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僕は友人と会う

ある土曜日の事だ



「…………」


「んん……」


僕と優衣香さんはリビングのソファーに座りながらテレビを見ていた


いや、僕は座ってないかな?

横になって、頭を優衣香さんの太ももに乗せている

所謂、膝枕だ


とても柔らかくて気持ちいい

僕の頭を撫でる優衣香さんの手が優しくて………………っと!眠りそうになってしまった!


「…………」


優衣香さんはテレビを見ながら何か考えてるようだ


「……」


そして前のテーブルに置いているリモコンを取ろうと前に乗り出す

チャンネルを変えたいんだね


ムギュ!


「あ……」


前のめりになる優衣香さん

その優衣香さんの胸が僕の頭を押さえる


左側に太ももの感触

右側に胸の感触

柔らかいサンドイッチ…………エフン!


「すぅ……はぁ……」


軽く深呼吸をして落ち着く

朝っぱらから発情してはいけない

そういうのは夜に寝室でね?


ギュウ……ギュウ……


でもね、こう挟まれてるとね……うん……気持ちいい



ピッ!


テレビのチャンネルが変わる

そしてすぐに右側の感触が離れる

寂しいけど、ほっとしたような……あと数秒遅かったら……獣になっていたよ……いやほんと



ピピピピピ!


「んっ?」


テーブルに置いていた僕のスマホがなる


「…………」


僕が動く前に優衣香さんが取ってくれる

再びサンドイッチ……うん……うん!!


「…………」

「ありがとう優衣香さん」


僕はスマホを受け取る

お礼はスマホを取ってくれた事のお礼だよ……サンドイッチのお礼は夜にね?


「……(すすむ)から?」


スマホの画面には『空國(からくに) (すすむ)』と出ていた


空國 進

僕の幼なじみであり親友だ

高校までは同じだったけど……大学は別になって

確か今は仕事で海外に住んでるはず……


ピッ!


「もしもし?」


僕は右耳にスマホを当てる


『おっ!圭か?』

「いいえ違います」

『そうですかすいません……ってこらぁ!!』


元気そうだな


「ごめんごめん、どうしたの?電話なんて珍しいね?」


いつもはライフで簡単な連絡なのに


『いや~久しぶりに帰国しててさ、久しぶりに顔を見たいと思ってさ』

「ふ~ん…………」


嘘だな

いや、顔を見たいってのは本当か……ただ、会いたい理由は他にもあると見た


「それで?いつ会うの?」

『今日の昼って大丈夫か?』

「今日の昼?」


予定は無い……いや予定は無いけど優衣香さんとイチャイチャするつもりだったのだけど……

僕は久しぶりの土曜の休日だよ?

この連休は優衣香さんとのんびり過ごすつもりで昨日で買い物も済ませたんだ

だから急に言われてもね……


僕はチラリと優衣香さんを見る


「…………」


優衣香さんは無表情に僕を見る……


そして……


「……(コク」

ナデナデ


頷いて僕の頭を撫でた


「……いいの?」

「(コクリ」


再度頷く優衣香さん


「ありがとう、明日埋め合わせするからね?」


僕は優衣香さんの頬を撫でる


『おーい……』


電話口から呆れた声


「ごめんごめん、いいよ、どこで合流する?」


僕は起き上がる

さようなら膝枕……また今度ね?



『駅で会おうぜ』

「了解」


僕は電話を切って時間を見る

10時か……余裕はあるな


「取り敢えず着替えるかな……」


僕は自分の格好を見る……

パジャマだ……優衣香さんもパジャマだ

つまりさっきのサンドイッチの時の優衣香さんは……よし落ち着け、まだその時じゃない


「…………」


優衣香さんが立ち上がって僕の手を握る


「あ、うん、着替えようか」


僕と優衣香さんは寝室に戻って服を着替えた

一緒にね……うん……ちょっと……うん……大丈夫、時間に余裕はあった

そしてさっきは夜にと言ったが休日なら関係ないよね!!

だから営みがあっても問題ないのである!

うん!問題ない!…………問題ない!!


・・・・・・



準備を終えて優衣香さんに行ってきますのキスをしてから僕は駅前に着いた


「さてと……進はどこかな?」


僕はスマホで進に電話する


call!call!!


後ろからそんな機械音声が聞こえた


「……なにそれ?」

「着信音だが?」


僕は振り返って目の前に立つ男を見る


ストライプ柄の服を着た男

進だ


「久し振りだな圭、会うのは何年ぶりだ?」

「僕の結婚式の時だから3年ぶりだね」


僕と進は話をしながら喫茶店に入った


・・・・・・・


僕と進は久し振りの再会で話をする


「それにしても……圭と篠宮(しのみや)が結婚してどうなるかと思ったが……上手くいってるみたいだな」


篠宮……優衣香さんの旧姓だ


「うん、優衣香さんには色々と助けられてるよ」



『篠宮か……アイツはやめとけ』


昔、進にそう言われた事を思い出す


「そうか、幸せそうでよかった……」


進は微笑みながら珈琲を飲む


「あの時の進は反対してたよね」

「最初だけだろ?お前が本気だってわかってからは応援したじゃないか」

「うん、わかってるよ」


優衣香さんと恋人になるまで……本当に色んな人に助けられたなぁ

進には特にね……僕の背中を押してくれた


「今でも感謝してるよ、進が言ってくれた台詞にはね」

「やめろ、今それを思い出させるな、恥ずかしいから!」


若気の至りでの台詞だという進


「それにしても……あの時は驚いたなぁ……なんだっけ? 『天使を見た』だったか?」


「ちょ!? それを言わないでよ!!」


『天使を見た』

それは優衣香さんを初めて見た後……僕は進にそう呟いた


し、仕方ないだろ! あの時は雰囲気もあって、そう見えたんだから!



「それで?何か話があるんだろ?」

「……やっぱりわかった?」

「当たり前だよ、話だけならテレビ電話でもすれば良いんだから」


直接会う

それはそれだけ重要な話があるって事だ


「……」


進は周りを見てから小さい声で言う


「……そのさ、結婚したい相手が……いてだな?プロポーズの方法に……悩んでてな?」

「へぇ、その相談?相手は?」


進がスマホを取り出して写真を見せる

進と女の人……海外の人だね

二人が仲良く写っている


「ふむふむ」


僕は写真を見ながら頷く


「何か方法ないかな?」

「…………うーん、正直に言うと何もアドバイスとか出来ないよ?」


だって彼女の事を僕はよく知らない

そんな人間がアドバイスなんか出来るわけがない


「そ、そうだよな……」


「アドバイスは出来ないけどさ……」


進は本当はアドバイスが欲しいんじゃないんだよね?

進が僕に言って欲しい言葉は


「ぶち当たって来なよ、もし砕けたら……僕が励ますからさ」

「……あぁ……ああ!そうだな!」


『ぶち当たれよ!当たって砕けてダメになったら俺が励ましたやるからさ!!』


昔、進が言った事だ

進は背中を押してほしかったんだ……

だから僕は彼の背中を押した

彼が押してくれたように………



・・・・・・


それからは二人で町を歩いたり

夕方には飲み屋で飲んだりした


「にしても篠宮と圭がねーははははは!!」

「飲み過ぎだって!」



酔った彼を宿泊先まで運ぶ

ホテルの店員が部屋まで運ぶのを手伝ってくれて

彼を寝かして部屋を出た



「……ふぅ」


帰りながら夜空を見上げる


「久し振りに……卒業アルバムでも見ようかな」


僕はそう呟いてから家に帰った



帰ったら優衣香さんに抱きつかれてキスされて押し倒されたのは……まあここだけの話で







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