジマジと火とテオを交互に見る。一瞬にして火が着いたことに驚きを隠せない。口があんぐり開いてしまった。

「アハハッ!なんて顔してんだよ。そっか。ゆきは初めて見るんだったか?どうよ?俺の得意技。」

テオは自慢げに話すけど全く理解が出来ない。まばたきの回数だけが増えていく。

「ゆき。こいつは炎を扱うのが上手いんだ。着けたり消したり自由自在だ。」

「何だよ!その便利アイテムみたいな言い方。いいか。ゆき。“炎の申し子。イファスティオ・ローエン“とは俺様のことだ!どうた!凄いだろ?」

ポカーン。

私の口は開いたままだ。いや。確かに凄いとは思う。何もないのに火を着けたり消したり、普通はそんなことを出来ないよね。うん。凄いよ。ただ・・・なんてゆーか。中二病的な感じがして仕方がない。

「クククッ。ゆき。驚きすぎじゃないか?」

ディーが隣で笑い出した。ハッとして口を閉じる。物凄い間抜けな顔をしてたことが恥ずかしくなってきた。

「ちょっ、そんなに笑わないでよ!そりゃぁこんな手品みたいな事、誰だって驚くでしょ?!」

「いや。すまない。あんまりにも固まってるもんだから・・アハハッ」

まだ笑ってる。。。こんなに笑ってるディーは初めて見る。私、そんなに変な顔してた??

一人でむくれてたら

「うわー。すげぇ。こんなに笑ってるディー、俺久しぶりに見たかも。」

テオが私と似たような感想を口にした。え?そうなの?

「ん?俺だって笑うときくらいあるさ。だが、こんなに笑ったのは久しぶりかもな。」

楽しそうな顔で私を見ながらディーがそう言った。(うわぁ、その顔。綺麗過ぎるんだけど!!)思わず顔が赤くなる。

(ほぉー。ゆきってすげーな。)

驚いたテオがボソッと言った言葉は誰にも届かなかった。



今日の晩ごはんは乾燥キノコがたっぷり入ったスープに炙ったベーコンとチーズをパンの上に乗っけただけのシンプルなものだった。

まだ春先と言うこともあって夜は少し冷えるので、暖かいスープはホントに有り難い。ベーコンとチーズを乗っけただけのパンだって、ベーコンを炙ってあるからチーズがほどよく溶けてこれまた美味しかったんだよね。

食事も終わり毛布にくるまって3人で火を囲んで明日の行動予定なんかを話し出す。

「明日はもう少しペースをあげて、目的地のカリオーネの手前まで行こう。そこでもう一夜を過ごして次の日にはスレイプニルは還す。そこからは徒歩だ。テオは悪いが三日目の朝に馬で先に町の様子を見に行ってくれ。」

「ふぉーぃ、りょーかーい。ああぁー。食ったら眠くなってきたなぁ。」

「・・やっぱりお前は馬かブタだな。」

「相変わらずひでーなぁ。なぁ、俺、見張り後でいいかぁ?何かもうダメだ・・」

ボテッ

テオはそう言いながら横になり寝てしまった。

(はやっ!)

あっという間に寝てしまったテオに感心する。この状況で寝れるなんて余程慣れているんだろう。

「全く、しょうがないやつだ。明日も早いし、ゆきもそろそろ寝るか?」

ディーは文句を言いながらもテオに毛布を掛けてあげている。なんだかんだ言っても世話を焼くんだから、テオとはよっぽど仲が良いらしい。

「まだちょっと寝れそうにないんだけど。もう少し起きてていい?」

体は物凄く疲れてるんだけど、神経が昂っててとても寝れそうにない。火は焚いてるけど回りは薄暗くて不気味だ。結界石も置いてあるし、ディー達がいるから大丈夫なんだろうけど・・そう。早く言えば怖いのだ。(こんなところで寝れないよ)

「なら・・まだ起きてるなら少し話を聞いてもいいか?」

「う、うん、なに?」

改まって聞きたいと言われると何だか緊張する。なんだろ?

「今日、ゴブリンを討伐したとき。何であんなに怯えていたんだ?」

(!!!!)


答えにくい・・モンスターを退治したテオが怖かったなんて、言っていいんだろうか・・この先も一緒に旅をしていくのに。この世界では当たり前の事なのに。

黙って下を向く。どうしよう・・・

「俺達が怖いか?」

え?思いもよらない言葉に顔をあげてディーを見る。ちょっと悲しそうな、困ったような顔をしていた。

「ドルトに聞いたよ。ニホンはとても平和な国だって。戦争もしばらくしていないし、争う事を嫌うと。

チキュウは文明も発達しているし、ここはゆきには不便なことも多いだろう。それに・・

何よりチキュウにモンスターなんていない。」

ディーは炎を見ながら独り言のように話している。

「俺達はニホン人に比べたら死と隣り合わせな事が多い。モンスターはその一つだ。襲われて亡くなる人も稀じゃない。ローザの・・ローザの旦那もモンスターに襲われて亡くなったよ。」

「え!」

そう言えば村でローザさんの旦那さんに会ったことがない。あんな小さな子二人抱えてローザさん一人で頑張ってたなんて・・・

「まぁ、ドルトが随分世話を焼いてるみたいだが・・でもあの双子にはもう父親はいないんだ・・


ゆき。どう思うかはゆきの自由だ。でも、俺達人間はモンスターと争い、命を奪い合う事は避けて通れない。俺達は俺達の生活を守るのに精一杯なんだ。これだけはわかってほしい。」

とても悲しそうなディーの顔。思わず駆け寄ってディーの手を取る。

「ごめんなさい!私何もわかってなくて。あの時、確かにテオの事が怖くて・・ 例えモンスターだとしても殺して平然としてるテオが怖かったの。わかってるつもりだった。ディー達はこの世界の人で慣れてるんだ、当たり前なんだ、なんて思ってた。

でも違ってた。そんな簡単なことじゃないんだよね。実際、私襲われかけてたのに・・命助けられてるのに、何にもわかってなかった・・」

いろいろな感情が入り交じって涙が滲んできた。泣くもんかと歯を食い縛る。

フワリ

「あまり難しく考えなくていい。ゆきは育った環境が違うんだ。いきなり全てを理解するのは疲れるだろ。」

ディーが被ってた毛布を広げ私に掛けてくれた。

「ディー!そんなことしたらディーが寒いよ!」慌てて毛布を返そうとする。それを遮るようにディーが私の手を包んでくる。

「ゆきの手が冷たい。まだ寒いんだろ?」

確かに火を炊いてるとは言え毛布一枚じゃまだまだ冷える季節で、私の手は若干冷たくなってた。でもこれじゃディーが風邪引いちゃう。

「ダメ!ディーが風邪引いたらもっと困るし!私はもっと火の側に寄るから大丈夫!」

そう言って無理やりディーに返そうとしたらその毛布を取られてしまった。

(何だ。それなら初めから素直に受け取ってくれたらいいのに。)

改めてディーの隣に腰掛けて火の側に近寄ったたとき、

「ならこうしよう。これなら二人とも暖かい。」

そう言って立ちあがり私を後ろから自分の毛布ごと抱き締めて1~2歩下がって木にもたれるように座る。

!!何だ?この体勢!え?え!私、ディーの足の間に挟まれてる?後ろから抱き締められてる??なんでぇー!!!

「うん。これならゆきも暖かいし俺も暖かい。なかなか良い考えだったな。」

何故か上機嫌でいらっしゃる。一方、私は暖かいを通り越して熱くなってきた。

(この座りかたって恋人同士がイチャついたりする時にするやつじゃないの??やっぱりこの人、距離感おかしいよ!!)

カチンコチンになった私に

「遠慮しないでもたれてくれて構わない。それじゃぁ、疲れるだろ?」

ぐいっと肩を後ろに引かれ完全に体を預ける体勢になってしまった。(アハハ・・この天然女ったらしめ!)

恥ずかしくてとても後ろは向けないが、確かにこの体勢は暖かい。そしてディーの腕の中は、心臓はドキドキしてるけど何だかとても心地よい。(うん。これは人間椅子、いや、人間布団だ。そう思え。私。)


恥ずかしいけど離れがたくって、しばらくこの体勢でいた。そして、思ったことを口にする。

「何か今日は驚かされっぱなしだね。やっぱ私はここの世界の人とは違うんだって、思い知らされちゃったよ。」

「ん?別に何も違わないだろ?」

「そ、そう?」

「あぁ。ゆきはまだ慣れていないだけで違う訳じゃない。同じ様に笑い、同じ様に泣く。同じ様に悲しみ、怒る。ほら、同じだろ?

人は案外、大して変わりがないんだよ。きっと。」

ディーは私の肩に顎をのせてるらしく、耳元に直接響く声はなんとも言えない恥ずかしさをもたらしてくる。なんてゆーか。ディー。くつろぎすぎてない?恥ずかしさと居心地のよさの天秤は、今しがた恥ずかしさがメモリを振りきってしまった。

「あ、あの。ディー。ちょっとくっつきすぎじゃない?」

「・・・・」

「えっと。ディー?」

すぅ すぅ

(えっ!まさか?)

そろぉっと振り替えると綺麗な寝顔。そして近い。(うわぁ・・寝ちゃったんだ。ってこの体勢どうしよう?今のうちに抜け出してー)

ギューッ

(うわ!何で抱き締めてくるの??抱き枕と勘違いしてない?!!)

もがくけど抜けれそうにない。

はぁ・・何だか疲れた。そして眠たくなってきた。抜けれないんだったらこのまま寝てしまうか。そうだ。もう寝てしまおう。明日も早いって言ってたし・・・


こうして私は意識を手放したんだけど。



「何であの二人あんな体勢で寝てるんだ?抱き合ってるなんて・・・ そーゆーことなのか??

ゆきってすげーな。」


交代のために目覚めたテオが見たもの。

それは二人で抱き合って毛布にくるまるディーとゆきの姿。

次の日にテオに

「ゆきって実は魔性なんだな。」

と囁かれ必死で言い訳をする羽目になるなんて・・・


「ディーのばか!この!天然女ったらし!!!」


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