第2話 結果
私は、テーブルをはさんで蓮の母、父、姉と向かい合っていた。話があるとつげた後に、そんなことよりも先に検査を受けさせられて問題がなかったため退院して自宅に戻り今この状況である。
「それで話とはなんだ、蓮」
「そうですね。信じられないかもしれませんが、話させていただきます・・・」
それから、私はすべてのことを話した。蓮はもう死んでしまったということ、残った肉体を私がもらったこと、ただ私が受け入れられなければ回収されることだけは話さなかった。憐みで生きてもうれしくはないですしね。
「ふ~ん。別にいいんじゃないなんでも、私にはその話が本当でも嘘でも関係ないわ」
「美咲!」
母の制止をきかずに去っていったのが水戸美咲で蓮の姉で蓮とはものすごく仲が悪かったらしいですがまず一人クリアですね。
「私は、君の話は本当だと思う。そのうえで息子の蓮の体が君の人生の役に立つならば受け入れるよ」
「そうね、でも条件があるわ。私たちのことをちゃんと家族としてみること、他人行儀とかぜったいだめだからね」
「わかりました。敬語は癖なのでなかなか抜けませんがこれからよろしくお願いします母さん、父さん」
強い人たちだ。息子がなくなったというのに、涙一つ流さずに私のことについてしっかり答えてくれるとは、予想よりも良い家庭のようだ。
「それじゃ今日はもう遅い、二階に行けば部屋の前に名前が書いてあるから蓮は早く休みなさい。異常がないとはいえ今日退院したばかりなのだから」
「そうします。ではおやすみなさい」
「ああ」
私が二階に上がりだすと一回からは母さんの泣く声が聞こえてきた。息子が死んだと聞かされたら普通こうなると思い、自らも両親を残して死んだことを思い後悔した。
「ふう、とりあえず条件はクリアしました。明日からです、明日から私は蓮として人生をしっかり生きていきますから安心して眠りなさい蓮君」